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『21世紀もスキッツォイド•マン』

湯上がりに、タイトルだけ決めた。
私の場合、そんなふうに文章を書き始めることが多い。
スマホなら、詩になりやすく、パソコンを開けば、エッセイになり易い。そんなわけで私の眼前には、14インチ(たぶん)の液晶画面が開いている。

『スキッツォイド•マン』の翻訳については色々あるようだ。精神異常者。精神障害者。精神分裂症。統合失調症。とうとうとう、と、すき放題に翻訳されているようだ。いわんや、意訳ともなれば、なんなりと自由にお訳し申しあげてください、くらいの幅があり、センシティブな問題も絡む。その病名の訳され方から見ると、時代を上がるほどに文系の血が濃い。

私が、湯上がりに思いついたタイトルに安易に手を出しているのは、私が『不安神経症』と『むずむず脚症候群』という、立派な病名を心療内科医から頂いた保険があるからだ。因みに『むずむず脚症候群』は『下肢静止不能症候群』でもあり、『レストレスレッグス症候群』でもあるらしい。
『むず下肢ッス症候群』と縮めてもいいかも知れないが、頭の固そうな医学界では「難しいっす、かね」

もちろん、『21世紀のスキッツォイド•マン』は病人を馬鹿にした曲ではない(らしい)。私は、この文章を書くにあたって、その歌詞の意味をたった今知ったばかりなのだ(マジで)。私の前半部分の文章の偉そうなかんじを見てくれ。これこそが、キングクリムゾンの言いたいことなのだ。
「ペテン師には気をつけろ」と『21世紀もスキッツォイド•マン』はいるぞ、と。叫んでいる。そして、この私の言葉こそが、付け焼き刃の文章の見本だ。ただ、かぎりなく害のない知ったかぶりの小物ペテン師の小嘘の告白であり、本気の本気の警鐘でもある。


『21世紀もスキッツォイド•マン』

「太陽の塔」が
私に耳打ちをする

ぴかぴかの言葉で
古めかしい心を隠して
古めかしい姿で
ぴかぴかの大嘘を吐いた
ペテンの博覧会で
まっ赤な顔したペテン師の親分が
まっ青な顔したペテン師の子分が
ぴかぴかの言葉の誘い文句が
私の耳を鳴らす
あなたの耳も鳴らす
でも、あなたの耳は慣らされて
飼いならしたところで
がぶり、だ
スキッツォイド•マンはすぐそこだ
あと500回は嘘をつく

そう、「太陽の塔」が
私に耳打ちをする

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