せんさつくん

本を千冊紹介しています。

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  • シェイクスピ37全作品の紹介

    シェイクスピアの戯曲37全作品を紹介します。詩作6つを加えると43作品になります。

最近の記事

47/1,000冊目 北村 紋義(著) 『どんな困った犬もこれで大丈夫! 体罰ゼロのポチパパ流 犬のしつけ大全』

北村 紋義 『どんな困った犬もこれで大丈夫! 体罰ゼロのポチパパ流 犬のしつけ大全』 感想読みやすい。2時間もあればざっくり読めます。犬主体に考え続けた試行錯誤を知ることができました。 実践して確かめつつ、他の本も読んで、できれば科学的なエビデンスや知見も得て、検証したい。 北村 紋義きたむら あやのり。大阪府富田林市にて、保護犬のシェルターと犬の問題となる行動(吠える、噛むなど)を犬の心理と行動からのリハビリトレーニングセンターを運営している。 ドッグメンタリスト(

    • 46/1,000冊目 村松 友視(著) 『百合子さんは何色: 武田百合子への旅』

      村松 友視(著) 『百合子さんは何色: 武田百合子への旅』著者:村松 友視 出版年:1994年9月 出版社:筑摩書房 概要作家・武田泰淳の妻であり、自らも数少ない珠玉の日記、エッセイをのこし、昨年死去した武田百合子。不思議な謎を秘めた彼女の人生に色をそえるために作家、村松友視が書き下ろした鎮魂の書。 感想武田百合子や武田泰淳の文才を相対的に体感できました。「色」という比喩がそもそもすっと入ってこず、いちいち思考が止まるのですが、それでも真摯に武田百合子さんという存在がど

      • 45/1,000冊目 鈴木祐(著) 『進化論マーケティング』

        鈴木祐(著) 『進化論マーケティング』著者:鈴木 祐 出版年:2022年8月 出版社:すばる舎 感想ソーシャルメディアの戦略を含めてマーケティング指南の著書のほとんどが「経験から得た、こうなんじゃね?」という理論であるのに対して、本書はできるだけエビデンスベースであろうとする姿勢で書かれたものでした。 ビジネスというのは、佐藤航陽氏も「経済とは欲望のネットワーク」と表現していた通りに、人間の欲望を最適化しようとする活動で、ならば人間の欲望を理解しないでビジネスを発展させる

        • 44/1,000冊目 ヘルマン・ヘッセ 『デミアン』

          ヘルマン・ヘッセ 『デミアン』ラテン語学校に通う10歳の私、シンクレールは、不良少年ににらまれまいとして言った心にもない嘘によって、不幸な事件を招いてしまう。私をその苦境から救ってくれた友人のデミアンは、明るく正しい父母の世界とは別の、私自身が漠然と憧れていた第二の暗い世界をより印象づけた。主人公シンクレールが、明暗二つの世界を揺れ動きながら、真の自己を求めていく過程を描く。 出版:1919年(ヘルマン・ヘッセ42歳) 『デミアン-エーミール・シンクレールの少年時代の物

        47/1,000冊目 北村 紋義(著) 『どんな困った犬もこれで大丈夫! 体罰ゼロのポチパパ流 犬のしつけ大全』

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        • シェイクスピ37全作品の紹介
          9本

        記事

          43/1,000冊目 佐藤航陽 『お金2.0』

          佐藤航陽 『お金2.0』著者:佐藤航陽 出版年:2017年 感想佐藤航陽氏のトライアルアンドエラーをトレースするような本。わたしも真似したい生き方を発見。 得たもの経済システムの要件定義 中央集権化→分散化という時代の流れ 飢えをしらない世代が形成する「生きがいを求める」世界。生きがい主義。お金の価値は相対的に減少。高級車、ジュエリーの相対的な価値の減少(生きがいじゃないから)。 経済とは人間の欲望を最適化する活動 疑問→調査→仮説→試行→疑問というループ。理想。

          43/1,000冊目 佐藤航陽 『お金2.0』

          42/1,000冊目 武田百合子 『日日雑記』

          武田百合子 『日日雑記』武田百合子さん(1925–1993)の日々の雑記。 正月の百貨店、美空ひばり、映画館の三本立て、小旅行、富士山荘での日日……。見たもの、食べたもの、出会った人々のことなど、身辺のできごとや思い出を簡潔で少しユニークな文章で綴られたエッセイ集。 表紙は、娘で写真家の武田花さんの写真。花さんによるあとがき 「エッセイなんて、それがどうしたと言われれば、何でもないもんだ。へへ」 と武田百合子さんはおっしゃっていながらも、ちょっとした表現を直すのに朝

          42/1,000冊目 武田百合子 『日日雑記』

          41/1,000冊目 ゲーテ 『ゲーテ詩集』

          ゲーテ 『ゲーテ詩集』 感想82歳までの生涯をたどるように読めて良い。 長きに渡って恋愛への関心がとても高い。それがゆえに元気なのかもしれない。現代においては大御所感がすごいが、ヴァイマルでの政治的な仕事をずっとやってきていたのに11年目にして全て放棄して(放棄したと言っても「無期限休暇」とか言って帰ってきたら仕事があるようにはしている)、イタリアに行っているゲーテ。自由。 音楽家たちとのつながりがあつい。 18世紀にしては長生き(現代でもまあまあ長生きかも)だったた

          41/1,000冊目 ゲーテ 『ゲーテ詩集』

          40/1,000冊目 ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』

          ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』著者:ジャレド・ダイアモンド(Jared Diamond) 翻訳者:倉骨 彰 内容1997年に出版。 “なぜユーラシア大陸の人々がアメリカ先住民、オーストラリア人、アフリカ人を征服したり、追い出したりしたのか?” それはユーラシア人の遺伝的な優位性によるものではなく、ユーラシア大陸の環境的な特徴、家畜化しやすい動物が多くいたこと、栽培可能な植物も多かったこと、東西に長い大陸であるため、食糧生産技術等が伝播しやすかったことなどによるも

          40/1,000冊目 ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』

          39/1,000冊目 玉樹 真一郎『「ついやってしまう」体験のつくりかた』

          玉樹 真一郎『「ついやってしまう」体験のつくりかた』 感想この本を読んで以降、ゲームのみならず、漫画も映画も小説も、この本が紹介してくれている「人をのめり込ませる技術」を駆使して作られていることがわかるようになります。 それだけでも面白いのですが、こんな面白い武器、知れば知るほど、使いたくなるものです。 わたしはまだあまり使えていないのですが、身につけていくのが楽しみでいます。教養や知識、というよりは明らかな「武器」となる技術の簡易版マニュアルなんじゃないかと思っていま

          39/1,000冊目 玉樹 真一郎『「ついやってしまう」体験のつくりかた』

          38/1,000冊目 ヘルマン・ヘッセ 『ヘッセ詩集』

          ヘルマン・ヘッセ 『ヘッセ詩集』18歳のころの処女詩集より70余歳の晩年に至る全詩集の中から、各時代を代表する作品を選び抜いて収録したヘルマン・ヘッセの詩集。翻訳は方は高橋健二氏。全146編。 ひたすら詩人になりたいと願い、苦難の道のりを歩み続けたドイツの抒情詩人ヘルマン・ヘッセ。 内容と出版年 ヘルマン・ヘッセ誕生(1877年) 『処女詩集』(1902年)(25歳)とその前後 第一次世界大戦勃発(1914–1918年) 『孤独者の音楽』(1915年)(38歳)とその

          38/1,000冊目 ヘルマン・ヘッセ 『ヘッセ詩集』

          37/1,000冊目 Richard P Feynman 『Surely You're Joking Mr Feynman』

          Richard P Feynman 『Surely You're Joking Mr Feynman』1965年にノーベル物理学賞を受賞した理論物理学者リチャード・ファインマンに友人のラルフ・レイトン(Ralph Leighton)との会話から描き起こされたもの。 何年もの間、ファインマンと彼の友人ラルフ・レイトンとの会話は、まずテープに録音され、その後、ここに掲載されているように、話し言葉からほとんど変更されることない内容。 感想筆致で、その人を好きになったり、嫌いに

          37/1,000冊目 Richard P Feynman 『Surely You're Joking Mr Feynman』

          36/1,000冊目 太宰 治 『斜陽』

          太宰 治(著) 『斜陽』太宰治の中編小説『斜陽』は、太宰治が38歳のとき、『新潮』1947年7月号から10月号まで4回にわたって連載されたもの。同年12月15日、新潮社より刊行され、初版発行部数は1万部。すぐさま2版5,000部、3版5,000部、4版1万部と版を重ねベストセラーとなりました。 敗戦後の没落貴族の母と姉弟、デカダン作家らの生き様を描いています。 太宰の代表作の一つで、作中で描いた、没落していく上流階級の人々を指す「斜陽族」という流行語を生みだした。斜陽とい

          36/1,000冊目 太宰 治 『斜陽』

          35/1,000冊目 トーマス・スターンズ・エリオット(著) 『荒地』

          トーマス・スターンズ・エリオット(著) 『荒地』トーマス・スターンズ・エリットが34歳のとき、気管支『クライテリオン』に掲載された長詩『荒れ地』(The Waste Land)。「四月は残酷極まる月だ」(じつはわたしが読んだのは、彌生書房の詩集。翻訳の監修が田村隆一)。 感想エリットの詩は何かとかっこつけたちが引用するので、一通り読んでおきたいのだけれど、読むと自分もやっぱり引用して格好つけたくなる。しかし問題は、エリットの詩自体が多くの引用からなっていて、その引用もとをざ

          35/1,000冊目 トーマス・スターンズ・エリオット(著) 『荒地』

          34/1,000冊目 太宰 治(著) 『走れメロス』

          太宰 治(著) 『走れメロス』太宰治の短編集。1940年(31歳)に『新潮』に初出。 処刑されるのを承知の上で友情を守ったメロスが、人の心を信じられない王に信頼することの尊さを悟らせる物語。 基になった伝承とその系譜作品の最後に「古伝説とシルレルの詩から」と記述され、古代ギリシアの伝承とドイツの「シルレル」、すなわちフリードリヒ・フォン・シラーの詩を基に創作したことが明らかにされています。 『走れメロス』のもとになった伝承は、杉田英明(日本の中東地域文化研究者、比較文化学

          34/1,000冊目 太宰 治(著) 『走れメロス』

          33/1,000冊目 養老孟司(著) 『「自分」の壁』

          養老孟司(著) 『「自分」の壁』 『「自分」の壁』感想近所に博識で話のおもしろい年配さんがいらっしゃったら、ときどきお土産をもって伺って、縁側で話を伺えたら良いのに、という願いを手軽に叶えてくれるのが、養老孟司さんの本です。わたしにとって。 養老さんの本は、読むとなんとなく思考のバランスが取れる気がします。思考というのは知らず知らずに偏ってくるもので、潮にゆっくり流されるように気がつくと居たつもりでいるところに居ないことがあります。そんなといに灯台のように相対性を与えてく

          33/1,000冊目 養老孟司(著) 『「自分」の壁』

          32/1,000冊目 ウィリアム シェイクスピ(著) 『あらし(テンペスト)』

          ウィリアム シェイクスピ(著) 『あらし(テンペスト)』 『あらし(テンペスト)』『テンペスト』(The Tempest)は、英国の劇作家ウィリアム・シェイクスピア作の戯曲。「テンペスト」は「嵐」という意味。シェイクスピア単独の執筆としては最後の作品。シェイクスピアの作品中『夏の夜の夢』の次に短い作品。 シェイクスピアが書いた中でも人気の高い作品で、2012年のロンドン・オリンピック開会式では、物語の舞台となる魔法の島を模したセットで作品の一部が朗読された。 1611年

          32/1,000冊目 ウィリアム シェイクスピ(著) 『あらし(テンペスト)』