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シリーズ歴史のことばVol.0 はじめに

みなさんはすでにご存知だろう。
大学受験予備校で現代文を指導されている小池陽慈先生が、古今の作品を紹介するマガジンを、note上でいくつも運営されている。


読んだことのある作品であっても、こんなことばが隠されていたんだ!という発見がある。
作品点数はすでに100を超え、青空文庫のリンクが貼ってあることもうれしい。
「ことば」がどこにあるのか、一発で検索できてしまうのも味気ないが、ついつい検索しては、こんなところに!と、宝探しの感覚である。


私は優れた読書家ではないが、職業柄、「これは授業でつかえるな」とか、「この視点は活かせるのでは?」などと、ついつい考えながら書物に接している。


すぐれた歴史家は、すぐれた文章家でもある。

新書媒体であっても実証的な物書きが注目され、要請される時勢ではある。だが、少し前までは少なくない歴史家が、伝記や評伝、おおきな絵を描くような史論を、ひろく自由に江湖に問う文化がゆるされていたようにも思う。
日頃から親しんでいる人間からすれば「あの先生の御本は良いよね」とか、「苦労して読んだよね」などの語り草とともに名著の誉まれ高い作品であっても、一歩世間に出てみれば、文脈が共有されず、忘れ去られ、とっつきにくくなっているものも少なくない。


とまあ、おおきなことをいってみたが、ようするに、ひろく歴史を題材として書籍から、珠玉の「ことば」を抜き出して、短評とともに紹介する。そんなコーナーを、小池先生には及ばないが、見様見真似で、つくってみようと思った次第だ。


誰しもが、ページの角を折ったり線を引きたくなるような名文句ではないかもしれないが、わたし自身が、再読玩味するなかで、これは良いことば=物事の本質にふれることばであると感じたものを、いくつか紹介しておきたい。

No.100までというのはさすがに道のりが遠そうなので、まずはNo.30くらいを目処に、続けてみようと思います。

このたびはお読みくださり、どうもありがとうございます😊