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FC東京のユニホーム背番号を誰にしようかな問題

オフシーズンのサポーターにとって悩ましい問題がある。
それが『FC東京のユニホーム背番号を誰にしようかな問題』だ。

基本的にシーズン前に1枚しか買わない。
多くのサポーターがそうだろう。

「長年、森重選手のユニホームをずっと買っている」人もいれば、「ブレイクしそうな選手を買う」人もいるだろう。

自分は未だに決めかねている。
心の整理も兼ねて、悩んでいる各選手への思いを書いていこう。

もしこの中に気になる選手が居れば、参考にしていただきたい。

候補①:No.3 森重真人

言わずと知れた『FC東京の精神的支柱』であり、チーム在籍14年目に突入する我らがキャプテンである。
広島皆実高校出身の大分トリニータ育ちだが、もはや『東京のバンディエラ』という呼称が相応しい。

加入当初は気性が荒くレッドカードで退場することもしばしばあったが、現在はそのエピソードが忘れられるほど沈着冷静。
しかしダーティーな駆け引きも厭わない狡猾さも身に着けた。

日本代表ではワールドカップブラジル大会に出場。
その後も日本代表に選出され続けたが、ロシア大会で落選した以降は代表に縁がなくなった。

しかし、東京サポとしては日本代表への意識がなくなってからの森重が素晴らしく目に映る。
Jリーグでの対人守備、ロングフィードの正確さ、空中戦の強さは抜群だ。

特に優勝争いを演じた2019年の活躍は目覚ましく、第32節ホーム湘南戦の同点ゴールの軌道は目に焼き付いている。

自分がユニホームに森重の番号を刻んだことは2回ある。
W杯シーズンで日本代表への選出が濃厚だった2014年と、New Balanceによってユニホームのリブランディングが行われた2021年だ。

森重が歳を重ねて円熟味が増すプレーを見せ続けていると、ついユニホームを買ってしまいそうになる。
個人的にセンターバックの上手い守備がサッカーを見る上でのツボであることも相まって、格好良く見えてしまうのだ。

いつのシーズンでも背番号の候補となる選手。
迷いに迷って、決められなかった時は彼に頼ることとなるだろう。

そして、あの日産スタジアムで味わった悔しさから実に3シーズンが経過した。
今度こそシャーレを掲げ、森重真人が『シャー!』のパフォーマンスでサポーターと拳を突き上げる光景が見たい。


候補②:No.5 長友佑都

長い旅から帰還した不死鳥であるコメディアン兼モチベーター。
お調子者とも少し違う、コミュニケーションのモンスターである。

日本代表のカタールでの躍進により、長友の持つキャラクターは全国のお茶の間が知ることとなった。
きっと「あのブラボー!の人だよ」と言えばおおよその日本人が理解できるだろう。元々の知名度にキャッチーなワードが重なり、日本サッカー界屈指の有名人となった。

だた、FC東京の特別指定選手時代、初出場したアウェイ横浜FC戦(当時のナビスコ杯)において、試合後の挨拶でゴール裏に近づいてきた長友がなぜか『でんぐり返し』のパフォーマンスをしていた姿を見たいた者からすると、あまり驚きはない。「あの人は昔からああだから」といった具合である。

現役引退が取り沙汰され、他の選手と比べて時間がかかったものの晴れて契約更新が正式発表された。
「東京でシャーレを掲げたい」というコメントに嘘偽りはないだろう。
そのコメントから発せられる熱量は、サポーターの心に火をつけるには十分すぎる。

左サイドではカシーフ、徳元。右サイドでは帆高、鈴木と切磋琢磨し、彼らの成長を促しながら、長友自身はまだまだトップフォームを維持し続けていて欲しい。

長友佑都のユニホームを買ったことはない。
第1期の東京時代はあっという間に海外へ旅立ってしまったし、復帰後初のシーズンオフだった昨年はW杯もありあまりに話題になり過ぎていて、どこか背負うことが難しかった。

今季の注目度はきっとその比ではないだろう。
それでも、海外移籍から東京に帰ってきてくれて「シャーレを掲げたい」と明言してくれる長友に惹かれる思いが強い。
たぶん「ブラボー長友!」というチャントを歌うことになるんだろうな。


候補③:No.11 渡邊凌磨

J2からの加入以降は23番であり、とうとう11番まで上り詰めた苦労人だ。

昨年は開幕で不慣れな右SBとして抜擢され、チーム事情によってはCMFを卒なくこなすなど、アルベル・トーキョーの1年目に欠かせないキープレイヤーへと成長した。

個人的には、彼がウイングで先発した試合の勝率が高かったことから、そのポジションに固定されることを期待していたが、シーズン終盤の広島戦でハットトリックを達成する離れ業を見せ、どの場所が彼に相応しいかアピールしてくれる形となった。

このシーズンオフの補強を考えても、2023年はウイングで勝負できる状況だろう。
アダイウトン、仲川、レアンドロ、西堂、荒井などライバルは多いが、スタートから出場させるウイングとして現時点のファーストチョイスであることは間違いない。

11番を与えられたことからも、フロントからの期待も大きいようだ。
なかなか契約更新が発表されなかったことでやきもきをしたが、番号も含めて彼が大きな決心のもとでシーズンインすることは容易に想像がつく。

阿部吉朗、鈴木達也、永井謙佑など魅力的なセカンドストライカーが多く背負った『11』の番号。
レジェンド『キングオブトーキョー』アマラオの番号でもある。

正直、2022年のプレーと成長曲線を見て23番の渡邊凌磨にほぼ決めていたのであるが、まさか11番が与えられるとは思っていなかった。
良い番号となったことで、逆に悩まされている。


候補④:No.32 土肥幹太

この選手ほどロマンを感じることはないだろう。
当人にとってこういった注目のされ方は不本意かもしれないが、それでも長年のサポーターは彼の姿に十数年間の歳月を重ねずにはいられない。

それは、土肥幹太の父がFC東京のレジェンドである土肥洋一氏であるためだ。

FC東京が昇格を果たしJ1に参戦した2000年から2007年までチームを支え続けたGKで、2004年ナビスコ杯決勝でMVPに輝きチームに初タイトルをもたらした貢献者である。
この試合については語ることが多すぎて割愛するが、鬼神の如くゴール前に立ちはだかり、PK戦でもストップを見せ勝利の立役者となった。

また、2006年のワールドカップドイツ大会で日本代表に選ばれたことで『FC東京初のW杯メンバー』となった選手でもある。
ちなみに、メンバー発表後に茂庭照幸が追加招集され、第1節のオーストラリア戦に途中出場したことから『FC東京初のW杯出場選手』は茂庭となる。

ということでFC東京の草創期を支えた功労者が土肥洋一氏であるが、その子息がトップ昇格を果たした土肥幹太だ。

彼自身が有望選手であることは若い頃から知られており、小学生時にはとある番組の企画で当時現役だった石川直宏(現FC東京CC)とも共演している。

この際に「あれは土肥ちゃんの息子?」と多くのサポーターが知ることとなった。自分もその中の一人だ。

FC東京の練習場がある小平市出身で、FC東京の小平スクールで育ち、U15むさし、U18と進みトップ昇格となった生粋のアカデミー育ちである。
その上、父がレジェンドと来れば、サポーターが色めき立つのも仕方がない。

かつては『東京ガスサッカー部の選手だった父』を持つ二世選手の鈴木喜丈が在籍していたが、『FC東京の選手だった父』を持つ二世選手は初である。

個人的な体験にはなるが、『サカつく』というサッカーチーム運営シミュレーションゲームで遊んでいた時に「レジェンドの子息が下部組織に入団すること」があった。
当時、既にFC東京のサポーターであった自分は幼心に「こんなことあったら凄いなあ」とぼんやりと思っていたのだが、まさかこんなに早く現実になるとは。

2011年にJ2で実現した東京Vとの東京ダービーでは、目の前で土肥洋一がアキレス腱を負傷する様子を見ていた。
それから12年が経った今、再び『土肥』がピッチに立つ姿を待ち望んでいる。

層の厚いCBのポジションで、いきなりトップチームで土肥が出場機会を得ることは難しい。
現在は怪我をしているため、キャンプでのアピールも出遅れている現状だ。

土肥洋一氏は、長年キャプテンマークを巻いていた精神的主柱だ。
それは土肥幹太も同様で、U18での3年時は主将としてキャプテンマークを巻いていた。
184cmという背格好も父親と同じである。

今シーズンの活躍を見ることは困難かもしれないが、『32 DOI』を背負うことで、これまで東京を応援してきた年月を感じることができるという点では、すごく魅力的な番号だろう。

同い年の東廉太と競争し、どちらも将来のディフェンスラインを担う選手になることを期待している。


まとめ

思いつくままに書いていった結果、あっという間に4選手となってしまった。

他にも、FC東京下部組織初の万能型ストライカー『No.29 熊田直紀』やユースから大学経由で加入した『No.26 寺山翼』、修行を終えて昨年復帰した『47番 木村誠二』など、気になる選手はたくさん居る。
むしろ全員が候補で、何か理由を付けないと選べない。

おそらくこの4人の中から選ぶだろうが、ふとしたキッカケで買い足すかもしれないし、全く違う選手を選ぶこともあるだろう。

どの選手を選んでも正解はない。そしてもちろん失敗もない。
時にはレンタルで移籍してしまうかもしれない。すぐに完全移籍で退団してしまうかもしれない。
それでも、気になった選手や好きになった選手のユニホームを買い、スタジアムやテレビの前で応援する。
そして、その選手が活躍したら自分のことのように誇らしげな気持ちで街を歩くのだ。

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