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長年東南アジアでライドシェアを使っていた私が日本のライドシェア解禁で不安に思っていること


ライドシェアにお得を最優先に求めたら失敗するよ。


日本でライドシェアが解禁というニュースが出てきましたね。

ちなみに私、東南アジアに住んでる際にライドシェアをかなり頻繁に使っていました。私が転居した2014年の頃はまだ一般的ではありませんでしたが16年あたりからかなり使えるようになり、2018年前後は東南アジアでは一大勢力になったと記憶しています。


なのでライドシェアはもちろん推進派でしょ?と思われがちですが、日本でのライドシェア待望論を見ているとなんかズレてる気がするので、当時の私がどんなふうに、そしてどんな意識で利用していたかを整理したいと思います。




1:東南アジアのライドシェアはお得ではなく安全を買う

東南アジアでのライドシェアはいくつかの段階がありました。(もちろん今でもあります)。私はいつも最安価ではなく上から2番目または最高価格の車をオーダーしていました。
理由は簡単。その方が明らかに安全性が高まるからです。
時に大きな荷物を扱う時、病院に行く時などは安全に尚且つジェントルに扱ってくれる車の方が安心できるから。
そのような車は個人ドライバーの仕事も受けていて、個人対個人で仕事の依頼もできました。
この制度はコロナワクチンを打ちに行く時や乗客乗車制限があった時代に本当に助けて頂きました。なぜならライドシェアドライバーに乗客1名しか乗れない時にも「契約運転手の場合は乗客は2名までOK」という抜け道があったからです。
同時に金額の高い車は感染対策も徹底していたので安心して乗ることができました(これは私自身がマレーシアのワクチン接種などの感染対策に対応していたからですが)。

ただし、このようなホスピタリティの高い車はぶっちゃけタクシーより高いです。なのでライドシェアは安価を期待せず、安全を期待するという姿勢でいないと矛盾が生じます

ライドシェアのトラブルは世界中で起きています。これは正直防ぎようがない。。ただ、車のランクを上げると安全性は増します。(だからと言って完全に安全とは限りませんが)




2:車は運転手が必要問題を忘れてはならない

今、自動運転の話も出てきますが基本ライドシェアは人間が運転手として必要です。ということは運転手がいない時間は明らかに台数が減るわけです。ライドシェアにすればタクシー不足を解消できるのでは?という過度な期待が日本での待望論で見えてきますが「今の日本のライドシェアは運転手がいないと車が動かない」。
東南アジアのライドシェアが車がとても多い時期は便利だったかもしれませんが、コロナ中とか車が減った時は車そのものを探すことが大変でした。
あと、あくまで個人の操業なのでその個人の予定によって稼働台数が変化するわけです。豪雨の時に使いたい、早朝、深夜に使いたい、その時に運転する人にメリットがないのなら彼らは操業しません。
なのでライドシェアが始まればタクシー不足問題が全部解決するとは限らないと私は思います。
ドライバーさんがどのような資格で行われるか、ここも詰めなくてはいけない点です。東南アジアでは資格に関しては「走りながら考える」で各種変更がちょくちょくありましたが、日本ではそのような変更の仕方を受け入れてくれるのか、不安が残ります。資格に関してはアジアではどうしてるのかな、少なくとも最上位の車のドライバーさんは「保険に入ってます」的な表記を車内で出してるケースを見かけた記憶があります。今はどうなってるのか知らんけど。


3:じゃあどんな形が日本式ライドシェアに向くのか

「不安ばっかり煽ってじゃあ止めろっていうの?」とお叱りを受けそうなので、ここでライドシェア活用経験が長い私が日本でのライドシェア開始においての条件を勝手に提案させて頂きます。

1:サービスに特化したことをメインに出してタクシーより安価ではなくタクシーより便利をアピール
2:アプリなどを事前予約の充実
3:観光地や病院、高齢者サービスとの連携など「今本当に必要とされている場所」からのサービス開始

この3点をメインにしていけば日本式ライドシェアはスムーズに始められるのではないでしょうか。2は有料とかにしてもいいと思います。正直「アプリを有料で使ってもいい」という生活様式の人(通院、介護に関わる人、観光業の人など)を最優先するくらいの方向性の方がいいと思います。(高齢者や心身にハンディがある人には機関を通じての無料登録などができたらいいと思います)。

なぜそんなに一般化を止めるようなことを言うのか。それは日本は公共交通機構がかなり完成されているからです。東南アジアでライドシェアがものすごく発展したのは「交通事情に選択肢がない×観光客対応をしたい」という2つの要因がうまくかけあわされから。



日本の公共交通事情は「他国に比べたら」ドラえもんの出来杉君のように正確です。この公共交通機関を当たり前と思ってしまう時点で過度なライドシェアの期待にすごく危機感を覚えます。どうか求められる人に最優先にサービスが届きますように。

ちなみに

こちらあくまで2022年8月までの私の感覚なので(その後2023年に使ったけど)より、今こうだよっていうコメントがあったらぜひ教えてほしいです。ちなみに私はその後カナダのトロントに行きましたがトロントではLyftと言うアプリをよく使ってました。