さて、私がこのコラムで主に書いてきた二つのドラマ「君が心をくれたから」と「マルス　ゼロの革命」がいよいよ来週最終回を迎えます。本当に演技が上手い方々が多く、心から楽しませてもらいました。今日はちょっと欲張ってどっちも少しずつ書いちゃいたいと思います
【君が心をくれたから】
《あらすじ》
交通事故にあった太陽を助けるため「奇跡」を受け入れた雨は五感を時間をかけて失っていく。「視覚」を失うまであとわずかとなった雨は、太陽の花火を見たいと思う。打ち上げが間近に迫る中、空は曇っていた。太陽は千秋を成仏させる代わりに空を月夜、すなわち晴れさせることを決断。雨の視覚が失われる８時まで残り数分となって最初の花火が打ち上げられる。しかし、次の番の太陽の花火は打ち上げが少し遅れてしまう。雨は太陽の花火を見て「きれいだ」というも、雨の顔の方向は太陽の方を向いていなかった。見れなかったことを悟る太陽に雨は優しい嘘をつき続けた。それはマカロンを食べたあの日と同じだった。
次回予告では、日下さんが「あなたにはまだ時間がある。そうでしょう？」「奇跡はまだ終わっていません」などいった言葉が流れた。

《感想》
最後の５分間、本当に泣きそうになりました。雨を演じる永野芽郁さんがまた演技が上手！　一瞬にして雨の視覚が奪われたことが表情だけで見て取れる。それだけに悲しくなり、可哀想になりました。パティシエという夢をあきらめ、花火を見たいという願いも果たされず、それでも太陽を励まし続ける、そんな姿に心を打たれました。最終回、少し人間の情のようなものも見せ始めた斎藤工演じる日下。これまでほとんどバッドエンドで暗い話となった本作、最終回に少しでも優しい雨が報われ希望がさすことを切に願います。


【マルス　ゼロの革命】
《あらすじ》
ウド、エリ、道枝駿佑演じるゼロの三人で活動してきたマルスは、江口洋介演じる國見が社長のクロッキー社の個人情報流出の証拠を手に入れるも命を狙われ、エリは自殺、ウドも「死んだ」。再び板垣君演じる渾一や吉川愛演じる貴城らとともに「マルス」を結成。政府と結びついたクロッキーの國見は日本人がもう一度一つにまとまれるように、日本人を窮地に追い込むことを目的にテロを画策。ゼロらは明確な証拠を得るためにクロッキー社に忍び込み、プログラムをコピーしようとするがプログラムをコピーすることはできず、それと同時にクロッキーのアプリが入った携帯が動かなくなるまでのカウントダウンが開始されてしまった。防犯カメラの映像が公開されマルスの仕業とされたゼロたちは高校に立てこもり無実を訴える。そして國見の来校を要求する。國見がクロッキーを離れたすきに、以前マルスのメンバーで、自分を「殺して」別人となりクロッキーに就職し今や國見の２番目の秘書のような存在となっていたウドが國見のPCからプログラムをコピー。そこには、使えなくなったクロッキーのアプリが入った携帯を使えるようにするためのプログラムさえあり、自らがそれを発表し「救世主」となる思惑さえ見えた。コピーしたプログラムのデータをゼロに渡すため待ち合わせ場所へと向かう二人だったが、ウドのもとへ来たのはゼロではなく國見だった。あとから来たゼロは國見がいることがわかり逃走した。

《感想》
雰囲気的には現代版「僕らの七日間戦争」のような感じ。とはいえもちろん内容は全然違う。ゼロが思う「正義」ために、ゼロを信じる仲間はついてくる、そんな協力や友情の大切さを表しているようなシーンもあれば、不条理な世界に立ち向かっていく痛快さもある。しかしながら、國見も日本を変えたいという思いはあるだけに、最終回、國見が悪い人で終わるとは思えない（今のところすごい悪い人だが）。ウドが捕まった時に持っていたデータは本当にプログラムのコピーだったのか、ウドは本当はゼロに別の場所を伝えたのではないのか。ＯＡの２日前まで撮影していたなどともいわれているが、そんなことを全く感じさせない俳優さんたちの迫真の演技、緊迫した場面に最終回、ドキドキして待っています。