見出し画像

応用統計講座_中間発表※無料サンプル付き

どうも!
セイタです!!
北京大学社修士課程で社会学を学んでいます。


この記事では2023年春学期に受講した《応用統計講座(高级统计专题)》という授業の中間発表について書いていきます!!概略について興味のある方は以下の記事をご覧ください。



この授業では1学期14回の授業のうちの4回で参考文献をまとめて、中間発表をすることが求められています。1回のプレゼンの比重は全体の10-15%と高くはありませんが、それでもしっかりと取り組む必要があります。



プレゼン課題

テーマが4つあたえられており、その中の1つをグループで選んでプレゼンを行います。

・1回目:方法論、因果推論
・2回目:(定量調査と定性調査の)混合研究、定量調査の規範
・3回目:内生性と異質性(人口学、社会学)
・4回目:内生性と異質性(経済学)


基本的に後ろに行けば行くほど内容が難しくなっていきます。僕たちの班は二つ目の『(定量調査と定性調査の)混合研究、定量調査の規範』を選びました。


なお、課題図書として以下の文献リストが用意されていました。

1、*彭玉生. (2010).“洋八股”与社会科学规范. 社会学研究(2), 180-210
2、*Blaikie, Norman W. H. A critique of the use of triangulation in social research[J]. Quality & Quantity, 1991, 25(2):115-136.
3、*孙进. 作为质的研究与量的研究相结合的"三角测量法"——国际研究回顾与综述[J]. 南 京社会科学, 2006(10):122-128.
4、*金(King G.), 基奥恩 (Keohane R. O. ),韦尔巴 (Verba S.)著,陈硕译.社会科学中的研究设计. 上海人民出版社,2014.
5、*格尔茨 (Goertz G),马奥尼 (Mahoney J)著,刘军译. 两种传承: 社会科学中的定性与定量研究.上海人民出版社,2016.
6、*Small, M. L. (2011). How to conduct a mixed methods study: Recent trends in a rapidly growing literature. Annual review of sociology, 37, 57-86. 7、*Leech, N. L., & Onwuegbuzie, A. J. (2009). A typology of mixed methods research designs. Quality & quantity, 43(2), 265-275.

・中国語の論文が2本
・英語の論文が3本
・中国語の文献が2本(共に翻訳書)

が内訳となっています。


自分は4つ目の中国語の本を選びました。というのも、この本は1つ前のセミスターで受講していた『社会学方法論』という授業の教科書であり、この本について読書感想文を書いていました。そのため、すでに読んでまとめた経験があったので、プレゼンの作業時間を大幅にカットできると思ったからです。
※なお『社会学方法論』について興味のある方は以下の記事をご覧ください。





課題への取り組み方

では、僕たちのグループがどのようにプレゼンに取り組んだ行ったのかを簡単に説明していきます。


グループ内での課題の割り振り

6人で5本論文と本2冊なので正直かなり軽いタスクです。ただ、本2冊はそこそこ重いので、みんなたぶん嫌がっていたと思います(笑)なので、上述した通り、自分がそのうちの1冊を選びました。


なお、論文同士の連関を以下のように定義して、パートごとにプレゼン資料を作っていきました。




自分が取り組んだ課題について

自分が選んだ『社会科学中的研究设计(2014)』の英語版は"Designing Social Inquiry: Scientific Inference in Qualitative Research"といいます。1994年にアメリカのベテラン政治学者3人によって書かれています。


ちなみに、日本語に翻訳もされています。

画像 社会科学のリサーチ・デザイン: 定性的研究における科学的推論



この本では、「定性調査」を行うときにバイアスや因果推論の歪みを防ぐために、定量調査で用いられている方法論が紹介されています。自分は定量調査をメインに学習しているので、比較的頭に入ってきやすかったです。


例えば、「因果推論の根本問題」を紹介しています。

コントロール群と処置群に分けて実験を行った場合に、実験者は「処置が行われていないコントロール群」&「処置が行われた処置群」しか観察できないといった問題です。



また、因果推論の5原則も紹介しています。

それは
・反証できる理論
・内部で統一された理論
・目的変数を適切に選択すること
・できる限りの具体化
・理論に一定の自由度を持たせること

です。


あと、これ以外にも
・因果推論の二つの前提条件
・サンプルや変数の選び方
・サンプルを増やすこと

などについても発表しました。


スライドは12枚で、たしか15分~20分程度のプレゼンを行いました。興味のある人は中国語にはなりますが、記事の最後にリンクを貼っておきますので、ダウンロードいただければと思います!!!




プレゼン準備にかかった時間

プレゼン準備トータルでは22時間弱かかっています。
内訳としては、
・参考文献:12時間前後
・パワポ作成:7時間弱
・パワポ練習:3時間弱

となっています。


自分が担当した本の80%近くは以前読んだことがあったため、担当箇所の文献読み込みは4,5時間しかかかっていないのですが、自分の担当ではない箇所の論文を一応4本読んでいたので、全体で20時間以上かかりました。学期の始まりで比較的余裕があったので僕も余裕をもって課題に取り組んだ結果です。



ということで、今回の記事は以上となります。
長い記事ですが最後まで読んでいただきありがとうございます。



今回のプレゼンで使用したパワポですが、以下のリンクからダウンロードできますので、パワポの構成や中国語などご参考にしていただければと思います。


また、応用統計講座の授業中で課題として課された中間レポートや期末課題に関しても別途執筆しております。




このマガジンでは引き続き、北京大学社会学修士の授業について執筆していきます。



また、人口学について興味のある方は以下のマガジンをご参照ください。



もし気に入っていただけたならば、
スキとフォロー、マガジンの購読よろしくお願いします~


この記事が参加している募集

スキしてみて

学問への愛を語ろう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?