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みんないろんなものを抱えて挑んでる/卜部蘭②


世界大会へとつながる日本選手権。
出場を最大目標にして、昨年末から
脚の治療を進めてきた卜部蘭選手。

しかし、結果的には欠場の決断を下します。
「悔しいですが、あの時期が
あったからこそ今があると、
未来で言えるように取り組みたいです」
と発表しました。

怪我は少しずつ良くなっていましたが、
完治とは言いづらい状況であること、
そして、勝負できる状態では
なかったことが、最終的な
判断材料となりました。

「日本選手権前は、強度を少し下げた状態で、ポイント練習も何回かできるぐらいまで戻ってはいました。でも、強度を上げると症状が出たり、まだスパイクを履いた練習ができていなかったので欠場を決めました。一日一日、できることを積み重ねてきましたが、このレースで結果を残すと考えた時、その状態に至っていなかったし、痛みもあっての決断になります」。

みんな色々な思いを持って、そこに立っている

高校時代から出場してきた日本選手権。
毎年出ている大会を欠場すること。
当事者ではない立場から、大会を見ること。
そこには喪失感と、新たな気づきがあったのです。

「高校から大学に上がるときに、一度疲労骨折したのですが、長い怪我はそれ以来です。毎年出ている大会を、自分が画面越しに見ているのは、やはり不思議な感覚でした。もちろん、走れないもどかしさも感じました」

「ただ、今まで選手だったから他の種目とか見れなかったんですけど、初めて日本選手権を客観的に見て、テレビ越しで選手インタビューも見れた。女子やり投げの斉藤真理菜選手が友達なんですけど、優勝した時のインタビューで『怪我でずっと苦しかったけど、やっと優勝できた』と話す姿を見て、すごく勇気づけられたんです」

出場している100人に、
100人全員分の苦労がある。
勝ちたい想いや葛藤があると、
改めて感じたのです。

「みんな色々なものを抱えながら、色々な思いとかを持ちながら、そこに挑んでるんだなと。それを改めて感じることができたのは、すごく自分の中では大きなことでした」

今までよりもさらに進化した自分を見せたい

ここからは、怪我を乗り越えて、
さらにプラスに変えていくだけ。

「どこかを痛めるということは、そこに負荷がかかっていて、改善するべき点があるということ。今は自分の体と、改めて時間をかけて向き合えているので、まず怪我を完治させつつ、並行して取り組んでいるフォーム改善を形にしたいと思います。地道な作業ですけど、しっかり進んでいきたいです」

そのための原動力となるのは、
やはり、仲間からの刺激や
従業員からの応援の力です。

「他の積水化学メンバーの活躍も刺激になりますし、日本選手権欠場を発表した時も、『待ってます』とか『見るのを楽しみにしてます』とか、色々な方からたくさん応援メッセージをいただきました。復帰時期は、まだ決められていませんが、まずは走る姿を見せること。そして、今までよりもさらに進化した自分を、みなさんに見てもらえるように。それを、自分自身でも感じ取れるように。本当に地道な作業ですけど、取り組んでいきたいと思います」

シーズン後半に向けて、
パリ五輪に向けて。
苦しい時期を乗り越えた先に、
必ず大きな喜びがあると信じて。

日々の気付きを大切にしながら、
卜部選手の努力は未来へ続いていきます。



文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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