【読書感想】モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語

「本棚は宝箱」
最近、家具屋で本棚を買った私にとって、とても印象的な言葉だった。

イタリアの田舎、モンテレッジォで生き、町に繰り出して本を売り歩いた人々の物語。時代と共に人々の本に対する関心は変わっていく。売れる本も変わっていく。

聖書を章ごとに切り分けたもの。哲学書。情勢に関する本。恋愛小説。学術書。時代や読む人によって興味のある本は違うけれど、それを見極めてひとりひとりにあった本を紹介する、そして信頼関係を築いていく。
そうやって商売をしてきた人々がいたことを、この本を通じて初めて知った。

最近はインターネットで本も読めちゃう時代。そんな時でも本屋での本との出会いは運命だと改めて教えてくれる本だ。

そして私と本について振り返るきっかけをくれた。

「本棚は宝箱」
最近、よく本を読むようになって、家が本で溢れてきて、ついに家具屋で本棚を買った私にとって、とても印象的な言葉だった。

そういえばわたしにとって、本はいつもきっかけをくれるものだ。歴史に興味を持ったのも、宗教学を学びたいと思ったのも、アイラ地方のウイスキーを好むようになったのも、転職で苦しい時期を助けてくれたのも、たまたま手に取った本たちだ。

本からは支えてもらってばかりだ。背中を押してもらったり慰めてもらったり。

これからは読書を楽しんでもうすぐ届く本棚を埋めていきたい。そして、歳を重ねて本棚を眺めた時「こんなこともあったな」と幸せな気持ちで思い出を振り返っていきたい。

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