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部屋の手入れ

インテリアのことを手がけるのは素人レベルに好きで、
中古の自宅を購入して5年後の2011年にリノベーションした際には、
自分で間取りを考え、内装を決め、建築士の資格を持つ夫に図面を引いてもらい、
大工さんの義父を筆頭に、家族総出でその図面をもとにした改装をすることになった。

着工から少しして東日本大震災が起きたため東北工場からの資材が届かず工期は大幅に遅れたが、
あのことがあったおかげで、取り壊されていく一つひとつに、
感謝しながら、考えながら、別れを告げることができた。

住みながらのリノベーションは大変ながらもあれこれ微調整しながら進行し、
仕上がりはそれなりに満足のいくものに(お義父さんには、注文の多い施主がかなり苦労かけました。すみません)。

あっちこっちのアンティークショップやパーツショップで、ドアノブやタイル、ステンドグラス、スイッチカバープレートや英字表記の表示錠、扉のハンドルやペンダントライトのガラスのシェードなどを少しずつ買い集め、
壁や天井、床、階段に貼った杉板にオスモのペンキを塗り(わたしはあまり役に立たなかった・涙)、
キッチンや浴室にタイルを貼り(これは義父が)、
寝室やのちの子供部屋、お手洗いの壁に珪藻土を塗り(これは夫が)、
寝室、階段、居間それぞれに本棚を設置し、
あちこちのショールームでキッチンやバスルーム、トイレなど水回りを見て回り、
建具のカタログを何冊も比較して、
リネンのカーテンをかけて、
階段下に愛犬のスペースを作って(ほとんど入っていなかった・苦笑)、
ハンドメイドのダイニングテーブルセット、テレビ台、食器棚をオーダーから半年ほど待って配置して、
松本里美さんの銅版画を、階段、居間、子ども部屋に飾って、
思い返すと、あの時間はなかなか楽しかった。

その翌年に息子が生まれてからはベビーベットにベビーチェアにベビーサークルにと、
家の中は子どもの成長に合わせて変化し、
さらに、子どもが怪我をしないように、子どもが触れないようにと、
インテリアは好みのものより、安全、安心なものが重要視されていった。

10年前からのことをなぜ思い返しているかというと、
また、あのリノベーションを手がけていた頃と同じく、
家の中をもう一度心地よくするために、ここにきて手入れを始めたから。
深く考えずに使っていたものや置いていたものを、
深く考えてみる。
いや、なんとなく考えてみる、の間違い。
ぼんやりと考えてみる、でもよし。

位置を変えたり、取り替えたり、足したり、手放したり。
あの頃と大きく異なるのは、室内にスワッグやハンギングプランツがぐんと加わり、
グリーンが圧倒的に増えたこと。
息子の語彙によると「ジャングルみたいになってきた」らしい(笑)。

ここで考えごとして、文章を書いて、原稿を編集して、
書類を作って、写真撮って、配信して、
打ち合わせして、メールの返信をして、講義や講演をして、レシート整理して、
本を読んで、ラジオを聞いて、音楽かけて、映画を観て、
料理を作って、ベランダのハーブを摘んで、洗濯物干して、
夫と息子と、友人と、スタッフと、食卓を囲んで、
子どもと一緒にボードゲームで遊んで、宿題を見て、学校のプリントを読んで、
夫婦でお酒を飲んで、コーヒーを淹れて、お風呂上がりに家族でアイスクリーム食べて、
泣いて、笑って、怒って、また笑って。

はたらくとくらす、どちらも大切にするために。
家族やスタッフやお客様、そしてわたし自身が、
よりほがらかな時間を過ごせるように。

あと少しだけ、この場所の手入れを進めよう。

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#250 /365

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