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”頼れる人”になりたいがあまりに:lesson 68《スタッフ育成向上講座》

スタッフにとって自分を育ててくれる人は親や兄弟にも似た存在になっていきます。
それは本当の家族関係というわけではなく、頼れる人であるという点においてです。

人材育成を担当する人はこうした期待を理解していますから、それこそしっかり頼ってもらえるように頑張ります。
しかし捉え方を間違えてしまうと、これが裏目に出てしまう場合も。

”頼れる人であるべき”という視点について、警鐘を鳴らしておきたいところです。

lesson 68:頼りがいのある人《スタッフ育成向上講座》

人を育てる側に回った時に、育てられる側から求められるのは『頼りがいがあること』です。

育てられる側が困った時に教えてくれる、難なくサポートしてくれる。
そうしたことが育てる側にはどうしても求められます。

人を育てる側ですから当然のことなのですが、これが非常に厄介でもあります。
というのも、育てる側が必ずしも何でもできるスーパーマンではないからです。

普通に考えて、どんな仕事でもスムーズに難なくやれる人ってまずいません。
人には得手不得手があるもので、これは人によって全然違います。
業務に関しても接客に関しても、育てる側にだってそれぞれの得手不得手があります。それを育てる側に回ったからといって克服できているかといえばそうではなくて、やっぱり難しいと思うことはあるわけです。

だけど育てられる側のスタッフは頼りたい。
そういう気持ちがわかっているからこそ、なんとか自分ができる人間であることを見せようとしてしまいます。

そうするとどうなるか?

できないことを無理にできるように見せてしまうために、どこかで失敗をしてしまったり、ひどい時には自分を強く見せようと育てられる側に対して高圧的に当たってしまうことがあるのです。

こうなったらもう大変で、育てられる側は病みます。
意味もなく(自分の不出来を隠すために)高圧的に当たられてしまったりすれば誰だってしんどいものですから、仕事へ行くのも嫌になってしまいます。
人を育てるはずが、むしろ人を潰すことだってあるのです。

だから、育てる側に回ったからといって無理をしてはいけません。

いや、これだと語弊がありますね。

無理をしなければならないことも当然ありますが、それは負荷をかけるという意味でです。
「これはさすがにやれないといけない」「これは教えられるようにならないといけない」
そういう事柄に関しては、多少負荷をかけて教える側の自分が成長できるようにしなければいけません。
こういう無理なら良い。

でも、無理に自分を強く見せようと虚勢を張るのは違います。
これには何の意味もなくて、自分が成長することもないですし、育てられる側もしんどいだけなんです。

この点に関して無理に虚勢を張ってしまうようなスタンスにならないためにも、育てる側としての考え方は固めておきましょう。

僕の例で言うと、「できないことはできない」というスタンスを持っています。

「自分も完璧ではないから、頼られてもできないこともある」ときちんと伝えるわけです。
しかしこれだけではスタッフも困ります。頼りたい時に頼れないというのは、やっぱり困るわけです。

ですから必ず”一緒にやれるようにする”ということも伝えます。

今できないことがあるのであれば、一緒にやり方を考えよう、一緒にやっていこうというスタンスで関わるのです。

もちろんある程度経験では勝っていることの方が多いですから、ほとんど経験のないスタッフ(育てられる側)よりも理解が早かったり、できるようになるスピードは違います。
そこで「こうすると良いんだね」と一緒になってやる姿勢を見せていくのです。

育てる側になると忘れてしまいがちなのですが、育てられる側は頼りたいとは思いつつもそれ以上に伴走者であることを望みます。
一方的にあれこれと言われるより、一緒になってコミュニケーションを取りながら進んでくれるならそれはそれでOKなのです。
ある程度若い世代であればあるほど、こういう気持ちは持ってくれていて、だからこそ一緒になって歩む姿勢を見せることも大事なんですね。

もちろん当人のキャラクターに左右される部分もありますが、「頼られるように」という努力と、「強く見えるように」という努力はベクトルがまるで違います。
この部分にはくれぐれも気をつけて接していきたいものです。


今回の質問
・スタッフにとっての『頼りがいのある人』とはどんな人でしょうか?
・あなた自身がその頼りがいのある人になるためには、どうすれば良いですか?
・頼りがいのある人と、無理に強く見せようとするだけの人とには、どのような違いがありますか?
*ぜひコメント欄にてお答えください!


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