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ドラマ『春になったら』は、奈緒とのりちゃん…相性抜群の親子が紡ぐ最高のホームドラマです!

期待以上の滑り出しにワクワクが止まりませんでした。ドラマ『春になったら』。大好きな奈緒とのりちゃんの親子、最高でした!

ダイニングテーブルを囲んでいるときの”掛け合い”はテンポも良くてまるで親子漫才(笑)!間もいいし、途中から本物の親子に見えてきました。初詣の着物姿で一緒に写真を撮っているところなんて、思わずニヤけてしまいました。

3か月後に死んでしまうという父…「3か月後に死んじゃいます」
3か月後に結婚するという娘…「3か月後に結婚します」

「せーの」で告白した言葉にお互いがく然。父は娘の結婚相手を聞いて、猛反対。相手は10歳年上の売れないお笑い芸人・カズマルくん。娘は自分の結婚を反対したいからと言ってそんな嘘までつくのかと、父の告白を信じません。

父・雅彦は明るいキャラクターで話術にたけた敏腕実演販売士。のりちゃんが実演販売やっている姿は、現実でも商品バンバン売れそうな気がしました(笑)。「グラッチェ椎名」…絶妙なネーミングです!

一方の娘・瞳は助産師さん。ドラマの内容的に”生と死”を見つめる娘という設定なのでしょう。助産院の院長役・小林聡美も大好きだし、温かく瞳を見守るまなざしが相変わらず素敵でした。

父の告白の真偽を確かめるために主治医に会いに行く瞳。告白は真実で、ステージ4のすい臓がん、余命3か月。出産に立ち会いながら、父とのこれまでの歴史が走馬灯のように蘇ってきてしまい涙ぐむ瞳。

「今日さー、無事に男の子産まれた いいお産だった」
「うん。そっかー」
「うん。幸せな人生歩んでほしいな…あの赤ちゃん」
「俺みたいに、悔いのない人生を。なっ!」
「お医者さんに会いに行ったよ」
「あっ、そう…」
「ホントだったんだ」
「やっと信じてくれたか」

ドラマ『春になったら』第1話より

会社の同僚が同じ病気で治療を受けて、副作用で苦しんで病院から結局一回も出られずに一年半で死んでしまったことがあったという父。100人で2,3人しか助からないような治療を受けるという”無駄な抵抗”をして、病院のベッドに縛りつけられて人生の最期を過ごすのは嫌だ!最期の3か月は楽しく過ごしたい!と…。

延命治療を拒んでいるそんな父に涙で訴える瞳。このシーンの奈緒の泣きの演技は見事としか言えない迫力でした。のりちゃんもそんな奈緒に引きずられたかのように、いい表情で演技していました。

「無駄じゃない…無駄じゃないよ!お父さん怖がりじゃん。死ぬの怖くないの?じゃあ、私は?私はどうすればいいの?そんなあっけらかんとお父さんに、そんなあっけらかんと言われたって…。へぇ、そうだねーとか言えないよ。たった一人の家族なんだよ」
「あの…誰だっていつかは死ぬんだからさ。家族だっていつかは。お前には申し訳ないけど、まぁ俺の終わり方は俺に決めさせてくれよ!」
「…お父さん」
「瞳、お前はもう大人だろ?」
「関係ない。お父さん!」
「大丈夫、瞳は」
「死なないでよ。死んじゃヤダ!!お願いだから治療受けて。あたしのために治療受けてよ…。バカ!!」

ドラマ『春になったら』第1話より

自分の死に際は自分で決めたいというのは人間の本音だと思うし、病院のベッドの上で最期を迎えるより自分らしく死にたいという雅彦の気持ちも分からなくはありません。でも娘の瞳からしたら、頑固な父が勝手に決めてしまったことに対しての怒りと悲しみは深いと思われます。

それぞれ「結婚までにやりたいことリスト」と「死ぬまでにやりたいことリスト」を作り、3か月悔いなく過ごしていこうとする二人の姿がここから描かれていくことになるようですね。

”リスト”と聞いてジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンが共演した映画『最高の人生の見つけ方』(2007年)を思い出しました。あの映画は私の人生における”洋画ベスト10”に入るほど感動した映画だったので、それと同じ匂いがします。あちらは「棺桶リスト」(棺おけに入る前にやっておきたいこと)を書き出した”リスト”でしたね。

邦画でも、この映画が原案で同タイトルの吉永小百合と天海祐希が共演した映画もありました。こちらも観ましたが、オリジナルの感動があまりにも強すぎた感じでしたかね。

第1話の最後にさらなる爆弾が落とされました!!父がカズマルくんのお笑いライブにかけつけて、ネタの途中に瞳と結婚話でもめにもめてしまい…。その時、なんとカズマルくんが″東大中退のバツイチ子持ち″ということまで判明!父のために結婚を延期しようとしていた瞳でしたが、こうなったら断固として結婚を強行しようと決めた…というところでエンドでした。

クスっと笑えて、ジワリと泣けて、心に温かい感動が残る…そんなホームドラマが『春になったら』です。これからの3か月で二人がどんな風に親子としての絆を深め合い、確かめ合い、そして最期を迎えるのかをしっかり見守っていきたいと思っています。


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