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出版文化に触れてきた大人として「本」を残したい | SeLn

こんにちは、〈SeLn(セルン)〉広報部です。
〈SeLn〉は「出版流通を再発明する」を経営理念に掲げ、出版流通のオンデマンド化を進めるスタートアップ企業です。まだまだ小さな企業ですが、出版流通への大きな愛と強い気持ちをもって事業をすすめています

私たちの推進している「オンデマンド化」は、その言葉の通り「On Demand=必要に応じて」を意味します。出版流通におけるオンデマンド化というのは、今までと違う方法で一冊の本を一人ひとりの手元に届けるための発明です

このnoteでは、そんな私たちがそもそもの「本」に対して持ち続けている感謝とロマンについてご紹介します。きっと本好きの誰もと共通する部分があると思いますので、よければ最後までお付き合いください。


本がだいすきな「大人」として

私たちのメンバーは小さな頃から本がすきだった人の多いチームです。もちろん、代表の豊川も幼少期より本を愛していた一人。

小さな頃は、ただ楽しく物語を楽しんでいました。しかし、気づけば多くのことを学び、動かされ、時には生き方にまでおおきな影響を受け、本と共に歳を重ねてきました。多くの本好きの方もそうなのではないかと思いますが、私たちもそんな本好きの一人です。

ただ、私たちは自分たちのことを“本がだいすきな「大人」の一人”と正確には考えています

わざわざ自分たちを「大人」と形容するのは、私たちは今、小さな頃に本を純粋に楽しんでいたころには、気づいていなかった「本が届くには、たくさんの人が関わっている」ということを知っていて、今、仕事としても出版にかかわっているからです。そして、「大人」としての責任を果たしていきたいとも考えているからでもあります。

※本が届くまでの話は下記のnoteに綴っておりますので、あわせておたのしみください。

これからの子どもたちにも「本」と共にあってほしい

かつての大人たちがみんなで届けてくれていた一冊の本を、純粋に楽しんでいた一人の子どもだった私たち

だからこそ、「大人」となった今、これからの子どもたちに「本との出会いの体験」を残していきたいという想いが強くあります。

好きすぎて口に入れてベトベトにしてしまった絵本。好きなページばかり開くから、そこばかりが開きやすくなった図鑑。めくりすぎてページの端が折れてしまった童話集。友達と回し読みした漫画たち。肖像画への落書きも、今思えば楽しかった参考書。緑マーカーで消し、赤い下敷きで被せて暗記した問題集。初めて読み切った厚い本―。

きっと一人ひとりの子どもの頃の記憶には、さまざまな本が寄り添っていることでしょう。

私たちは、そういう記憶に残る「本の体験」をこれからの子どもたちに残していきたいと考えています。そして、子どもたちが本と共にいる未来を創造することは、本と共に生きてきた大人の責任なのではないかとも思っています。

子どもの頃に出会った本の世界は、まさしく冒険そのもの

子どもたちにとっての「未来」は「今」の大人たちのつくった世界

私たちの根本には、「これからの未来(特に子どもたちにとっての未来)」は、どのように変わっていったとしても、あるいは、変わらなかったとしても、それは「今」の大人たちが作ったものであるという考え方があります。
もっと言えば、大人たちが作る「今」が子どもたちにとっての「未来」となるという考え方です。だからこそ、そんな「未来」をつくる責任を負っている大人として、子どもたちが本と共にいる未来を作っていきたいと思っています

活字離れ・読書は大変、と言われる時代の未来にも

でも、そんな「未来」に本当に“本”はあるのだろうか。もっと多様な娯楽も学びも存在するはずの未来に、本は残るのだろうか。活字離れが騒がれ、読書は大変といわれているのに、それでも、未来に“本”は繋がっていくだろうか。

この問いに答えはありません。ただ、私たちは“本”があってほしいと思っていて、本がある未来の方を信じて、実現したいと思っています。きっとこれは、ロマンの部分です

〈SeLn〉代表の豊川は、読書を「山登り」に似ていると言います。読書というのは、山登りのように、進んでいる間は時につらく、時に長く感じるときもあるし、誰かと一緒であっても最後は自分一人の孤独な一歩の積み重ねになるが、登頂し、下山したとき、その山で得たもの・その本で得たものは、達成感と共にかけがえのないものとなっているからと考えています。

そういう“かけがえのない”体験を提供し続け、自らの行動によって、望んでいる「本のある未来」を導いていくのが「本がだいすきな大人」として、出来ることなのではないかと思っているわけです。

電子でもいい、紙でもいい。オンデマンド化で叶える全ての本との出会い

また、「これからは電子書籍の時代だから、本の未来があったとしても、紙の本は不要ではないか」と言われることもあります。ですが、私たちはそうは思っていません。

子どもたちが本と共にいる未来を考えたとき、電子の方がいい時もあれば、紙の方がいい時もあると思うからです。それは、私たちが紙の本へのロマンを持っているからというのも理由のひとつでしょう。

ですが、ロマンだけではなく、実用性も兼ね備えているのが、私たち〈SeLn〉の考える出版流通のオンデマンド化です。

たしかに、電子書籍の割合は増加してはいますが、2023年現在でも、日本の6割以上、世界の7割以上は紙の“本”の流通です。欲しい時に欲しい人が欲しい本を手に入れられる、そんな状況を実現するオンデマンド化だからこそ、大量生産・大量廃棄を繰り返すのではなく、本当に必要な数だけ本を作って届けていきたいと考えているのです

また、電子と紙の両方の選択肢があって、子どもたちが自由に選べるのもいい未来だと思っています。なぜなら、それらはどれも「本との出会いの体験」を増やすことだから

それと同時に、紙で残っているからこその出会い方もあるとも考えています。

まずは、本のプレゼントです。子どもの頃、親や友人から本をもらったという思い出はありませんか。自分の大切な一冊を誰かを想って贈ったこともあるでしょう。そんな誰かにもらった一冊は、本棚を整理した時、引っ越しの時、ふと目に留まった瞬間に、もらった時だけではない「本との再会」をも生んでくれます。また、本を読み返すと、自然と贈られた相手や思い出も蘇ってくるものです。本のプレゼントは、「本が人と人をつなぎ、時を超えて何度でも出会わせてくれる体験」のひとつです

つぎに、デジタルデータはいつだって改変・修正ができますが、紙は一度印刷したら、そのままで残ります。物理的に破壊されない限り、半永久的に存在し続けることができるという魅力を紙の本は持っています。だからこそ、大昔の、現在とは異なる価値観の本にふと出会える瞬間を紙の本は作ってくれます。それもまた別の「本との出会いの体験」を増やすことだと思うのです。

そして、紙の本にはノイズがありません。本の中の世界に一歩を踏み入れれば、戻るべき世界は外にしかなく、デバイスの中の別の世界にCMや通知で誘われることは起きないのです。没頭できないというのは、ある意味では「本との出会いの体験」を減らすことだと私たちは考えます。

一方、デジタルデータだからこそ、さまざまな作品を作ったり、残したりできるという利点もあります。その長所に、私たちの推進する「オンデマンド化」を併せることで、紙でも残るさまざまな作品が作れるようになります。

紙の書籍には、紙ならではの魅力が、電子の書籍には電子ならではの魅力が詰まっています

電子の本だけがある未来だけではなく、紙の本が持つ、出会いに適した形も実現する未来を、私たちの推進する出版流通の「オンデマンド化」で実現します。そして、オンデマンド化の先にある未来は、きっと子どもたちの「本との出会いの体験」を増やしていく未来だと信じています。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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