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「コミュニティと互酬性 」についてのZoomイベント全文公開します!

コロナウイルスを背景に大きな社会変革がなされる今、変わらないもの変わっていくものを、人類を丁寧に観察し続けてきた人類学の観点から”まちづくり”を題材に、SEKAI HOTEL矢野浩一氏と、文化人類学を専門とされる大阪国際大学准教授の早川公氏を招き、ディスカッションを行いました。

イベントが始まったきっかけは?

渡辺優氏(モデレーター:以下、渡辺):そもそもSEKAI HOTELの考え方として代表の矢野さんが”互酬性とは”というnoteを書いたことがきっかけです。私と早川さんは大学の先輩と後輩の間柄でして、矢野さんのnoteに早川さんがコメントをしてくれたところから今回の企画が始まりました。個人的な繋がりがきっかけで話が進んでいったのですが、かなり参加者も増えてびっくりしています。

登壇者の自己紹介

Pasted Graphicのコピー

早川公氏(以下、早川):現在大阪国際大学で教諭をやっておりまして、まちづくりや地域づくりを文化人類学の観点から研究・実践することを自分のテーマにしています。今日参加していただいた方で、なぜ文化人類学に興味をもったのか、質問等があれば気軽にチャットに書き込んでもらえたらそこも踏まえて答えていきますので、よろしくお願いします。

矢野浩一氏(以下、矢野):クジラ株式会社とSEKAI HOTEL株式会社の両者の代表を勤めております、矢野と申します。僕は20年近く不動産業に従事しているんですが、あるときから人と人との繋がりや、コミュニティ、地方創生というものに興味を持ち始め、そのような分野を豊かにできる不動産をしたいということからSEKAI HOTELの事業を始めました。今回はあまり聞き慣れない互酬について話せたらなと思っています。

渡辺:私は埼玉出身で、早川さんと同じ筑波大学を卒業しました。大学卒業後は、地方旅館の再生に携わり米子市の皆生温泉や高知県室戸市でホテル運営をしておりました。その後、フィリピンへ渡りオンライン英会話の事業に携わり、フィリピン人の英会話講師の採用や育成を担当し帰国後は、スタートアップ支援をする会社へ入社しました。

その中で矢野さんと出会い、SEKAI HOTELの事業の面白さや会社の組織づくりがすごく独特でぜひ参画したいと思い、2019年9月からSEKAI HOTELへ入社しました。

では簡単に、早川さんから”人類学とは”の話をしてもらってもよろしいでしょうか?

早川:はい! 聞き慣れない方もいると思うので、まずは簡単に説明したいと思います。

第一章 「人類学」とは

早川:「人類学」というのは2つあって、先天的なものを研究する自然人類学の分野と後天的なものを研究する文化人類学の分野に分けられます。

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文化人類学って自文化から遠く離れた「未開社会」を研究されているイメージがあるかもしれないんですが、必ずしもそうではありません。現代社会における医療や福祉の現場、大学の実験室、そしてまちづくりなども研究領域にしている学問が今の人類学の特徴です。

人類学はフィールドワークを通じて他者が生きる世界を理解しようとします。そこで生まれる「カルチュア・ショック」の経験から、当たり前に見える世界の見方を変えることができます。

人類学は他者について考えて、他者とともに学ぶことで自己の世界をより多元的なものにする。

ここら辺がSEKAI HOTELの事業に繋がると思っています。

たとえば、これまで「観光」や「経済」といった言葉遣いの中で何となくみんなが考えていた当たり前を問い直す、それにより新しい世界の考え方が開けるのではないかと思っています。

渡辺
:ありがとうございます。もともと人類学って人間と社会も進化しながら、技術を獲得したり国家を生み出していく中で、変わらないものがあると思っていて、専門的な視点から見てみるとどうなのかなと思い、早川さんに声をかけたというのもあります。

では一旦、私たちがどのような事業をやっているかお話してから、互酬についてのディスカッションに移りたいと思います。

SEKAI HOTELとは

渡辺:私たちは空き家をリノベーションした分散型のまちごとホテルを運営しております。

東大阪市にあるSEKAI HOTEL Fuseは商店街に点在する空き家をリノベーションして作られたホテルです。私たちは、まちごとホテルと呼んでいるのですが、フロントはもともと婦人服売り場だった空き店舗をリノベーションして作られています。客室も空き家を利用しており、ゲストはフロントでチェックインをした後、スタッフが外へ案内して、商店街を歩きながら客室へ向かいます。

通常のホテルだと、施設内に大浴場やレストラン会場がありますよね。それも地域にある銭湯や純喫茶にサービスの提供をお願いしています。提携しているパートナーショップでSEKAI PASSというカードを見せると、サービスが無料で受けられたり、おまけ体験をすることができます。海外から来られるゲストは純喫茶などなかなか入りづらいと思いますが、私たちはパートナーショップと普段から協力しながら運営しているので、観光客でも気軽にコミュニティの中に入っていけます。

そのまちの日常は地域の外から来た人にとって特別な経験になるということで、私たちはORDINARY(=日常)をキーワードに掲げています。ホテルだけではなく、地域の店舗も巻き込みながら運営しています。地域イベントも開催しており、ゆくゆくはパートナーショップはもちろんのこと、地域の方々と一緒になってゲストを迎え入れるというところが運営手法になっています。

ではここからはディスカッションを通しながら進めていきたいと思います。

矢野:早川さん、コミュニティって曖昧な言葉のまま広く使われるようになってきたと思うんですが、文化人類学的にコミュニティってどのように定義されるんですか?

コミュニティについて

早川:コミュニティはラテン語のcommunitas、分解すると「com=共に」「munus=贈り物」が由来です。そしてマッキーヴァーという社会学者は、
古典的なコミュニティの定義を

一定の地理的範囲に居住
共属感情(belonging)をもつ人々の集合体

と説明しました。コミュニティの考え方と対比して“アソシエーション”(結社)という言葉があります。アソシエーションは共通目的を目指す機能的な結社です。コミュニティは共属感情で、アソシエーションは共通目的で繋がるものと考えています。

それでいうと会社はアソシエーションというくくりになりますが、勤めていると会社の一員だというところで共属感情も出てくるので、コミュニティとアソシエーションは反発し合うというよりは、重なり合った概念と思ってもらえると良いかなと思います。

矢野:なるほど。今の話によるとSNS上で一つの共通目的のコミュニティってすでに現代風にアレンジされたニュアンスってことになってきますよね? 地理的なところは完全に無視なので。

早川:そうですね。特定の範囲は今では成り立たなくなっていて、どちらかというと感情であったり、共通の趣味であったり、関心共同体なんて言葉もありますが、そのようなところで繋がることが多いですよね。

矢野:うちの会社は20代が多いので、コミュニティに対する価値観が違うんだなというイメージがあります。僕は自分で事業をしてるということもあり、コミュニティを自由に選べると思っています。でも同世代や上の世代だとそこまで自由に選べないと思っている人が多いんですよね。そもそもコミュニティの意味がどんどん拡張されているように感じます。

早川:「コミュニティの衰退」は日本だと1970年代には活発に語られるようになるんですが、その意味で、コミュニティの中で当たり前に生活をしてきた世代と今の人たちはコミュニティ観が違うのかも知れません。

渡辺:最近はそうではなくなっているという状況の中で、コミュニティをどう考え直すのかということが今問われているのかなと思います。

第二章「交換」について見出した原理

早川:互酬性ってあまり聞き慣れない言葉だと思うんですが、コミュニティと関係してくるものでもあります。マルセル・モースという、100年くらい前の人で、『贈与論』という本を書きました。その中でモースは「交換」というものを経済的としてみなさずに、宗教的、政治的、倫理的、審美的なものが一気に現れる現象であると言っており、それを全体的社会事実と表現しました。

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何らかの交換はしているんですが、それは経済に限った話ではなく、色んなものがまとまって相対的に現れるものだと言っています。モースが学問的なものとして影響を残したものが、

①贈与交換:人格的な交換、贈り物の交換の世界
②商品交換:非人格的で商品の交換(金銭の授受)

このような考えは最近再評価されています。

「わたしたちは「貴人の消費」という習いに再び戻りつつある。また、戻らなくてはならない」(『贈与論』森山工訳、405頁、岩波文庫)

当時は勃興する資本主義の中で搾取されて児童労働も酷く、困っている人たちに対し、共同組合活動に積極的に関わった研究者だったこともわかっています。

モースは未開社会の研究を通じて、近代社会は関係を作る交換を取り戻さなければならないのでは、と言ったわけです。私たちは、社会進化論的な観点で、「未開社会は劣っていて、近代社会は優れている」と考えがちなんですが、モースは国家と市場のない社会は彼らがそのように生きることを積極的に望んだ結果だと考えました。

つまり、未開社会の人たちは、劣り能力がなく生きているのではなくて、商品交換の世界を限定的なところに留めて、自分たちの世界を自律的で全体性を持ったものとして維持してくために贈与交換の世界で生きてきたということです。

矢野:ここがSEKAI HOTELのビジネスのやり方と関係してきそうですね。

互酬性について

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早川:私たちは経済と社会を別個にして考えすぎですね。経済は自立的な経済システムのようなものに捉えがちですが、もともとは「経済は社会に埋め込まれている」とポランニーは述べています。

下の図を見てください。3つの交換の形態として、関係を作らない市場交換を無関係、互酬と呼ばれるコミュニケーションの交換を友達関係、与えることで上下関係をつくる交換を再分配という形態で表されています。3つは混ざり合ってできており、この領域をぼくは汽水域と呼んでいます。どのように市場交換と互酬、市場交換と再分配が混ざり合っていくような世界を具体的に構想できるかが大切だと思っています。

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渡辺:この3つの関係とても面白いですね。一般的な商習慣的なものは「無関係」と言われるわけですね。この間にお金というものがあるから、無関係でもお金を媒介して関係が成り立っているということに改めて気づかされました。

早川:よく勘違いされがちなんですが、「未開社会」は市場交換を知らないからそうしていたのではなく、その領域が入ってくるところを丁寧に分けて社会制度や社会の価値観を丁寧に市場交換の領域を限定してきたと言われています。人間の本性として、コストベネフィットパフォーマンス的な欲望を最大化したいということと、思いやりを持ってそれを極小にしていくことは並立します。それをどのようにして社会制度の中で設計していくか、が大事になると思っています。

矢野
:経済は社会に埋め込まれている。シンプルだけど本質というか…。
商売を通して社会に貢献する、マネタイズするというのは理想論で語られていたけれど、今どちらかというと社会課題解決はなんとなくNPOの領域。民間の企業で社会課題解決するのは、収益を生む段階でトレードオフになってしまう風潮はこの視点からは少しズレてきますよね。

渡辺
:もともと互酬というクリエイティブな未開社会が成り立っていたという中で、貨幣というものが発明され、そのパワーがあたり前となり媒介になってきた、というのが現代ですよね。

矢野
:さっきの無関係の輪が大きくなりすぎていると考えれば解釈しやすいですよね。社会のなかにあるコミュニティの中でいつのまにか役割分担になっている。

早川
:そうですね。市場交換は経済のマーケットの世界、再分配は国家や行政が担うものとされ、互酬が家族や友達など狭い領域に押し込まれてしまっている。3つのバランスが不均等というのが現代社会ですね。

たとえば、今回のコロナによる自粛と保証はセットであるという話もありますが、国が全て保証して、再分配の機能は国が全て担えという考え方は、「コミュニティの経済」の観点からすれば少し歪だと思っています。国による保証が不必要だというわけではなく、それを国だけに任せる、という考え方がです。

矢野
:3つの軸で捉えると物事を考えやすくなると思います。世の中に良いことをしたいという互酬的観点で見ると真反対にある無関係での市場効果は相反するものがある。その真ん中に上下関係である再分配がしっかりと機能してくるとバランスが良くなるのではないですかね。そこで近年広がったのが、クラウドファンディングなのかなと。

渡辺
:コロナの影響で3つの軸のバランスがより強くなってきたのかなと感じます。

矢野:せわしない毎日の中で無駄な経済活動やそれによる見返りが多くありました。それでいうと社会人になって、今が一番家族とご飯食べているんじゃないかな。支出は減るし、家族の時間は増えたし、それくらい消費消耗する無関係の交換の渦にいたのだと思います。もともと事業として3つのバランスにフォーカスしていたつもりですが、この機会にもう一度考えてビジネスをしたいと思いました。

早川:ぼくは「経済を回す」という言葉に違和感を持っていて…。市場交換だけが経済を動かしているのではなく、ボランティア経済も回しているんだと思っています。自粛期間は人びとが「別の経済」にフォーカスしていただけで、経済を止めていたり、否定していたわけではない。

第三章 「助け合いのユートピア」を繋げるために

矢野:僕は2人に聞いてみたいんですけど、互酬性って愛着という言葉とも相関関係にあるのかなと思っています。コロナウイルスによる自粛の中で物理的な制限を除けば、愛着がない部分が省かれていったな、と感じました。人間関係から派生する経済活動は、経済的な損得で判断したわけではなくて、そこに助けてもらった、逆に支えたという互酬の観点による交換があったから愛着を持てたのだと思っています。

色んな人が無駄な会食が減ったなと思っているように感じていて、実際に残った会食って愛着がある人たちとのZoom飲みであったりもします。そういった面から愛着とかは人類学的にどうなのかなと思っているんですが…。

早川:愛着って贈与交換につきものであると思っています。それはいい部分や見直さないといけない部分でもありますが、その反面、モースの話にもあるように、愛着とは面倒なものでもあると思います。なぜそれほどまでに素敵な贈与空間を捨ててきたかというと、面倒だからです。あの人からもらったからとか、あの人に恩があるから次は返さなきゃね、みたいなものが煩わしくなってきて、そうではないほうが便利だ、という考えがあったからこそ、今の便利な社会があるわけですからね。

たとえば、ぼくは研究で中山間地域に行くこともありますが、そこは一人では生きられない場所です。でも平野の街場はお金さえ持っていれば、必要なものを手に入れられるから一人でも生きられるわけで。要するに愛着というものは大切なものでもあり、面倒なものでもあると思います。

矢野:なるほど。それでいうと、うちの会社はいい意味で面倒臭いんですよ。距離が近くて。僕は面倒臭いところにしか幸せを感じない人っていると思っています。今はだいぶ社会的にフォーカスされにくいですが、人は本来群れるためにいるので、互酬の関係で面倒臭いほうが幸せになれる、という一つの方法ではないかなと思います。

早川:大学で地域に関わる教育を通し、コミュニティに基づいた教育の方法を考えています。その中で特に主体性を大事にしています。主体性とは選びとった面倒臭さの中でしか生まれない、自由だけど自立なところにしかないと思っているので、関係の網の中で自分のいる場所を自覚したり、気付けたり、そういった視点を獲得できると主体性は出てくると思います。今の話は、わざわざ面倒臭いところに身をおきたいSEKAI HOTELの従業員は、社会性と関係があるのかなと(笑)。

矢野:今後、人が等しく豊かになれる手段は、社会に対する貢献だと思っています。当事者意識や主体的が持てるかどうかは、自分がストーリーのキャラクターとして認められるかどうか。それに繋がるチケットは社会貢献でしかないと感じます。他人に対して貢献したという、糸の繋がりができたとき、初めて主体性というものに繋がるのではないかと思っています。

若い人がすぐ仕事を辞める理由は、貢献している実感がなく、そのストーリーとの自分の糸が切れてしまうので、主体性や当事者意識が持てないのかな。自分が行っていることが誰かのためになっているんだ、という互酬から派生する自己承認は必ず人が豊かになる上で必要だし、せめてそこくらいは皆で楽しくやっていかないといけないなと計画して、明確に仕組んでいます。

渡辺:面倒臭い経験を都会で育つとあまりしてこなかったように感じる場面が結構あって…。大阪・布施の方々と関わる中で、地域の距離感の近さを知り、こんなにも近いコミュニケーションがあるんだと知りました。それがすごく好きだったので、主体的にこの人たちと話そう、もっと近づこう、と思い始めましたね。今の社会ってプロセス、いわゆる面倒くささが断絶されたなと思っていて…。プロセスが分断されると社会ってこんなにも脆いものなんだと気付きました。それにより新しいプロセスを今、みんなが作り始めているのかなとも。

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矢野:(チャットのコメントから)「事業評価や会計基準を変えていかないといけない」という考えに賛同で、定量的な価値観の中で、市場の経済が回ってきた。定性的なところと定量的な繋ぎ込みをうまく表現しているところはあまりないので、うまくやりたいなと思っています。

渡辺:そうですね。そこをうまくできるリーディングカンパニーに私たちがなっていきたいですね!

なぜみんなが貨幣に対して強い興味を持っているかというと、「貨幣に価値がある」とみんなが信じているから価値に繋がるのだと思います。これから新しく贈与の部分で生み出される価値にも、みんなが価値があるんだ、と考え、さらに集まっていき何かしらの行動で示していくことで、互酬の価値観も強くなっていくのではないかと。

矢野地域のイベントに参加される方の中には、SEKAI HOTELを応援したい、自分の街が盛り上がったらいい、という意志を持って来られる方もいます。また、SEKAI HOTELに泊まっていただくと、一泊あたりのうち200円が地域に投資されるというSocial Good200という取り組みをしていて、それを称賛してくれている人もいます。今後は一票を投じるきっかけをうまく作れる法人や団体が互酬を考えていくのではないかなと思います。

早川:今回のコロナでも互酬的なところ、例えばテイクアウトで地域のお店を支えようといった運動が全国的に広がっていきました。災害が終わった後、助け合いのユートピアを持続していけるようにぼくたちは考えて続けていかないといけないと思います。

矢野:有事のときは本質的な慣性に着目できるのに、日常の経済活動に戻ると、あっという間に無関係のほうに引っ張られている。変わっていくきっかけを大人集で作っていかないといけないなぁと。

ふるさと納税は良い事例だと思っています。でも、もともと「自分の故郷を応援したい」というような互酬的な発想から、提供する自治体側も競争するように変わったし、ユーザー側も少しでもお得に! と定量的な価値観に走っていったように感じます。広がりはしたけど、もともとの”互酬的感覚”はどこへいったのかと思うので、持続的な豊かさを作っていきたいと思います。

早川:「クラウドファンディングをお願いします!」というのも、ためらったりすることもありますよね〜。

矢野:SEKAI HOTELでは投資してもらう際に、共通でお伝えしていることがあります。それは
「応援してもらう先がまだ生まれてきていない子ども世代のためになると思ったらやってください」
という私たちの意志です。まだ目に見えない世代のことまでやろう、というのは純粋な互酬だと思う。僕らもこれに繋がることをビジネスにおいてやっていこうと決めています。

早川:少し違う文脈だけど、互酬は二者間だけではなくて、交換の輪を形成していく経済システムだったりします。教育業をやっていて教育は“贈与”だなと思うんですよ。でもいま色んな教育改革で言われいることが、教育を“サービス”にしようという考え。教育を市場交換の論理にして、その受け手は本人しか限定されないというような論調がモヤモヤするところでもありますよね。なので、これからの共同体を担う人材を育てていきたいと思っています。

渡辺:ではお時間もきたのでこの辺で締めくくりましょう。めちゃめちゃ盛りあがりましたね! ぜひまた第二弾、やりましょう。
最後あらためまして、おふたりに大きな拍手をお願いいたします。

(拍手)


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