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新しい自分を見つける気持ちで

「まさかここまでタイムが出ると思っていなかったので、ちょっとびっくりしています。焦らず地道にやってきたことが、スピードに活きていると確認できたので、今後もコツコツと丁寧にこなしていきたいと思います」

9月に行われた全日本実業団陸上。
女子1500mに出場、日本人トップとなる
4分11秒51で3位に入った木村友香選手は、
試合後に率直な気持ちを、そう表現しました。

動きの余裕を実感できた

積水化学への移籍が発表された8月。
以降は自分の気持ちに正直に、
怪我のリハビリから初めて、
中距離のスピードにフォーカスしながら、
地道な準備を重ねてきた木村選手。

5000mの自己記録更新を大目標に掲げつつ、
秋以降は実戦で、成果を確認していく想定でした。
しかし、全日本実業団陸上に向けても、
その道筋は、順風満帆ではありませんでした。

「ちょうど9月1週目後半あたりから足を痛めてしまって、試合までの10日間くらい全然練習できない状態でした。最終刺激でやっと動いた感じだったので、4分20秒ぐらいかかるかなと思いましたが、(涼しくて走りやすい)秋の気候に恵まれたのと、地道に中距離の動きをリハビリ期間にやってきたので、それが動きの余裕に繋がったと実感できました」

アクシデントがあった中でも、
ここまで積み重ねてきたことは
間違いじゃない。
そう思えたことが、
彼女にとっては大きな収穫だったのです。

緊張がほぐれた言葉

今回の全日本実業団陸上が、
積水化学でのデビュー戦となった木村選手。
レース前には、野口英盛監督からかけられた言葉が、
リラックスするひとつの要因になったと言います。

「レースに行く前、野口監督が『新しい環境に来て1発目だから、新しい自分を見つけるようなイメージで気楽に行けばいいよ』って言ってくださいました。その言葉で、『初戦だから何かを形にして残さなきゃ』と、どうしても思っていた部分が少し軽くなった。それで少し緊張がほぐれたのは、力まず走れた要因になりましたね」

今後もこういったレースを通じて、
自分をより強くしていきたい、
そう彼女は語ります。

「私の中では、こういう中距離的なレースを5000mで活かせるようになりたいと思っています。個人的には、中距離でのスピードを強化した上で5000mを考えたいので、1500mからもう一度強化していきたいと思っています。中距離の大事さ・重要性を、これからの練習の中でも考えて、今後に活かしていきたいと思います。


ここからは個人のレースに集中し、
チームに対して貢献できる選手になるのが
当面の目標です。

「しっかり自分個人のレースに集中して、トレーニングしている姿や結果で周囲の積水化学やTWOLAPSのメンバーに対しても刺激になりたい。周りと切差拓磨できるような自分でありたいので、今後も高みを目指してトレーニングしていきたいと思います」

確かな実感を掴んだデビュー戦。
その先に広がる、もっと大きな可能性を掴むために、
これからも木村選手は、地道なトレーニングを
積み重ねていきます。