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4km速度競走に拘った理由『後編』

本日は、前回の4㎞速度競走に拘った理由『前編』の続きを書いていきたいと思います。まだ、そちらをお読みになられていない方は、そちらを先にご覧頂ければと思います。
前回の記事はこちら⇒4㎞速度競走に拘った理由『前編』


自転車部のない公立高校へ進学

トラック競技に特性があるのかな?と思えた中学生時代もあっという間に終わり、いよいよ高校生になりました。

進学した高校は、本人の希望もあり地元の公立高校『六甲アイランド高校』でした。残念ながら自転車競技部はありませんでしたが、入学説明会の時に先生とお話しをさせて頂き、特別活動として高体連に登録することを快く許可してくださいました。

もちろん自転車競技経験のある先生はいらっしゃらないので、私が外部指導者という立場で登録させて頂くこととなり、ここから本格的な親子二人三脚での活動がスタートしたと言えると思います。

高校は競技優先で決めない(経験談)

少し話は逸れますが、『六甲アイランド高校』へ進学したことは、本当に良かったなと親子共々思っています。全国でも自転車競技部のある学校は非常に少ないので、進学先を迷っておられるジュニア選手や保護者の方も多いかと思います。

またこのことは別の機会にも書きますが、私の経験から高校は競技のことを最優先にして決めるのは良くないのでは?と思っていました。

本人がどれだけ頑張っても、怪我や交通事故で自転車に乗れなくなる、全く伸びない、そんなことはザラにあると思います。

その時に、その選択を後悔しないのであれば良いですが、人生経験の少ない中学生にそれを全て決めさせるのはどうかと思いますし、何より私自身が競泳の推薦で京都の高校に入学し先々大きな後悔をすることとなりました。

ただ、自転車部のない高校ですから、高体連登録ができないかも知れない。その場合は、全日本選手権と国体で結果を出す!そういう気持ちがないとこの選択は難しいです。高体連登録ができなければ、選抜大会やインターハイには出場できませんので。

そんな中、六甲アイランド高校が快く許可してくださった時には、ホッとしたのも正直なところでした。この学校選択の件は、話が広がり過ぎるのでまた別の機会に・・・。

インターハイを目指す

そんな感じでスタートした高校での競技活動ですが、一発目のトラックレースは、兵庫県高校総体(近畿高校総体予選)でした。

皆さんもご存知の通り、近畿高校総体でインターハイの出場権が決まりますので、できれば1年目からインターハイには出場したいと思っていました。

しかし、競走競技に苦手意識のあった息子ですので、まずはタイムトライアルで?という意識でしたが、タイムトライアル系の種目は順位ではなく制限タイムを突破できるかどうかという壁があります。

私の記憶なので、少し間違えているかも知れませんが、1㎞が1分10秒5くらい?3㎞が3分40秒5くらい?だったと記憶しています。

その時点での1㎞タイムトライアルのベストタイムが1分10秒4だったと思いますので、インターハイの制限タイム的にはギリギリという状況・・・。

3㎞個人パシュートに至っては、まだ3分48秒程度しか出ていませんでしたので、3分40秒に挑戦するのはかなりハードルが高いんじゃないかと・・・。

先のことも考えての種目選択

そもそも、本人の特性云々ではなくインターハイを狙うための消去法でそのような考え方になっていましたが、その時点では『将来は競輪選手になりたい!』ということも少しずつ言い始めていました。

それならば、やはり競走競技に慣れていくことも大事だし、どうなるか分からないけど競走競技で順位を狙おう!という風に考え方が固まっていきました。

その時点ではまだ、ロードレースをメインでやっていましので、中長距離選手としての競走競技である、
★ ポイントレース
★ スクラッチ
★ 4㎞速度競走

のいずれか?ということで悩み始めました。

苦手の理由から1つずつ具体的に

ここで、再度息子の苦手意識の内容を深く掘り下げてみると、『周りの選手が急にペースを上げたり下げたりするのに、ブレーキがないというのが怖い・・・』ということでした。

ロードレースしか経験の無かった私も、これは非常に共感するところでしたので、そんな選手でも走れるのはどの種目だろうと真剣に考え、以下のような特徴を競技特性として認識しました。

★ スクラッチ

ルールはロードレースと同じで最後にトップでゴールした選手が勝ち!非常に分かりやすい!ただ、逃げが発生したら一斉に集団が追い掛けたり、逃げを捉えた瞬間に一気にペースが落ちる。

上げ下げが頻繁な上に出走人数も非常に多く、一番恐怖心が高くなる感じがする・・・。

★ ポイントレース

約2㎞毎にポイント周回があり、4位通過までの選手にポイントが入る。全員ではないものの集団前方の選手はポイントを獲るために一気にペースを上げる場面がある。

また、ポイント周回が終わった瞬間に急激にペースが落ちることも多い。上がったり下がったりするタイミングは分かりやすいが、やはりペースの変化は大きめ。出走人数が多いのも気になる・・・。

★ 4㎞速度競走

まず、多くても12人くらいまでの選手での競走!半周毎に先頭責任を完了させるために、後ろからどんどん選手が前を狙っていくためペースが落ちるタイミングはなく、ずっと速い!

基本的に先頭を誰かが常に狙う状況のため、ペースがガクッと落ちることはない!これだ!!

他にこんな魅力も発見

ということで、4㎞速度競走が良いのではないかと決めました。また、この競技をメインにしていた選手が、大学へ進学してから活躍している選手も非常に多いので、そこに何かあるのかなということも思いました。

また、この競技は高校生だけの競技(特に当時は選抜大会では4㎞速度はなく、インターハイのみ)という魅力も加わり、まずはこれをやってみよう!という流れになったという感じです。

簡単にこういう能力が必要

あまり知られていませんが、速度競走とはよく言ったもので、全国大会の決勝でのゴールタイムは、いつも4分40秒から45秒前後に収まります。

団体競技のチームパシュートのインターハイの制限記録は4分40秒ですが、ドロップハンドルで多少ペースの上げ下げがある中、そのタイムで走れないと話になりません。

その中で、ホーム線、バック線ではもがいて先頭を獲った後、速い集団の後ろに下がって千切れずに態勢を立て直す回復力が必要ということで、実力がないと最後まで残ることさえもできないという競技です。

1年生のインターハイで心を決めた

このような流れで決めた4㎞速度競走で、1年生の時は近畿総体で2位、そして初のインターハイでも決勝まで残ることができ、無事に6位入賞することができました。

初挑戦でまさかの6位!

これは正直、ノーマークであったことと、半分マグレもあったなと今では思っていますが、この時に『高校の間に4㎞速度競走を極める!』ということが、親子での共通目標となった瞬間でした。

なぜその種目をやるのかを考える

以上が、4㎞速度競走に拘った理由です。皆さんも色んな想いで参加種目を決められていると思いますが、その種目に対しての想いをしっかりと持つことで、自然と研究する気持ちにもなると思いますし、競技への理解が深まり、結果強くなるのではないかと思います。

今何ができるのか?また、将来どうなりたいのか?そんなことを考えて種目を決めていくと、きっと高校での競技活動が充実したものになると思いますので、皆さんも一度考えてみたらいかがでしょうか。

前回の前編から本日の後編まで、今回も長い駄文に最後までお付き合い頂き、ありがとうございました<(_ _)>

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