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メンタルを保つということ

定期的にメンタルの相談を受けることがあります。
なかには希死念慮に苛まれている人もいて、けっこう真剣に取り組まないといけないことも少なくありません。

いくつかのサイトで調べると、システムエンジニアがうつ病になる理由として、

  • 納期などでオーバーワークになりがち

  • 日光を浴びることが少ない

  • 人とのコミュニケーションが少ない

  • キャリアが不安定で学ぶことが多い

などと書いてありますが、「さすがにそりゃ表層的すぎるだろ」と思いました。

細かい原因追及はキリがないので止めますが、うつ状態になってしまう大きな原因は自分に合わない仕事を「強制」させられているからだと考えています。

オランダの哲学者スピノザは、自由とは活動能力の増大であると言っています。
ここでいう自由は「自由自在」と訳した方が良さそうです。
そして、「自由」の反対を「強制」と定義しました。
「強制」とは、自分の本来の力を自由自在に発揮できない状態にされることです
例えば、農耕馬に早く走ることを強制しても、本来の力を発揮できなくて苦しむことになるでしょう。

ただ、生きている以上、すべてが「自由」という状態はありません。
自由と強制はバランスが重要です。
やりたくない仕事であっても自由な部分を少し増やす努力をして、強制されている個所を少し減らしたりしていくことはとても重要です。

逆にすべてを「強制」されてしまうと、自死を考えるところまで追いつめられてしまいます。
なので、制御不能なレベルで自分が本来の力を発揮できる方向性と違う仕事を任されたり、それらを強制してくる上司や会社環境があったり、他人の成果を搾取することしか考えていない同僚や部下が多い場所からは逃げ出すことを考えた方が良いでしょう。

過度にストレスが溜まると、視野が狭くなり複雑な思考ができなくなります。
もしそうなっていたら、まずは休みを取って、医者に相談して投薬治療などでセロトニンやドーパミンを調整し正常な状態を取り戻すべきです。
そのあとに、自分が出来るだけ自由でいられる状態はなんなのかを考え直す必要があります。
自分の自由な状態を再考せずに元の環境に戻ると、かなりの確率で再発します。
無理やり前向きに考えるなら、強制から逃れるために自分自身を振り返ることは自己の成長につながります。
ただ、個人的には環境や他人に命を削られてまで成長する必要はないと思っていますが。

仕事をするということは、悪いことばかりではありません。
誰かと一緒に何かを成し遂げるということは、家庭や趣味では得られない経験や思い出が手に入ります。
そのためには、まず自分がより力を発揮できる状態を作り、維持する。
新しい何かにチャレンジして自己実現を目指したり、仕事を通じて社会や誰かの役に立つのは、自由な状態を維持できてからでも遅くないと思います。

※これは素人の考えなので、つらい方は怖がらずに病院に行ってくださいね。


この記事はNHKの「100分de名著スピノザ”エチカ”」でもっと詳しく解説されています。
この回は國分先生の解説が素晴らしいので、440円ある方は見てみてください。


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