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【R06 必答42問】ITパスポート「問題と答えを覚える」時代は終わった

このNoteでは、ITパスポート最新問題(R06)で「必ず正解すべき」問題だけを選びました。

ITパスポートの合格を現実的な確率にするには、必ず正解すべき問題を47問に引き上げる必要があります。

47問を確実に正解すれば、残り53問を1/4の勘で当てる戦略です。

この理論を基に私は「必ず正解すべき問題」のNoteを作ってきました。

>>【ITパスポートR05】必ず正解すべき48問
>>【ITパスポートR04】必ず正解すべき49問
>>【ITパスポートR03】必ず正解できる55問

参考書や問題解説サイトと違って、知識や解説だけでは終わりません。

「不合格になった方」向けに、「問題をどう解くのか」「他の問題に対応してどう勉強していくのか」に特化してきました。


しかし今回(R06)は難易度が大きく上がりました。

問題ごとに学ぶべき量の幅が広くなり、「学びが超多い問題」があります。

より一層、「問題をどう解くのか」「他の問題に対応してどう勉強していくのか」が大事になってきました。

今までの「過去問題の問題と答えを覚える」学習の時代は終わりました。

各選択肢について深い理解が必要です。


今回の問題の分布です。

用語問題が58問あります。なるべく多く得点しないと合格できないのが分かります。

今回のNoteの問題です。

42問を選びました。難易度が上がったため、47問選びきりませんでした。簡単な計算問題2問も入れています。

残り5問(47 - 42)は「新用語問題」か「次に正解しておきたい問題」からゲットする必要があります。

そこで今回は、三部作構成となりました。

  1. 新用語16問

  2. 必ず正解すべき42問 ← このNote

  3. 合格を確実にする27問

ぜひ「必ず正解すべき42問」を軸に「自分が必ず正解できる問題」を増やしていってください。60問を超えれば合格は確実です。

なお、Noteは、ITパスポート970点独学合格した経験と、IT専門学校での授業実績を詰め込んで作っています。


それでは始めましょう!




必ず正解すべき問題



問02 | 大きな法律から覚える

情報システムへの不正侵入などに対する、国全体の基本理念・責務を定めた法律はどれか
ア:公益通報者保護法
イ:サイバーセキュリティ基本法
ウ:不正アクセス禁止法
エ:プロバイダ責任制限法

問2より改変

正答はイ。

まずはざっくり問題の解説から。

  • ア:公益通報者保護法は、会社に通報窓口を作ること(匿名通報も可)、現役社員が通報者したときに不利益にならないようにすること、が書かれています。

  • イ:サイバーセキュリティ基本法は、国や地方自治体のITセキュリティの方針・責任が書かれています。

  • ウ:不正アクセス禁止法は、他人のアカウントに勝手にログインすること、またはログインを助ける(ほう助)する行為を禁じています。

  • エ:プロバイダ責任制限法は、誹謗中傷を受けた人が訴訟などのために、インターネット接続業者ISPに契約者の個人情報を請求できる権利が書かれています。


深めて欲しいのは、ウとエ。

不正アクセス禁止法について。

  • 他人のアカウントでログインしただけでも違法。なんら閲覧や破壊活動をしなくても違法です。

  • ほう助は、他人のIDとPWDを掲示板などに掲載するのも含まれます。自分が不正ログインなくても違法です。 

Iパスでは必ず1問出てきます。>>不正アクセス禁止法の対策Note<< で対策してください。


プロバイダ責任制限法について。

  • 私たちがインターネットにアクセスするには、回線契約とISPとの契約の2つが必要です。

  • ISP(インターネットサービスプロバイダ)は通信業者で、私たちにグローバルIPアドレスを貸してくれたり、Webサイトへの案内(DNS:URLをIPアドレスに変換)をしてくれたりします。

  • 電子掲示板やSNSで誹謗中傷の書き込みがあった時、IPアドレスなどからISPが分かります。ISPに加害者の個人情報の請求ができます。


覚えることが多い法律ほどよく出題されます。

>>不正アクセス禁止法の対策Note
>>著作権法の対策Note
>>産業財産権の対策Note

以上3つから法律問題への対策の感覚をつけてみてください。




問06 | 英単語で情報圧縮する

技術戦略・技術経営の責任をもつ役職はどれか
ア:CEO
イ:CFO
ウ:COO
エ:CTO

問6より改変

正答はエ。

キーワード連結、英単語で解く問題です。

責任者シリーズは、最小限の単語だけで覚えます。

  • CEO:Eが執行役(エグゼクティブ)

  • CIO:Iが情報(インフォメーション)

  • CFO:Fが財務(フィナンシャル)

  • CTO:Tが技術(テクノロジー)

一度は日常生活で聞いたことある英語ですよね。

単語だけ、カタカナ英語でOKなので、「アルファベットから幾つか単語候補が出せる」状態になりましょう。>>英語を覚える2つの意味Note


今回のCOO出題は珍しいです。Oは運用や業務(オペレーティング)。とはいえ、上記4つを覚えれば充分。4択なので消去法が使えますからね。

3~4用語で充分です。
>4用語の3出題パターンNote
>3用語と4超え用語Note

5個以上覚えるのは、QC7つ道具と
>PMBOKの10個のマネジメントNote
ぐらいです。




問14 | どんどん増える分析手法

ある商品の販売量と気温の関係が一次式で近似できるとき、気象予報の気温から商品の販売量を推定する手法はどれか。
ア:回帰分析
イ:線形計画法
ウ:デルファイ法
エ:パレート分析

ITパスポートR06問14より改変

正答はア。

  • ア:回帰とは、関係を数式で推定することです。慎重と体重の関係など。

  • イ:線形計画法は、商品の個数と利益の計算問題で良くでます。「商品Aを何個、商品Bを何個作ればよいか」のような文言で、連立方程式を使います。

  • ウ:デルファイ法のKWは2つ。専門家に聴取しアンケート結果を専門家にフィードバックして再度集計する。

  • エ:パレート分析とは珍しい。いつもは「パレート図」「ABC分析」の名前で出ます。QC7つ道具の1つで、棒グラフと折れ線グラフを重ねた図。


まずは回帰分析から、時系列分析・相関分析・因果推定・主成分分析(PCA
)を芋づるで学んでいきます。全て、ITパスポートで出題された分析法です。

回帰分析は、散布図にプロットして2軸の量関係を、数式でモデリングすることです。例えば、気温とアイスの個数の関係が当てはまる数式を最小二乗法などを用いて推定します。

また、データの時系列変化に当てはまる数式を探索することを、時系列分析と云います。

相関分析は、主に1次関数(グラフで直線になる)にキッチリ従うかどうかです。片方の値が増えればもう片方が増える(右肩上がり)なら「正の相関(相関係数が正)」、逆相関なら「負の相関(相関係数が負)」と云います。

相関分析では、2値の増減関係を調べているだけで、本当に「原因と結果」なのかは検証していません。例えば、データマイニングの例でよくある「ビールを買うお客さんは、オムツも買う」は、数値としての相関関係はありますが「なぜか」は分かりませんよね。

因果推定は、統計学を用いて「原因と結果」があるかを分析します。

AI絡みで「主成分分析(PCA)」も出ます。散布図を用いた相関分析から、軸を減らして単純化する手法です。

下図では、データを表現するには2軸必要でしたが、新しく斜めの軸を採用することで、1軸だけで表現できるようになりました。

>>AI特有の技術特集Note


線形計画法は、以下のような問題で行う計算方法です。

応用情報技術者平成30年秋問76より

解くには、連立方程式(不等式も含む)を解く必要があります。


パレート分析について(問51でも出てきます)。

QC7つ道具ですね。5~7個は知っておきましょう。

お勧めの順番に並べました。

  1. パレート図大きい順に並べた棒グラフと累積を折れ線グラフ

  2. 特性要因図魚の骨のような図。フィッシュボーンチャートとも云う

  3. 散布図:2値の「相関」が見れる図

  4. 管理図上限・下限をはみ出していないかチェックする図

  5. ヒストグラム各範囲(階級)での個数を棒グラフで表したもの。クラスの成績の分布などの図

  6. チェックシート:忘れ物チェックやタスク管理する時に使っていますよね

  7. グラフ:数学で使ったことありますよね

1~5番目までは、図として覚えておくと良いですね。6~7は既に知っている方もいらっしゃいますよね。





問15 | 新用語によって3用語×2

必要な時に必要な量の原材料や部品を調達し、中間在庫をできるだけもたなようにする生産方式はどれか。
ア:BPO
イ:CIM
ウ:JIT
エ:OEM

ITパスポートR15問より改変

正答はウ。

  • ア:BPO業務を委託すること。Oを見たら「アウトソーシング(委託)かな」、「Bでビジネスとくれば、Pはプロセスかな」と推測できるようになりましょう。

  • イ:CIM:試作をせず、コンピュータシミュレーションで試行錯誤する

  • ウ:JIT:中間在庫(各工程での部品在庫)がKW。

  • エ:OEM:他社のブランド商品を委託を受けて生産すること。


まず深めたいのはJIT。

中間在庫を持たない系用語は3つあります。3つの違うを問う問題は意地悪すぎるので、出ないと思われます。

  • JIT:中間在庫を減らす。「必要な時に必要な量を発注する」がKW

  • かんばん方式トヨタで実現したJIT

  • リーン生産方式:JITと かんばん方式によって、多種商品の大量生産を行う


製造系へのITの導入も、今までCAD, CAMだけでしたが、CIMが加わりました。

  • CAD設計図を書くソフトウェア。2D図面も3D図面もできる

  • CAMCADで作った設計図を工作機械に入力するツール

  • CIM:試作をせず、コンピュータシミュレーションで試行錯誤する




問16 | もはや定番 RPAの2つのKW

RPAが適応できる業務はどれか。
ア:ゲーム開発企業におけるプログラムを自動改善する業務
イ:従業員の領収書データから清算伝票を作成する業務
ウ:冷凍食品を産業用ロボットを用いて製造する業務
エ:販売業において、膨大な顧客の購買データから購買行動に関する新たな法則をみつける業務

ITパスポートR06問より

正答はイ。

RPAのKWは2つ。

  • 定型業務(単純作業)の自動化や効率化

  • ソフトウェアのロボット(プログラム)

各設問を覚える必要はないので、ポイントだけ。

  • ア:プログラム改善は単純作業ではない。

  • ウ:産業用ロボットは物理的なロボットなので、ソフトウェアではない。

  • エ:マイニングの説明。膨大なデータ・新たな法則(知見)がKW。

RPAは地味に1問以上出てくるので特集しました。>RPAの特集Note

「膨大なデータ」をKWとするのはデータマイニングだけではありません。AIも良く出題されます。>>AI/IoTブームでの新用語対策Note<< に4部作でまとめました。




問21 | ソフトウェアの深堀2つ

ソフトウェアの利用形態のうち、定額料金で利用できるものはどれか。
ア:アクティベーション
イ:アドウェア
ウ:サブスクリプション
エ:ボリュームライセンス

ITパスポートR06問21より

正答はウ。

まずはざっくり理解から。

  • ア:アクティベーションは、ライセンスを入力してソフトウェアやサービスを使える状態にすること。

  • イ:アドウェアは広告表示を伴うソフトウェア

  • ウ:サブスクリプション(サブスク)は、amazonプライムなど、定額使い放題のプラン(月額や年額)

  • エ:ボリュームライセンスは、台数を指定するライセンス契約


最近はウの「サブスクリプション(サブスク)」の出題をよく見ます。利用している方も多いでしょうから大丈夫ですよね。

深めたいのはイ「アドウェア」とエ「ボリュームライセンス」です。


まずアドウェアから。

アドウェアは、使っているときに広告を表示するソフトウェアです。Youtubeやブログの広告のように、無料で使えつつ製作者に収入が入る仕組みです。

しかし、広告を多数表示したり、広告のリンク先が詐欺サイトなどの場合もあり、アドウェアはマルウェア(悪意のあるプログラム)の一種として分類されることもあります。

マルウェアは大変重要なテーマです。4回で特集しておきました。


最後におまけで、ソフトウェアのライセンス形態。

英語で理解できるので、あまり力を入れなくても大丈夫です。

  • シュリンクラップ契約:包装の開封で成約。

  • サイトライセンス契約:使用場所を指定。台数や人数に制限なし。

  • ボリュームライセンス契約:台数を指定

  • クリックラップ契約:インストールの際に画面表示される契約内容に同意。




問22 | シェアシリーズ

個人や企業が保有する物品をインターネットを介して貸与する仕組みはどれか。
ア:シェアードサービス
イ:シェアウェア
ウ:シェアリングエコノミー
エ:ワークシェアリング

ITパスポートR06問22より

正答はウ。

まずはエ「シェアウェア」は常識なので最初に。

シェアウェア有償のソフトウェア。機能制限のある無料版、試用期間中だけ無料な場合もあります。フリーウェアは無料で使えるソフトウェア。


最近流行りのシェアリングエコノミー。

  • シェアリングエコノミー:インターネットを介して、貸借可能な資産をシェア(共有)するサービス

  • カーシェアリングの貸借共有サービス。シェアリングエコノミーの代表格


エコノミーと言えば「APIエコノミー」は、APIによる価値送出や経済効果のこと。例えばAPIを利用すれば自社開発の手間が省けますし、APIを公開している側は利用してもらって収益を得ることもできます。

なお、外部に公開したAPIを「オープンAPI」とも言います。


ワークのシェア系もまとめます。

  • ワークシェアリング:ある業務に対して人員を増員し、業務を細分化して配分すること

  • シェアードサービス:グループ企業の間接業務(人事や会計)などを一ヶ所に集中する業務改正

ワークシェアリングはR03から2度目の出題なので覚えましょう。




問25 | 2つのペア用語

史跡にスマートフォンを向けると、説明文や関連画像を現実の風景と重ねるように表示する技術はどれか。
ア:AR(拡張現実)
イ:GUI
ウ:VR(仮想現実)
エ:メタバース

ITパスポートR06問25より

正答はア。

まずはイの「GUI」とCUIから。

  • GUI:画面内のボタンなどによる操作

  • CUIコマンドによる操作

次は流行りのVR/AR。

  • VR(仮想現実):コンピュータの中にCGで現実っぽい世界を作る

  • AR(拡張現実)現実の風景にCG(説明文や画像)を重ねる


最後に「メタバース」は様子見の新用語。インターネット経由で多人数が参加できる「空間」のことです。

VRにようにHMD(ヘッドマウントディスプレイ)で没入しても良いですし、広い意味ではネットゲーム(のMMO-RPG)もメタバースと云えます。

初学者の方は、GUI/CUI, VR/ARを押さえれば大丈夫です。




問26 | IPAの広告問題

データサイエンティストの役割はどれか。
ア:機械学習や統計学を用いてビックデータを解析し、ビジネスに活用できる新たな知見を獲得する。
イ:膨大なデータを高速に検索できるようなデータベースを運用するシステム基盤を構築する。
ウ:企業での情報資産のリスク評価のために、現場でのデータの取り扱いや管理についての実態を調査する
エ:企業におけるサイバーセキュリティに関して、専門的な知識や技能を活用して支援する。

ITパスポートR06問26より

正答はア。

IPAの資格広報の問題と思って大丈夫です。各選択肢に資格名と同じエンジニア職種が該当します。

アを一発で引けば良いです。あとはエを「セキュリティエンジニア」と思うぐらいはアリで、他は覚えなくて良いです。

  • ア:データサイエンティスト

  • イ:システムアーキテクト(SA)

  • ウ:システム監査技術者(AU)

  • エ:情報安全確保支援士(SC)




問32 | 派遣・委託は、雇用・指揮命令関係がポイント

派遣労働者の雇用関係の記述について適切なのはどれか。
ア:派遣先との間だけに雇用関係がある
イ:派遣元との間だけに雇用関係がある
ウ:派遣元と派遣先のどちらにも雇用関係を結んでいる
エ:派遣元と派遣先のどちにも雇用関係がない

ITパスポートR06問32より

正答はイ。

雇用関係は所属先企業と労働者の間にあります。

派遣の場合は「派遣元」、委託の場合は「委託先」というように、「元」「先」と名前で混乱しないようにしましょう。

派遣/委託のポイントは、雇用関係と指揮命令関係の2点。雇用関係は労働に関する給与・有休など、指揮命令関係は著作権に関係します。

下の2つの図で理解しておきましょう。


>>派遣と委託の10問特集Note でガッチリ対策をしてください。



購入のご案内


ここからは有料になります。

ITパスポートR06は3部作構成になっています。

3部作を公開したら、現在無料で公開している「新用語16問」も有料になります。また、ITパスポートR05, 04, 03もマガジンで読めます。

Note単体よりもマガジン購入がお得な価格設定にしますし、先行購入された方が損をされないよう値下げはしません。

R05, 04, 03で200×3=600円
R06-1(100予定), R06-2(本Note300),R06-3(100予定)=500円
以上計1,100円を、マガジンでは500円で入手できます。
しかもマガジンにR07など追加されても、値上げがあっても、追加料金は発生しません。お早めのご検討をお願い致します。

ITパスポートR06を各Noteを様子を見ながら購入するか、マガジンでフルセットかの2択になります。

ご自分のペースと必要性に合わせて選んで頂ければと思います。

Note単品は24時間返金に対応しています。マガジンはNote自体が返金対応をしていないとのことです。



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