雑記:京都の石灯籠・刀剣

菅原道真をまつる神社で、全国に所在する天満宮(天神社)の中心をなす上京区の北野天満宮は観光客で賑わう京都の著名スポットであるが、本殿の前には鎌倉時代の石灯籠があり、重要美術品に指定されている。

古くから渡辺綱寄進の伝承があるこの灯籠は、ほぼ同型のものが四国の香川県・白峯寺にあることから(そちらは文永四年銘がある)、同時代の鎌倉時代中期の作と推定される。

京都市内の石灯籠としては、屈指の古さである。

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古い歴史を持つ北野天満宮には、他にも多くの文物が所蔵されており、特に宝物館には武将たちから奉納された多くの刀剣が展示されている。

中でも渡辺綱とゆかりのある安綱銘の「伝・鬼切丸」の太刀(平安時代の作)は、源氏の重宝「髭切」に仮託されており、元々は出羽の最上家に伝来したものである(下の写真二枚目、三枚目)。

もっとも「安綱」銘は追刻と考えられ、実際には古備前物と推定されている。

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京都市内の祇園・八坂神社の境内にも、鎌倉時代後期の石灯籠があり、伝承から「忠盛灯籠」と呼ばれている(『平家物語』の逸話から生まれた伝承であるが、時代的には合致しない)。

灯籠の笠部より上は元来のものではなく、鎌倉時代後期の五輪塔の火輪を載せて代用している。

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