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夜想詩

恐ろしい
本能的にそう思う暗闇は
実はそっと あなたに手を差し伸べている
かもしれない

あなたが傷ついた夜
悲しい夜
震えながら涙を流す夜

空に広がる藍色は その全てを抱き留めた
ただ黙って 優しく深い色で あなたに寄り添った
その大きな身体であなたを包み
柔らかい綿の 温かな布団と一緒に
穏やかな風のリズムで
苦しい心を和らげてくれた

藍色夜空は
たくさんの子供たちの棘をぬいて
たくさんの大人たちの苦みをぬぐって
だからその手は 血が滲んでしまっているけれど
流れた赤い血は 藍色の空に染みわたり
ますます澄み切ったアイ色になった

自分の痛みを
誰の目にも触れさせず 驕らず
神々しく鋭い星の輝きを 彼らが人々を導くようにと
ウン万年も昔から 休むことなく掲げ続けた

……私はそのことを
随分大人になってから知った



昔々 私に出来た空洞を
あなたが埋めてくれました

私は今日
あなたのことを
想い、祈る

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