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【注目ニュース】台湾PSMC 桐廬新ファブ落成式、国内外の首脳が注目

発表日:2024年5月2日

みなさんこんにちは。【注目ニュース】では、最近発表された半導体関連のニュースの中から、専門家が厳選してお届けします。通勤・通学時間、始業前などにぜひチェックしてみてください。

概要

台湾の半導体製造メーカーPSMC(パワーチップ セミコンダクター マニュファクチャリング コーポレーション)は、苗栗桐廬サイエンスパークに新工場を開設しました。

この12インチファブプロジェクトは、3,000億台湾元(約1兆4,100億円、1台湾元=約4.7円)以上の投資を行い、第一陣の設備設置と試作を完了しました。桐廬ファブは、国際的な顧客とのビジネスを拡大する主要なプラットフォームとなる予定です。

開所式には700人以上の幹部が出席し、台湾の蔡英文総統や国家発展委員会の郭明信委員長、国家科学委員会の呉宗忠委員長、苗栗県の鄭東欽県長、台湾アメリカンインスティテュート、インド台北協会、日本台湾交流協会なども参加しました。

PSMCのフランク・ファン会長によれば、桐廬ファブの建設には800億台湾ドルが投じられ、プロジェクトの実行には高い障壁があったが、経営陣のタイムリーな決断によって問題が軽減されました。

Tongluo工場は、55nm、40nm、28nmの技術ノードで月産50,000枚の12インチウエハを予定しており、将来的には2xナノメートル技術ノードの開発も計画されています。

また、フランク・ファン会長は、桐廬工場での生産開始は、PSMCの成長戦略国際的なサプライチェーン強化の一環であり、地政学的な動きによるグローバルな変化にも対応していると述べました。


解説

TSMCではなく、今回はPSMCのニュースです。PSMCも台湾のファウンドリ企業(製造のみを受注するビジネスモデル)であり、TSMC、UMCに次いで台湾国内で3位の規模です(世界では6番目、2023年)メモリとロジックの両方を開発しているのが特徴です。

製造しているのは主に22 nmプロセスノード以上の準先端品であり、それらを安価に製造することで最先端を取り扱うTSMCと差別化してきました。

ただし、現在ではPSMCもDRAMを対象に10 nm台のプロセス開発を行っていることから、着々と先端向けに準備を進めています。

PSMCの技術ロードマップ(引用元

最先端ではないため、あまり技術的なスポットライトは当たっていませんが、2023年7月にSBIホールディングスと共同で日本国内での半導体工場設立に向けた準備会社である「JSMC」を設立したことが報道されました。

工場の建設予定地には、宮城県黒川郡の「第二仙台北部中核工業団地」が選定されています。付近には、半導体製造装置メーカーである東京エレクトロンもあることから、一帯は半導体の一大基地になることが予想されます。

ただしPSMCも台湾企業であるため、昨今の地政学的な状況を踏まえると欧米からの製造受託が減少する可能性があります。今回の苗栗桐廬サイエンスパークの新工場においてどの程度の生産能力を活用できるか、今後も注視していく必要がありそうです。

参考文献

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