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「書くの楽しい?」

つい先日、僕にこんな質問をして来た男がいる。2年前、僕をスポーツライターの世界に引き込んだ友人のAさんだ。なんで急にこんなことを聞くのだろうと疑問に思っていたが、彼は、最近の僕にどんな変化が起きているかを見抜いていた。

憧れを行動に変えるAさん

Aさんはいつも僕に、明るい未来へのアドバイスをくれる。実は、僕にnoteで書くよう最初にアドバイスをくれたのもAさんだ。

Aさんは、僕が知る限り、2人の著名人に憧れを抱き、インスパイアされながら生きている。1人目は、すでにアラフィフ世代でありながら、その世界のトップに君臨する超大物アスリート。そのアスリートとは、今ではカラオケまで行く間柄になった。もう1人は、女性シンガーソングライターとして活躍し始めたアーティスト。彼女とは取材を通じて信頼関係を築き、つい先日、大型の連載企画が決まったそうだ。もちろん、長い年月をかけて築き上げてきた関係なのだが、Aさんの自らチャンスを手繰り寄せる力には、いつも脱帽する。

Aさんが僕にnote を勧めたワケ

そんなAさんが、僕にnoteに書くことを勧めてくれたのは、僕が少し前に東洋経済オンラインに寄稿した元総合格闘家の大山峻護さんの記事のことをAさんに話した時だった。

「はじめは、PRIDEやHERO’Sで活躍したあの総合格闘家・大山峻護の濃密で豊潤な44年間の人生を、数日前に初めて会ったばかりの俺が、たった4000字で表現していいのか、って本当に悩んだんですよね。現役時代の大山峻護の試合はリアルタイムで見て熱狂してましたよ。腕をへし折られたり、当時最強と言われた猛獣たちに立ち向かっていく壮絶な現役時代でしたからね。でも、大山さんと会話して、現役のことはもちろん、引退後の葛藤やその後のキャリアまで聞いて、描きたいという欲求が止められなかった。その日の夜には、どこの媒体に載せるかも決まってないのに、大山さんの人生を記事に書き上げて、大山峻護さん本人に送ってたんですよ。そしたら、大山さん、めちゃくちゃ感動してくれて。」

なんていう話をしたと記憶している。その時の僕は、記事にかける想いが溢れてしまい、感情的になり、口調に熱を帯びていていたと思う。そのことに、おそらくAさんは気づいた。そして、僕が普段あまりみせることがない熱狂ぶりを、その感情を、noteに表現した方がいいと言ったのだった。

Aさんに勧められた時、僕は「noteなんて……」といった感じだったと思う。だが、結果的に、今、こうしてAさんに導かれるように、僕はnoteに記事を書くことになるのだがら不思議なものだ。

課題に気づいた瞬間

僕は最近、自己紹介のページを掲載した。これには「ある出会い」が関係している。後で振り返ってみれば、ターニングポイントだったと思える出会いになっているという予感めいたものがあるのだが、それは、元Jリーガー長谷川太郎氏への取材で得た気付きだった。

それまでも、僕がライターとして活動しながら薄々感じていたことは、ライターとしての瀬川泰祐の価値は、積み上がっていないんじゃないか?ということだった。

僕が誰かの取材をして記事を書くと、掲載された媒体の読者に配信され、さらに提携サイトに転載される。SNSでは、媒体側の発信と、取材したアスリートの2点を起点に、記事が拡散されていく。もちろん、僕も拡散するのだが、影響力は微々たるもの。ライターとしての知名度はゼロに等しく、伝える力を媒体や取材対象者の力に頼らざるを得ないことに、表現者としての大きな課題を感じていた。それを何度か繰り返しているうちに、何度記事を書いても、記事を書くたびに、僕の読者からの評価はゼロに戻っていることに気づいてしまったのだ。

こうして、最後の決め手は、自分自身の課題を解決するという目的のもとで、noteを書くことにした。表現力を高め、ライター・編集者としての総合力を身につけるために

別に、今だって、決して目立ちたいわけではない。だが、自分を押さえつけていた「目立ちたくない」「周りの評価に晒されたくない」と言った見えない壁を突き破って、力をつけるために、とにかく表現することを、僕は選んだ。

こうした僕の変化に、Aさんは気づいた。だから、冒頭のような質問をしたのだろう。

友人の問いへの答えとそのワケ

「いま、めちゃくちゃ楽しいですよ。なんだか、何かに引き寄せられてるような感覚かも。」

冒頭のAさんからの質問に、そう答えると、Aさんはこう言った。

「俺の経験上、それは“好き”が引き寄せてるんだと思うよ。だって、さっきの大山峻護の話だって、瀬川さんの好きが、行動を起こさせたんでしょ。始めたnoteだって、書くのが好きで、もっと力をつけたいからでしょ。全部、好きだからなんですよ。」

この言葉に、僕はグッと来た。もはや、好きがどうとか、別に当たり前のことはどうでも良い。それよりも、僕の変化を見逃さずにアドバイスをくれる仲間が近くにいることが本当にありがたい。

好きなことにとことん没頭すると、結果的に仕事が増えるのだと思っていたが、どうやら僕の勘違いだったようだ。好きなことに没頭すると、自分自身に熱を帯び、同じ熱量の人たちとぶつかり合うようになる。

結局、好きなことに没頭すると、大切な仲間が増えるのだ。

瀬川泰祐の記事を気にかけていただき、どうもありがとうございます。いただいたサポートは、今後の取材や執筆に活用させていただき、さらによい記事を生み出していけたらと思います。