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CSチームのマネージャーとして最初の半年で大事にしたこと

こんにちは。株式会社スカイディスクのかんた( @seizecnt)です。
2023年8月にスカイディスクにジョインし、最適ワークスという製造業向けSaaS事業でカスタマーサクセス(以下、CS)チームのマネージャーを務めています。

昨年11月に書いたnoteでは、入社に至った経緯や自分が感じた魅力を紹介しました。

その後、2023年10月〜2024年3月は弊社の上期にあたりますが、スカイディスクの一員として初めて過ごす半期を終えました。入社してすぐの2ヶ月とマネージャーになってからの6ヶ月は、自身の実力不足によって難しさを感じる場面も多々ありましたが、スカイディスクの仲間たちのサポートのお陰で、楽しくやりがいをもって前進することができました。

また、自分がマネージャーを務めているCSチームとしても様々な取り組みを通してレベルアップを感じた上期となりました。このnoteでは、ジョインしてすぐにマネージャーとなった自分が、どのようなことに気をつけながらチームとしての取り組み設計を行い、どのような取り組みを行ったかを紹介します。

主に現在マネージャー以上の役割を担っていて、社内外問わず新しい組織でのチャレンジを予定している人、そういったチャレンジをしたいと考えている方々に読んでいただきたいなと思っています。


このような全体像で書いています

キャッチアップの過程で意識していたこと

もともとマネージャーを担う前提でジョインしていたとはいえ、ジョインして3ヶ月目というタイミングで必要な情報をキャッチアップすることは難しいと考えていました。そのため、何から優先して取り組むかという点は気をつけていました。今回意識していたのは
①構造を理解すること
②人を知ること
です。

①構造を理解すること

その時点で上手くいっていることも、逆に問題となっていることも、どのような構造でそうなっているかを理解することに努めました。組織戦略を描くにあたって、何から優先的に取り組み、何を劣後させるか判断するために必要だと考えたためです。どの組織にも様々な良いところと課題が存在していますが、それらは独立しているわけではなく、密接に絡み合って存在しています。この構造を捉えて思考していかないと、思ったような成果が得られなかったり、遠回りになってしまうため、構造の理解に努めました。

具体的には、社内の様々な人に話を聞いたり、社内の資料やドキュメントを読み漁ったり、お客様との打ち合わせに同席したりすることを通して、自分が理解したことを粗い状態でも資料にアウトプットして、周りの人にぶつけてみることを行いました。

②人を知ること

CSチームのメンバーを中心に、どんな人が在籍しているかを知ることを心がけました。どのようなことに関心があり、何を得意としていて、何を苦手としているか、といったことを可能な範囲で知ろうとしてみました。

社内ミーティングに一緒に出席したり、お客様との打ち合わせに同席したりといった場面もですし、日々のSlack上のテキストのやり取りも含めて、同じ事象に対しても人によって反応や、気になるポイントは異なってきます。一見、自分に差し当たりは関係のなさそうなやり取りも、そういう観点で見ていることが多かったです。

ただし、弊社は普段フルリモートで業務を行っているため、どうしても得られる情報量は限られてきます。そのため、オフラインでコミュニケーションが取れそうな機会があれば積極的に活かすことも心がけていました。自社が出展する展示会に運営メンバーとして参加する機会もまさにそうですし、一緒にお酒を飲む機会があれば喜んで参加していました。(この点に関しては単にみんなで楽しくお酒を飲むのが楽しいという気持ちがほとんですが)

また、入社直後のタイミングが期の変わり目であったということもあり、全社オフサイトが開催され、様々な人とコミュニケーションをとれたことも良かったです。

福岡で開催された全社オフサイトの様子

キャッチアップの過程で感じたチームの強みと課題

そういったことを意識しながらキャッチアップを進めていくと、徐々にCSチームの良い部分が見えてきました。

一番感じたのは、「やり切る強さ」です。CSチームは全員が実直で責任感の強いメンバーで構成されており、その結果として決めたことを投げ出したり、中途半端にするようなことはなく、しっかりとやり抜くことができます。これはスカイディスク全体の性質であるとも感じていますが、特にCSチームには強く感じます。これは本当に大事な要素だと思っていて、何事も決めたことをやり切る強さがなければ、結果が出ることも期待しにくいし、失敗から学びを得ることも難しいと思います。そういった観点で、この「やり切る強さ」を持っているということは、「成果が出るor失敗から学習できる」が高確率で得られるため、大事な要素だと思っています。

その他にも、自己顕示よりも人の役に立つことや人を喜ばせることを大事にできる気質や、CSオペレーションに対して各メンバーが課題提起をして解決に向けた進行管理をする文化も素晴らしいなと感じていました。

一方で、私が課題と感じていたのは、「変化の中で自分たちの良さを発揮していく力」です。ある程度、同じ方向性の中で刀を研ぎ澄ませていくプロセスは、前述の強みを活かして十分に立ち向かえると感じました。しかし、事業や外部環境などの変化の中で強みを発揮していき、事業部全体の成長に貢献していくには、変化の中でも本質を見出して適切な課題設定をしたり、スピード感もって学習を積み重ねていく必要があります。この部分を磨けると、更にパフォーマンスを発揮できる組織になると思いました。

CSの組織という存在は、携わるサービスや事業フェーズによって役割や重視される価値が変わるので一概にこれが大事と決めることは難しいのですが、「サービス導入済みのお客様と最も接点が多い」ということはサービスによって基本的に変わらない側面だと思います。その側面と、最適ワークスの事業フェーズを考えたときに、私はCS組織のあるべき姿として「事業部の学習・成長スピードをブーストすることができる存在」ということを重視して考えていました。CSが重ねたトライが事業全体に還元されることによって、サービス訴求やインサイドセールスのトーク、商談での課題・与件整理、成功パターンの提示、ユースケースに沿ったプロダクト改善など様々なことの学習・成長スピードをブーストできるはずだと信じているし、そうあるべきだと考えています。そのためにも、前述の強みを活かしながら、課題を突破していくことが重要でした。

組織としての取り組みを設計する際に重視していたこと

マネージャーとして新しい期の取り組みを設計する際には、前述の組織のあるべき姿、元々持っている強み、突破すべき課題を踏まえて、短期的な側面だけではなく中長期的に必要なことは何かを意識したうえで、以下の3点を重視していました。

✔ チーム内で教え合う・学び合うことができる組織であること
事業部に対して活発に情報発信ができる組織であること
お客様の課題に応じたプロダクト活用が提案できる組織であること

チーム内で教え合う・学び合うことができる組織であること

試行錯誤しながら支援を行う初期の事業フェーズにおいて、自分が担当した案件だけではなく、チームの他メンバーの案件で得られた学びを活かすことは、組織として学習スピードを上げるために欠かせません。そして、特定のセグメントをある程度深耕したらまた新たなセグメントに踏み出すことになりますが、その際にもそういった学び合いの営みは必要になります。そのため、チーム内で活発に教え合い・学び合いができるかどうかという点は、CS組織においては成長スピードにモロに影響し、その差分は中長期で顕著になっていくと考えています。

私がジョインしたタイミングでは、長くチームを牽引してくれているメンバーもいる一方、入社1年未満のメンバーが過半数を超えている状態であることもあり、「教える側」と「教えられる側」が明確に分かれているような状態だと感じました。その時点では仕方ないことではあるのですが、そのバランスが当然なものとして継続されるよりも、徐々にその境界がなくなっていく状態が理想であると考え、社歴が浅いメンバーも場面によっては「教える・発信する側」の役割を担うことを求めるようにしました。

<具体的な取り組み>
・朝会での案件相談
お客様が実現したいことについて、どのような提案ができるのかを、ほぼ毎日開催しているCS朝会で相談する運用にしました。それぞれのメンバーが担当案件でトライしたことや失敗を通して学んだことをなどを、チームの知識としてお互いに共有し合うことを目指した取り組みです。

・定例のアジェンダと報告内容の整理
週次でCSチームの定例を行っていますが、主要アジェンダであった案件状況共有の目的と報告内容の整理を行いました。基本的にこの場で報告することは「契約継続にまつわるリスク」「トライして良かったこと」などをメインとするようにしました。状況の共有というよりも、他メンバーが自分の案件で活かせるような学びを得やすい場としたかったためです。

・オフサイトでの相互理解セッション
チーム内で教え合い・学び合いを活発に行うには、お互いのことを理解することも重要と考え、期初のタイミングで実施したチームオフサイトでは敢えて直接的に業務に関係するアジェンダは設けず、相互理解のセッションを実施しました。具体的には、各メンバーが自分のモチベーション曲線を発表して共有することを通して、どういったことに喜びを感じ、どういったことにテンションが下がるのかをお互いが理解することを目指しました。

実際に自分が書いたモチベーション曲線

事業部に対して活発に情報発信ができる組織であること

役割分担の特性上、ご契約いただいた後のお客様がどのようにプロダクト活用を進めて、どのような成果を得られているか最もよく知っているのはCSです。中には残念ながら解約に至ってしまうケースもありますが、いずれにせよその1つ1つは事業全体にとって貴重な学びになります。

CSから共有される情報は、例えば
・プロダクト…機能の改善や拡張の方向性を決める材料の1つに
・マーケティング…お客様の関心や業務上の課題を知ることでチャネルや訴求の参考に
・マーケティング〜セールス…具体的な活用事例提示によって、お客様の課題顕在化や信頼の獲得に
・事業全体…自社サービスと相性が良いセグメントや、次にトライすべきセグメントを判断する参考材料に
というように、各部門においては貴重な情報になり得ます。

CSに貴重な情報がたくさん蓄えられているのに、事業部全体に伝えきれていないため踊り場をぐるぐるしてしまう…といったことを避けるためにはCSが活発な情報発信を行うことを通して、事業部全体の学習スピードを支えることは重要な役割だと捉えています。

<具体的な取り組み>
・VoC
日々のお客様とのコミュニケーションの中でいただいたフィードバックを、社内のSlackに投稿して共有することを始めました。お客様がどういった価値を感じていただいているのか、またオンボーディングの過程の中でどういった障壁があるのかといったリアリティある情報を、ライトに社内に届けるための取り組みです。

投稿された内容に他チームのメンバーからリアクション

・「活用事例サロン」など社内向け発信
特定の案件をピックアップしして、お客様が最適ワークスをどのように使っているのか、オンボーディングをどのように進めてきたのかを社内の皆に紹介する「活用事例サロン」という取り組みも始め、月1回以上のペースで開催を続けています。こういった場を設けたいなと思っていたところで、メンバーから提案があったことをきっかけに始まった取り組みですが、他チームのメンバーから大好評です。

お客様の課題に応じたプロダクト活用が提案できる組織であること

サービスが初期フェーズであり、今後も拡げていくセグメントでPMFを積み重ねていかなければならない私たちにとっては、形式化されたプロダクト活用方法を提案するだけではなく、「こうやってプロダクトを活用すれば導入課題の解決に繋がるのでは」という提案をできるようになることが重要です。時にはプロダクト自体の使い方という範囲だけではなく、プロダクトに合わせてお客様の業務フローを見直していただくことも提案することも一つの手段です。そういったアクションをCSチームとしてできるようになっておくことで、変化に強く、お客様に価値を提供し続けられる組織になると考えています。

<具体的な取り組み>
・朝会での案件相談
取り組みの概要は①で触れた通りですが、プロダクト活用提案の引き出しを増やすことも重要な目的でした。

・お客様理解の強化
お客様が元々抱えていた課題、その背景にあった状況、自社では解決が難しかったポイント、会社全体の方針との関連性など、お客様の状況をより理解することで、プロダクト活用提案の精度が上がることから、既に導入から少し時間が経っているお客様も含めて、改めて理解を深める取り組みを行いました。

・週次レビュー
これは特に2Qに実施した取り組みですが、お客様のオンボーディング完了に向けた主要な課題と解決方針、そして運用開始までの道のりを描いたうえで、毎週順調に進捗しているか、新たな課題は発生していないか、今後の潜在的な課題に対して先回りできることはないかをCSチーム内の複数メンバーで毎週確認する取り組みを実施しました。

実際に使用したスライドフォーマット

取り組みをチームとして実行する際に意識していたこと

組織としての戦略に共通認識を持つこと

組織として何を重視して取り組むのか(逆にいうと何を劣後させるのか)について、なるべく全員の理解を揃えることも意識していました。目的としては、事業→チーム→個人の取り組みを連動させることです。当然、マネージャーとしてチーム戦略を描く際にそういった観点は意識しているのですが、この繋がりを各個人が把握していることが重要だと思っています。その手段として、期初にチーム方針を30ページ弱の資料にまとめて共有しました。期初に決めたことを継続すれば成果が出るようなフェーズではないので、変更・修正を加えながら進んでいくことにはなるのですが、何がどう変わったかも残しておくことで、全員が同じ理解で日々の活動を進められる状態を作ろうとしました。

途中で資料フォーマットが変わっているのでデザインはバラバラ…

理論や枠組みだけで推進しないこと

取り組みをチームに浸透させるにあたって、理論や枠組みだけを突きつけるようなやり方にはならないように注意をしました。入社間もない私がマネージャーとなっている状況であるということを考えた時に、メンバーからすると提示された方向性が腹落ちしづらいのではないかと考えました。そのため、なぜその取り組みが大事なのかということはきちんと理由を説明しながらも、実案件や実例を元にコミュニケーションすることで、手触り感を持ってもらうことを重視しました。

具体的な案件を取り上げた際に、「こういう情報が整理できれば、こういった提案ができるのではないか」「この点を合意できていば、もっとスムーズに進行できたのではないか」というような観点に目を向ける機会を作るように努めました。また、社内のソリューション開発事業から異動してきたメンバーから、実際のプロジェクトをどのように進めて、どのように難しい局面を整理したのかという点を紹介してもらうような場を作りました。

そういったアクションを行うことで、トップダウン的なアプローチだけではなく、実案件などを元にしたボトムアップ的なアプローチからも考える機会を作り、より手触り感をもって腹落ちした状態で各メンバーがチームの取り組みを進めることができる状況を作ることを意識しました。

これまでの文脈や経緯を軽んじないこと

何事でもそうですが、新しいことを始めたり、変化を起こそうとする時に、そこに至るまでの文脈や経緯を軽視するとうまくいきません。かといって、あまりにも現行のやり方に引っ張られてしまってもいけません。「なぜそのやり方なのか」「なぜこういう状況が作られたのか」を正しく理解し、リスペクトを持ったうえで、変革に向かうバランス感が重要だと思っています。

そのため、今のやり方に至っている経緯や背景はなるべく都度教えてもらいながら、取り組みを考えることを意識しました。そうすることで、実は過去にこういうチャレンジをして、こういう結果があったので今はこのやり方を選択している、といったことが分かります。また、実は他のメンバーも変えたいと思っていても、何らかの理由で実行に移せなかったり、機会を逃していたような場面もあります。これらの情報を理解して取り組みを実行すると、組織としての過去の経験は活かしつつ、新しいトライを前向きに進められる環境を構築しやすいと考えています。

自分で完結しようと背負い込まないこと

結局のところマネージャーに就任した時点で、私は入社3ヶ月目の新人であることは事実です。だからこそ早く会社に貢献しなければ、という想いはあるものの、入社3ヶ月目の自分が把握していることやできることは、まだそれほど大きくないことを自覚しておく必要があります。だからこそ、自分で完結しようと背負い込むのではなく、他チームのマネージャーや経営陣など、周囲の方々の助けを借りながら物事を進めることを意識しました。ありがたいことに、スカイディスクは経営陣含めて快く相談に乗って力を貸してくれる方々ばかりなので、相談するための事前準備はきっちりとしつつも、遠慮しすぎることなく巻き込むことができました。

チームに見られた変化と成果

上記のようなことを意識しながら上期を走ってみましたが、チームの皆が真剣に向き合ってくれたおかげもあって、たくさん手応えを感じることができました。特に、チーム内外への情報発信はこれまで遠慮気味だった部分もありましたが、社歴に関係なく各自がお客様の支援を通して知ったことや得られた気付きは、必ず誰かの助けになるということを実感し、より活発になっていきました。また、お客様へのプロダクト活用の提案も、各メンバーが粘り強く考えたり、何度もお客様とディスカッションしたりすることを通して、チームとして引き出しを大きく増やすことができました。

CSという役割の性質上、こういった取り組みの成果が定量的に見えるようになるにはタイムラグがあるため、すぐに数字でのインパクトを見立てることはできませんが、この先のチャレンジを支える良い土台を作り始められていると感じています。

既に下期が始まっており、また新たなチャレンジがいくつも動き始めていますが、この上期のレベルアップを踏まえると、きっと乗り越えていけると感じることができています。また、私自身としても更に先を見据えたり、事業全体への影響拡大を意識しながら組織戦略の設計と見直しを繰り返していくことで、事業の成長に寄与していきたいと思います。

お話ししてみませんか

スカイディスクでも積極的に採用活動は行っていますが、採用関係なく様々な方々と情報交換でお話しさせていただいています。前述の取り組みの詳細や、それ以外でもCSの取り組みやチームマネジメントについて情報交換してやっても良いよという方は、X(旧Twitter)やYOUTRUSTなどから、お気軽にご連絡ください!

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