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【基本情報技術者9問】IPアドレスの計算問題を集めてみた

このNoteでは、IPアドレスの計算問題を基本情報技術者試験から集めました。>>前回のノート<< の情報2種類 × 出題3種類の 6パターンを前提にしています。

以下が理解できていないなら、必ず>>前回のノート<< を読んでくださいね。

  • ネットワーク設定

    • プレフィックス長

    • サブネットマスク

  • 出題パターン

    • ネットワークアドレスを求めよ

    • ブロードキャストアドレスを求めよ

    • 割り当てられるアドレスの個数を求めよ

IPアドレスの計算は、科目Bでも応用情報技術者でも出題されます。今ケリをつけておかないと合格はできません。

ちょっとキツイ言葉を書きますね。

それに「IPアドレスの計算ができない」のに、「基本情報技術者合格です」「ITエンジニアです」って正直恥ずかしくないですか?

「IPアドレスの計算できない人が作ったシステム」なんてコワイ、と私は思っちゃいます(実際はわかりませんけどね)。


なお、このNoteは私が専門学校で教えてきた指導経験とIP970点/FE88点合格をした実績に基づいていますので、ちょっとでも信用してくれたら嬉しいです。




ネットワーク/ブロードキャストアドレスの計算問題


最初から本丸を攻めましょう。ネットワーク部とホスト部の区切りさえ分かれば、勝ち確ですよ。

次の設定でのネットワークアドレスはどれか。
IPアドレス:10. 170. 70. 19
サブネットマスク: 255. 255. 255. 240
ア:10. 170. 70. 0
イ:10. 170. 70. 16
ウ:10. 170. 70. 31
エ:10. 170. 70. 255

「基本情報技術者試験 平成29年秋問35」より改変

正答はイ。

ネットワークアドレスは、ホスト部を全て0にしたものです。

サブネットマスクの 255 は 11111111 と分かっているので、255.255.255までがネットワーク部なのは確定( 8×3=24ビット )。

240 を 2進数変換してさらに調べます。240 は 11110000。よってネットワーク部は、24+4=28ビット

次はIPアドレスのホスト部を全て0 に書き換れば、ネットワークアドレスになります。

19を 2進数8桁に変換して、00010011。

  • 先頭4ビットはネットワーク部なのでそのまま

  • 残り4ビットがホスト部なので 0に書き換えて00010000

  • 00010000 を10進数にすると16。

よって、10.170.70.16のイが正答。



次の設定でのサブネットワークはどれか。
IPアドレス:10. 1. 2. 146
サブネットマスク:255. 255. 255. 240
ア:10. 1. 2. 132/26
イ:10. 1. 2. 132/28
ウ:10. 1. 2. 144/26
エ:10. 1. 2. 144/28

「基本情報技術者修了試験 令和5年度7月問25」より改変

正答はエ。

サブネットマスクは、さっきの問題と同じで 255.255.255.240なので、先頭28ビットがネットワーク部、残り4ビットがホスト部。

この時点でプレフィックス長は「/28」と分かり、選択肢のイとエに絞られます。

IPアドレスからネットワークアドレスを作ります。10.1.2(8×3=24ビット)はネットワーク部なのでそのまま。

残りの146を書き換えます。

  • 146を10進数にして、10010010

  • 最後の4ビットがホスト部なので、0に書き換えて10010000

  • 最後に10進数に変換して144

よって正答はエ。



あるパソコンのネットワーク設定が、192. 168. 57. 123/22のとき、ブロードキャストアドレスはどれか。
ア:192. 168. 55. 255
イ:192. 168. 57. 255
ウ:192. 168. 59. 255
エ:192. 168. 63. 255

「基本情報技術者試験 平成28年春問34」より改変

正答はウ。

ネットワークアドレスと計算法は同じです。ホスト部を全て1にする点だけが違います。

「/22」から先頭22ビットがネットワーク部。192.168.57の 57の途中(6ビット)まで。

  • 57を2進数変換して、00111001

  • 先頭6ビットはネットワーク部なのでそのまま

  • 残り2ビットがホスト部なので全て1に書き換えます

  • 00111011となり、10進数にして59

IPアドレスの4番目123 は全てホスト部なので、

  • 全て1にして11111111

  • 10進数だと255

よって、ブロードキャストアドレスは、192.168.59.255のウが正答。



アドレスを割り当てられる個数の問題


これで本丸は最後です。

サブネットマスク 255. 255. 254. 0 のネットワークにて、ホストとして使えるアドレスの個数上限はどれか。
ア:23
イ:24
ウ:254
エ:510

「基本情報技術者試験 平成31年春問32」より改変

正答はエ。

プレフィックス長「/23」より、ホスト部は32-23=9ビットです。

2進数9ビットで表現できる個数は、2の9乗個なので512。

しかし、2つ使えないアドレスがあります。

  • ホスト部を全て0にした、ネットワークアドレス

  • ホスト部を全て1にした、ブロードキャストアドレス

よって、512-2 = 510個なので、正答はエ。



192. 168. 30. 32/28のネットワークに接続できるホストの最大数はどれか。
ア:14
イ:16
ウ:28
エ:30

「基本情報技術者試験 平成26年春問35」より改変

正答はア。

プレフィックス長「/28」より、ホスト部は32-28=4ビット

2進数4ビットで表現できるのは、16個。

しかし、2つ使えないので16-2=14個。したがって正答はア。



派生 | 割り振っていはいけないアドレス


次は、少し派生問題です。今までの問題が解ければ必ず正解できますよ。

以下の設定において、PCに割り振ってはいけないIPアドレスはどれか
ネットワークアドレス:200. 170. 70. 16
サブネットマスク:255. 255. 255. 240
ア:200. 170. 70. 17
イ:200. 170. 70. 29
ウ:200. 170. 70. 30
エ:200. 170. 70. 31

「基本情報技術者試験 平成28年春問32」より改変

正答はエ。

「割り振ってはいけないIPアドレス」は、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスかな、と疑って始めます。

問題文にネットワークアドレスは書かれているので、ブロードキャストアドレスを求めてみます。

サブネットマスクが255.255.255.240より、11111111.11111111.11111111.11110000です。

ネットワーク部は先頭28ビット、ホスト部は残り4ビット。ブロードキャストアドレスはホスト部を1に書き換えれば分かります。

ネットワークアドレス、200.170.70.16で、

  • 最初の3つの10進数(2進数で24ビット)はそのまま

  • 16の2進数8桁00010000で、0001まではネットワーク部なので変えず

  • 右側4ビットを全て1にして、00011111に書き換えます。

  • 10進数にすると31

よってブロードキャストアドレスは、200.170.70.31であり、エが正答。


なお、選択肢にネットワークアドレスやブロードキャストアドレスがなかった場合、各選択肢から「ネットワークアドレスが 200. 170. 70. 16 ではないIPアドレス」を探しますね。



サブネットマスクが255. 255. 255. 240のとき、同一サブネットに所属しているIPアドレスはどれか。
ア:192. 168. 1. 14 と 192. 168. 1. 17
イ:192. 168. 1. 17 と 192. 168. 1. 29
ウ:192. 168. 1. 29 と 192. 168. 1. 33
エ:192. 168. 1. 33 と 192. 168. 1. 49

「基本情報技術者試験 平成28年秋問33」より改変

正答はイ。

要は、選択肢のIPアドレスのネットワークアドレスが同じであるかを確認すれば良いです。

サブネットマスクから、240を2進数にすると11110000なので、28ビットまでがネットワーク部、残り4ビットがホスト部。

アについて、

  • 14の2進数8桁は、00001110

    • ホスト部を0に書き換えて00000000

  • 17の2進数8桁は、00010001

    • ホスト部を0に書き換えて00010000

  • これではネットワークアドレスが違います。

イについて、

  • 17は、00010001。ホスト部を0にして00010000

  • 29は、00011101。ホスト部を0にして00010000

  • これならネットワークアドレスが同じです

よって正答はイ。



派生 | 簡単な問題


最後に軽く基本的な問題です。しかし、遭遇はほとんどしないので、最初の3パターン(ネットワークアドレス, ブロードキャストアドレス, 個数)が最優先です。

この問題はめちゃくちゃ簡単ですよ。

IPv4アドレスの表記として間違っているものはどれか。
ア:10. 0. 0.0
イ:10. 10. 10. 256
ウ:192. 168. 0. 1
エ:224. 0. 1. 1

「基本情報技術者試験 平成25年春問31」より改変

正答はイ。あからさまなので大丈夫ですよね。

IPv4でのIPアドレスは32ビット(2進数が32桁)で、人間が読みやすいように8ビットごとに10進数にしています。

よってIPアドレスは4つの10進数で表記され、範囲は0~255(00000000~11111111)

選択肢を見ると、イに256があるため間違いだと分かります。



可変長サブネットマスクとして正しいのはどれか。
ア:255. 255. 255. 1
イ:255. 255. 255. 32
ウ:255. 255. 255. 64
エ:255. 255. 255. 128

「基本情報技術者修了試験 令和5年度7月問23」より改変

正答はエ。

10進数は0~255の間なので一見問題ありません。2進数に変換してみます。

選択肢では、4つめの10進数だけ違うので各々2進数にします。

さて、サブネットマスクは、1が連続した部分がネットワーク部、0が連続した部分がホスト部です。

エなら、11111111.11111111.11111111.10000000となり、1が連続するので正解。

例えばアなら、11111111.11111111.11111111.00000001となってしまうため不適切。

  • ア:10進数の  1は、2進数8桁で00000001

  • イ:10進数の32は、2進数8桁で00100000

  • ウ:10進数の64は、2進数8桁で01000000

以上は、1が連続・0が連続を崩しているため不適切。




まとめ


さっくりとまとめると、以下の通り。

  • プレフィックス長orサブネットマスクからネットワーク部とホスト部の分け目を特定する

  • ネットワークアドレスなら、

    • IPアドレスを2進数変換してからホスト部を全て0

  • ブロードキャストアドレスなら、

    • IPアドレスを2進数変換してからホスト部を全て1 

  • 個数問題なら、

    • ホスト部のビット数から個数を出す

    • 個数から -2 する(ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスアドレスは使えないから)

分からないなら必ず >>前回のノート<< を読んでください。

ネットワークは、セキュリティとデータベースと併せて「3種の神器」。科目Bや応用情報技術者、高度試験を狙っていくには必ず立ち向かっていきましょう。

\力試しは修了試験で!4回分の解説です/


p.s. 普段は >> 専門学校とIT就職のブログ << をやってます。

でわでわ(・ω・▼)ノシ


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