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新隊員訓練~銃器対策部隊のお試し訓練はどうだ

新隊員訓練から一週間の最終日金曜日
既存の隊員は、土日も関係なく業務をしているので、土日の休みは関係ないのですが、新隊員は訓練自体が平日しかできないので、おのずと土日が休みになります。

~ちなみに、既存の隊員はどういったシフトなのか
常に仕事があるのが、重要防護施設警戒、これはつまり空港や各外国の領事館です。
羽田空港や成田空港にいったことある人ならわかると思いますが、空港入り口や一般車両、タクシー、バスの乗降者口付近に大量にパトカーが停まったり護送車的なでかいバスが停まっているのを見たことがあるはずです。
あれです。
北海道は新千歳空港の警戒警備が当たっています。
これは、日勤と夜勤を繰り返します。
日勤は8時から20時までで面替えして、夜勤は20時から翌8時まで
これを永遠と繰り返し。
業務内容は、施設の巡回、これはルートと時間が決められていてただ歩くだけです。巡回なので不審者がいないか警戒しながらするのが通常ですが、今の警察官にそれができる人がいるのか謎です。

次に手荷物チェックをするゲートの前に一人立って警戒警備
ここが一番のキモではないでしょうか。
手荷物チェックで不審物件が出てきた場合、それが法に触れる場合警察のお出ましというシステムですが、知識も現場経験もない機動隊員ではたして対処できるのかが不明です。
しかも空港警察が日勤で待機していますが、これもまたひどい、ポンコツしかいません。
まあ、これはまた後日・・・

それから、重要防護施設、これは外国の領事館が各場所にあり、それの警戒警備につきますが、この詳細は控えます。

重要防護施設であとは原発があります。北海道にも一か所ありますが、そこに警備として入ります。
これは、当時隊員を1個小隊投入します。
場所は札幌市ではなく、長距離になるので日勤夜勤で面替えとはいきませんので、1~2週間スパンで区切り、日勤と夜勤で一個小隊を半分に分けて
勤務につきます。
当時は宿泊施設が用意されていて、朝飯と夕飯が出て大変良い勤務環境でした。
今はそれが変わり劣悪な環境へと変化したみたいです。

ここらへんが常勤として、各隊持ち回りで勤務しています。~

金曜日まで、最初の一週間は基本と体力作りに励みました。
指揮官もこれは初歩的な事だから。来週から厳しきなるぞ
とのこと

明日から土日だからしっかり休んでおけよ。
と、一週間の勤務が終わりました。

やったことは、
7キロの盾をもって、10~20㌔のランニング
(離脱者があれば、私は最大28㌔の盾を持ってのランニングに変化)
旧ゴキブリスタイルで基本操法の訓練
(前後左右揃うまで永遠に訓練)
上記では書いていませんでしたが、地味にゴキブリスタイル
(通称完全着装、完着ともいう)での腕立て100回
100Mダッシュ10本(ゴキブリスタイルで)

でした。

なんだろうアスリートめざしているのか?

ただしこれは私を含む一部の人間がこなした訓練であり、7割は途中で離脱していました。

※土日は休みで、買いたいものや遊びたいことがたくさんあったので、これは別の記事で書きます。

翌週、ここから事態は一変します。
まず先週やった一通りの訓練を午前中にやること
ここで、半分が離脱します。
そうして指揮官からヤキが入ります。

一気に厳しくなりました。

午後からは、新しい訓練
というか、どうやら新設の部隊が出来たらしく「銃器対策部隊」
自動式けん銃を使用した、テロ制圧部隊らしいです。

それの訓練を新隊員訓練部隊の指揮官殿が考案しており、実験台として我々新隊員が耐えきれるか検証するという、裏の目論見がりました。
実際に、ただ新隊員訓練だと言われこなしてきているので、当時はそんな目論見があったなんて知りませんでした。

午後からは、本物の自動式けん銃(12KG)をもち、まずは例のランニング
これは盾を28KG持つよりも楽だったのでよかったのですが、指揮官が「お前たち楽そうだな」と楽しているのがばれて、右手にけん銃、左手に盾2枚追加になりました。
腕がちぎれる寸前でした。

この後は、けん銃を持ち匍匐前進 自衛隊のまねごとです。
ただしけん銃を地面につけると傷がつくので、絶対に傷つけるなと指揮官殿のハッパがかかり、背筋を最大限に使った匍匐前進が開始されました。
けん銃を右手で持ち上げ、背筋で上半身を持ち上げ匍匐前進
片道300m、それを往復10週

これはこれでゲロ吐きそうだし、実際に吐いていた隊員もいました。

昼飯食べた後だからね。

午後からはそれを永遠にやり、締めの訓練は例のランニングでした。
離脱してももう盾は持てないよ。
最終的に、離脱した人間をおぶりながら右手にけん銃、左手に盾1枚という訳の分からないスタイルが確立されました。

当時は、鬼指揮官にしごかれているだけだと思っていましたが、今ならわかります。
あの幸せな日々がどれだけよかったか。
お金をもらいながら身体と心を同時に鍛えられる幸せ

ああ、指揮官殿よ、ありがとう

しかし当時はそんなこと微塵も思いませんでしたが。

その幸せな訓練をこなしていくと、新隊員同士の妙な連帯感が生まれてきます。
最初は、言われなきゃ脱落者を助けないし、自分もきついのでやりませんが、後半は言われなくても脱落者を助けたり、助けられたりと連帯感が育ってきました。
また、体力的に自分と同等くらいの人が1人いたので、彼とはライバル意識が激しくバチバチやっていましたね。
ライバルってやっぱり大事で、奴ができることは俺もできるみたいな感じでいくら厳しい訓練でもやり遂げていましたね。
そのおかげで体力バカの異名をもらいました。

機動隊は特に、一般警察署の中で体力自慢があつまる場所でもありますので、結論体力があれば新人でも一目置かれるということが分かりました。

体力があるって素敵です。

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