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一生懸命な大人が子供に与えてしまう「耐えられないほどの寂しさ」

皆さん、こんにちは。
親子の傷を癒す、心のトリートメントルーム主宰のkotoです!

前回の記事では、たとえ家族によって生まれてしまった傷だとしても、自分の中の痛みを認めていくことの大切さについてお伝えしました。

今回の記事では、子供の生きづらさをつくってしまう「大人の一生懸命」と題して、子供のために一生懸命な大人が子供に与えてしまう、「耐えられないほどの寂しさ」についてお伝えしていきます。

両親が共働きという、とても「普通」の家庭


あなたが小さいころ、お父さんやお母さんはどのように働いていましたか?

私の育った家庭では、両親ともに教員をしており、朝から晩まで家族のために一生懸命働いてくれていました。

そのため、私は1歳を過ぎてすぐ保育園に預けられることに。

仕事で忙しい両親に代わり、私の面倒をみてくれるのは母方の祖母や叔母。

保育園が終わると祖母の家に帰り、父か母が迎えに来てくれるのを待っている、そんな日常でした。

両親が一生懸命働いてくれているおかげで生活に不自由はなく、私もそんな両親を困らせないよう、祖母の家でいい子にして過ごしていました。

虐待もない、育児放棄もない、貧困もない。

そんな、当たり障りのない、とても「普通」の幼少期。

子供がいる家庭を守っていくために、両親が長時間かけて一生懸命働く。

そんな家庭は、日本ではごくごく当たり前の「普通の家庭」の姿のように思います。

親を責めたくないから「傷」になる

もちろん、労働はとても大切です。

私だって両親が一生懸命働いてくれたおかげで、経済的に大きな不自由を感じることなく育つことができました。

少ない時間の中で、両親が仕事や家事、育児を頑張ってくれていたことだって知ってる。

だから、親を責めたいなんて思っていない。

だから、私の子供のころに問題なんてなかった。

だから、親に感謝こそすれ何か文句を言うなんて罰当たりだ。

でも…

ほんとはね、寂しかったんだよ。

そんな小さな小さな声が、あなたの中にも隠れてはいないでしょうか?

親が家族のために一生懸命働く。

子供だった私たちも、そんな親を支えるために、一生懸命いい子でいる。

そうやって、なんとか「普通の家庭」を、みんなでつくりあげてきたのです。

だからそんな過去の話蒸し返したくないし、それでよかったと思っている。

両親が働いてくれていたことに、感謝している。

親を責めたくなんかない。

その気持ちはきっと真実です。

けれども小さな私たちが耐えられないほどの寂しさを抱えていたのだって、きっと真実なのです。

本当は、そばにいてほしかった

生まれてきた子供にとって、親、特に母親というのは世界のすべてです。

目もはっきり見えない、手足だってろくに動かせない、そんな不完全な状態で生まれてきた私たちは、お母さんの肌のぬくもりだけが、安心を与えてくれる唯一の存在なのです。

そしてその感覚は、1人で歩けるようになった1歳になっても、なくなるものではありません。

お乳を飲まなくなっても、まだまだお母さんの肌のぬくもりが、子供にとっての安心の基盤なのです。

しかし、子供のために長時間一生懸命働いているお母さんは、その安心の基盤を与えることができない。

それは気持ちの問題ではなく、本当に物理的に。

お母さんが自分に悪意をもってそうしているわけではないと、子供はちゃんと分かっている。

むしろ、自分のために一生懸命働いてくれている。

自分が「行かないで」と言ってしまえば、お母さんがとても困ると、ちゃんと知っている。

お母さんのことがとても大切だからこそ、本当はまだまだ手放すことのできない母のぬくもりを、「もう大丈夫」と言って手放すことができてしまうのです。

「本当はそばにいてほしい」なんて自分の気持ちには、堅く重いフタをして。

望んでも望んでも手に入らなかったぬくもり。

お母さんのことを思うからこそ言えず、言えなかったからこそ手に入れられなかったぬくもり。

それは、なによりも私たちがほしかったものだったのです。

自分の世界にとって、唯一の「安心の基盤」を失ってしまった子供であった私たち。

そんな私たちは、世界で一番愛している人に見捨てられてしまったという、耐えられないほどの寂しさを心の底にしまって生きていくことになるのです。

さいごに

もちろん、この話はすべての親子に当てはまるものではありません。

けれども、何をしても解消されない漠然とした不安を感じているのなら、もしかしたらあなたの中にも「耐えられないほどの寂しさ」が存在しているのかもしれません。

親を責めたくない。

でも、本当は寂しかった。

そんな葛藤があるからこそ、私たちの思いは言葉にならなかったし、言葉にならないからこそ、心の奥底に押し込めて苦しいのです。

もしも、あなたの中の寂しさに気が付いたら、そっと教えてくださいね。

きっとそれがあなたの傷の癒しに繋がっていくはずです。

今日という日が、あなたにとって穏やかな一日になりますように。

心を込めて。


▽次回予告▽

子供の生きづらさをつくる「大人の一生懸命」

2・感覚を否定する

3・本当のことを言わない

どうぞ、お楽しみに!



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