帽子屋 ー傷跡と紫外線の話ー
紫外線がシミの原因になることは周知の事実ですが、縫合した傷跡が治癒していく過程の紫外線も、傷跡の残りやすさに影響します。
分かりやすくまとまっている資料として、北里大学メディカルセンター形成外科の文書をご紹介させていただきます。
傷跡が落ち着いてくるまでに、なんと半年から1年もかかるというのです!特に紫外線対策は少なくとも3ヶ月くらいは気にしておいた方がよいということが知られています。
…長い。
つい先日、額に3cmほどの傷を負ってハリーポッターになった私にとって、これは他人事ではありません。厨二病的には格好良いポイントですが、傷の治りが悪いと初対面の診察室ではマイナスになりそうですし、人に要らぬ誤解を与えかねません。これは戦闘の跡ではありませんし、浴びたのは返り血ではなくて自分の血です。
日焼け止めクリームやUVカットテープの利用も考えるとして、これからの季節、やはり帽子があってもいいんじゃないかと想いを馳せます。
帽子、と聞いてまず思い出すのは『不思議の国のアリス』の『帽子屋』ですが、私の記憶には個性的な帽子屋がもう一人住んでいます。
それは京都の或る街での邂逅でした。
シャープなシルエットの赤銅色な帽子をかぶった彼は、足早に歩く私に呼びかけました。
「お兄さん!帽子かぶらないの?」
見るからに帽子屋です。しかも普通に勧めてくるどころか、帽子を忘れてますよ、みたいなノリで絡んできました。こいつ只者ではない。
興味の湧いた私は足を止め、帽子屋の話を聞くことにしました。
「帽子は良いですよ。ホラ、これとかこれとか。気になるのあれば試してみてください。」
数多の帽子を眺めながら私は応えます。
「せっかくですけど、私、帽子をかぶると途端に胡散臭い雰囲気が出るんですよ。」
そういってひとつ手に取りかぶります。
「ハハハ!たしかに胡散臭いですね!でもお似合いですよ!!」
舐めてるのかコイツ。しかし正直なところは好感が持てます。ブチャラティほどではありませんが、私にも嘘をついている味は分かります。
彼は嘘をついていない。帽子屋は続けます。
妙に説得力のある言葉です。馴染んでくるなんてコイツDIO様でしょうか。すると本体は帽子の方かもしれませんね。しかしそんなスタンド攻撃、私に通用するわけが……
その日から京都の日差しを防いでくれた麦わら帽子は、今も自室に飾ってあります。
麦わらの季節にはまだ早いし、春に似合う帽子を新調しましょうか。そんなことを思いながら、私は病院を後にしました。
拙文に最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました。願わくは、貴方の肌が紫外線から守られて、艶やかなハリが保たれますように。
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#スリザ … #グリフィンドォォーーール!!
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