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ゼロからはじめる世界史のまとめ⑧  前400年~前200年の世界

国のサイズが巨大化する時代①
⇒詳しくはウェブサイト「世界史のまとめ」へ

―この時期のユーラシア大陸は、国の「巨大化」の時代だ(まとめ地図)。
 遊牧民も定住民も競うようにして国のサイズをでっかくしていく。

 東のほうでは、いくつもの遊牧民グループを大同団結させることに成功した「匈奴」(遊牧民の親玉グループ)が、のちに「皇帝」によって統一された中国の定住民の国と対立しているよ。
 「皇帝」というのは、中国では天の神様に認められた最強の支配者(と考えられた支配者)のことだ。

 西のほうでは、西アジアのペルシア人の巨大国家を、今度はギリシャの北のマケドニアという王国が飲み込んで、若い王がたった一代で超巨大国家を建てることに成功するよ。

すごいですね。
―まあ、もともとペルシア人が整備していた国道や貿易ルートをなぞるように征服していったことを考えると、そこまで難しくはなかっただろう。この大王は後世になって伝説化されたこともあって、「実像以上に評価されすぎ」という面もある。
 彼はペルシア人の巨大国家を見習って、王を神としてあがめさせたようだ。王の言葉への絶対服従が求められたのだ。
 この巨大国家さえも、草原の遊牧民の国を倒すことだけはできなかったけどね。

この超巨大国家はその後どうなりますか?
―王が若くして死ぬと部下たちが領土を取り合い、マケドニア、エジプトとその他の領土に分かれた。

 各地の王はもう一度「世界征服」を成し遂げようと夢見るけど、結局かなわなかった。

 地中海では新興国ローマが勢力の拡大を始め、手始めに地中海ビジネスの覇者フェニキア人と地中海の貿易ビジネスをめぐって大戦争を起こしているよ。

 この戦いで貿易拠点をゲットし、一気に「出世」したローマだけど、戦い方や考え方の面では、西アジアや北アフリカの影響を強く受けている。
 ローマというと今は「ヨーロッパ」のイメージが強いかもしれないけど、当時のヨーロッパはまだまだ「ど田舎」なんだ。
 この時代も引き続き、西アジアとオリエントが世界の最先端をいっているわけだ。

アメリカはどんな感じですか?
―昔の文化を引き継いで、都市の規模が大きくなっている。中央アメリカのマヤ文明と南アメリカのアンデス山脈の地域から目が離せないね。

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◆前400年~前200年のアメリカ

―アメリカ大陸で動きがあるのは中央アメリカのマヤというところや、メキシコの高原地帯
 それに南アメリカのアンデス山脈のあたりだ。
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◆前400年~前200年のオセアニア

―オセアニアでは人々の移住の波はいったん落ち着いている。
 オーストラリアは相変わらず外の世界との接触がない。

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◆前400年~前200年の中央ユーラシア

―西のほうではスキタイ人の王国が巨大化し、定住民の巨大国家にも勝利している。
 なかにはパルティアという国のように、遊牧民が定住民を支配するなんてことも起こり始めるよ。

中国のほうはどうですか?
―現在のモンゴルというところでは、数多くの遊牧民を引き連れた匈奴(きょうど)という遊牧民の巨大グループが勢力を拡大。強力なパワーを握った王が、定住民の国家と戦って勝っている。

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◆前400年~前200年のアジア

―中国は戦国時代に突入し、時代の激変期を迎えている。
 そんな中、秦という国が遊牧民の戦法を取り入れて強大化し、ルールによってガッチリ支配する国の仕組みを発展させた。
 秦は中国を統一し、王は「皇帝」を名乗った。「皇帝」とは天の神様に「地上の支配者」として任命された最強の称号だ。

広い領土を支配する仕組みは、この頃世界中でいろいろ考えられているんですね。
―そうだね。
 秦もペルシアと同じように、全土をいくつかの区画に分けて役人を派遣したんだ。でも厳しい支配は農民の反乱を招き、すぐに滅亡してしまう。

 その後、中国をもう一度統一しようとする2つの武装集団の争いの末、漢という国が建てられ、王は「皇帝」を名乗っているよ。
 中国を統一した者は「皇帝」を名乗る伝統がつくられていったわけだね。



◇前400年~前200年のアジア  東南アジア

―ベトナムでは稲作によって力をつけた指導者が、村や町の支配を進めている。
 また海岸地帯には中国やインドの船がやって来て、珍しい物を持ち込んだり求めたりするようになっていた。

 東南アジアは熱帯気候だから、温帯では生えない良い香りのする植物や、熱帯の海でしか獲れない貝殻やサンゴがめじろ押し。しだいに東南アジアの特産物は、レア物として中国やインドの支配者たちに注目されるようになっていくよ。



◇前400年~前200年のアジア  南アジア

―もともとインド(≒南アジア)ではたくさんの国が土地をめぐってケンカしていたんだけど、この時期に西のほうから史上最大の国家を建設した若い王(注:アレクサンドロス)が大軍を率いてやって来たものだから、インドの王様たちは腰を抜かしてしまった。
 インドを守るため勇敢にたたかった武将が、その勢いで北インドの大部分を統一することに成功。はじめてのインド統一だ。

でも、武力で統一しても長続きしませんよね…
―そういうものだよね。
 だから、のちの王様は仏教の教えを利用して、広い領土のいろんな人たちを支配しようとしたんだ。教えの内容がわかるように各地にモニュメントを建てて、仏教の内容をディスプレーしている。広い国をおさめるのも大変だね。



◇前400年~前200年のアジア  西アジア
―西アジアはこの時代もユーラシア大陸の“最先端”を走っている。

巨大な国がいくつもできますね。
―それだけ豊かだということだよね。
 ペルシア人の巨大国家、マケドニアの若い王のメガ国家、分裂後の巨大国家…と、スケールの大きな国が続くのだけど、その後現在のイランというところには北のほうから遊牧民がやって来て国が建てられた。
 遊牧民が定住民を支配した例だ(注:パルティア)。このパルティアは次第に西に拡大していき、メソポタミア(2本の川の流れる地)に王宮を移しているよ。

 一方、アラビア半島という乾燥エリアでもラクダに乗った遊牧民の活動がさかんになっている。沿岸の港はインドとのビジネスで栄えているよ。
 

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◆前400年~前200年のアフリカ

バントゥー系の人々の大移動は、アフリカの東や南のほうまで広がっている。
 また、北アフリカではベルベル人という遊牧民の活動が盛んだ。


エジプトはどうですか? 
―この時代にはかつてのにぎわいを取り戻し、西アジアにつながる世界有数の大都市として、最先端のビジネスセンター科学研究施設もつくられているよ。

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◆前400年~前200年のヨーロッパ

―ヨーロッパの大部分はケルト人が勢力をおよぼしている。

 南のほうではローマ人が勢力を拡大させていて、地中海の貿易ビジネスのライバルだったフェニキア人の拠点カルタゴと本気でぶつかり、小麦の大産地であるシチリア島をぶんどっているよ。

 ローマは西アジアの巨大国家の支配システムをパクって、戦車の通れる高速道路を整備したり、海外の領土に役人を送ったりしている。

 一方その頃、ローマの「先輩」にあたるギリシャの小さな国々は、北の「ど田舎」にあったマケドニア王国の王に征服されてからというもの、かつての栄光は見る影もなくなっていくよ。


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