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36/1,000冊目 太宰 治 『斜陽』

太宰 治(著) 『斜陽』

太宰治の中編小説『斜陽』は、太宰治が38歳のとき、『新潮』1947年7月号から10月号まで4回にわたって連載されたもの。同年12月15日、新潮社より刊行され、初版発行部数は1万部。すぐさま2版5,000部、3版5,000部、4版1万部と版を重ねベストセラーとなりました。

敗戦後の没落貴族の母と姉弟、デカダン作家らの生き様を描いています。

太宰の代表作の一つで、作中で描いた、没落していく上流階級の人々を指す「斜陽族」という流行語を生みだした。斜陽という言葉にも、国語辞典に「没落」という意味が加えられるほどの影響力がありました。太宰治の生家である記念館は、本書の名をとって「斜陽館」と名付けられています。

感想

甘ったれた世界観にイライラするし、登場人物たちには太宰自身の人格が見える気がする。読後感もイライラする。にも関わらず、しばらくすると彼が描写したいくつかの情景が強く記憶に残っていることに気づく。

太宰自身が見えると言いましたが、やはりか、「主要登場人物四人の設定はいずれも年代別の太宰自身の投影(初期=直治、中期=かず子と母、末期=上原)が色濃い。」とWikipediaに書かれていました。


太宰 治

田村茂 - https://images.wook.pt/getresourcesservlet/GetResource?9MWVLntzzwpNXgzKXB6M9/kjHmoOXOr6DOACXrGglOQ=八雲書店『太宰治全集 第1巻 (晩年)』(1948年刊), パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=63251385による

太宰 治(だざい おさむ)
生没:1909年6月19日 - 1948年6月13日(享年:38歳)

日本の小説家。本名:津島 修治(つしま しゅうじ)。左翼活動での挫折後、自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、第二次世界大戦前から戦後にかけて作品を次々に発表。主な作品に『走れメロス』『津軽』『人間失格』がある。没落した華族の女性を主人公にした『斜陽』はベストセラーとなる。戦後は、その作風から坂口安吾、織田作之助、石川淳、檀一雄らとともに新戯作派、無頼派と称された。


関連書籍

沢木耕太郎『旅のつばくろ』

作中に出てくる駒場の宮様は、沢木耕太郎の『旅のつばくろ』にでてくる駒場の前田侯爵のことだと思う。


井伏鱒二『太宰治』

この小説を出す頃には太宰治は井伏鱒二と疎遠になっている。という経緯を知ることができる。


参照

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