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あなたが今年印象に残った一冊は?ライティングを学ぶsentenceメンバーが選んだ「 #今年の一冊 」20選

12月中旬、ライティングコミュニティsentenceでは忘年会を開催しました。その時のテーマが、「 #今年の一冊 」を持ち寄り紹介すること。一冊に絞りきれないメンバーもいる中で、このテーマだけで3時間が過ぎるほど盛り上がりました。

せっかくなので、sentenceメンバーの「 #今年の一冊 」をテキストにまとめ、noteで紹介させてもらいます!

sentenceを運営する編集デザインファーム「inquire」メンバーの「 #今年の一冊 」もあわせてチェックしてみてください。

【保存版】Web時代のライター・編集者らが選ぶ「 #今年の一冊 」9選

sentenceメンバーが選ぶ、今年の一冊

ますぶちみなこさん(@masco

・過去に書いた記事
その苦しみに、ひとつ角砂糖を
「愛して欲しかった」って言ってもいいんだよ 

・プロフィール
フリーのなめらかクリエイター

コンビニ人間

・選定理由や感想
「普通とは?」という答えの難しい問いをフィクションの世界でリアリティたっぷりに描いている作品です。淡々とした文体なのに、読んでいると鳥肌が立ち、手が震えるくらい身体感覚に訴えてくる表現力に引き込まれます。

さちこさん

・過去に書いた記事
▶note:https://note.mu/sachi_0820

往復書簡 初恋と不倫

殺さない彼と死なない彼女

・選定理由や感想
どちらも登場人物の関係性とセリフの掛け合わせが絶妙。余計な描写がなくシンプルに淡々と進むけれど、だからこその厳選された言葉たちが心に響いてやみません。

Issey Ukaiさん

四月になれば彼女は

・選定理由や感想
今年と言えば『君の名は』のヒットが記憶鮮やかです。本作は『君の名は』のプロデューサー・川村元気さんの著書になります。脚本部分へも彼の緻密なアプローチがあったらしいですが、『君の名は』がA面なら本書はB面として楽しめると思います。ヒットメーカーの側面みたいな部分が個人的には旨みですね。

SHOE DOG

ドキュメンタリー系のサクセスストーリーもトレンドだったと思うのですが、本作は文章の感じ、構成にひとクセがあり、楽しめる感じがします。話自体も最近多いスタートアップ系とは違った歴史やビジョンにフォーカスしたクラシックな企業ストーリーです。スニーカー好き、ナイキ好きは堪らないはずです!

鈴木健一さん(@suk

なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。

インベスターZ(6)

・選定理由や感想
事業の成功は勝ち負けだけではないという視点を与えてくれた2冊。同じ目的を持つ組織同士であれば競争ではなく共創していけるし、自分より上手く出来る人がいるなら一緒にやればいいのではという気付きに繋がった。

キングダム 46

事業に対する制約と捉えられがちな「法」というものの起源を知れた1冊。対象を変えると、「契約」と呼ばれているものも、「こうあってほしい」という当事者同士の願いを言語化する媒体と捉えられるなという気付きを得られた。

カレンさん

・過去に書いた記事
ことばあつめ

裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち

・選定理由や感想
沖縄の教育学者の方が、非行少女やDV被害者の方にインタビューする本なのですが、「立場の違う相手を否定せずに、ただ話を聴く」ということを徹底されていて尊敬の念を抱きました。ポジティブすぎずネガティブすぎず、生活感があるのに小説のような本だなあと思いました。

田辺元さん(@hajime_tnb

・過去に書いた記事
Medium
コンサルタントに価値はあるのか?を問いかけられた話
日本の大企業は、消費者の実態にもっと目を向けるべきかもしれない

・プロフィール
外資系コンサルタント / 東京大学大学院卒。教育が好きです。NPO法人PIECESの理事もしています。

仕事は楽しいかね?

反脆弱性――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

・選定理由や感想
新しいことに挑戦するというのは楽しいこともある反面、とてもエネルギーがいる上に思ったような結果が出ないことも多く、たまに挫けそうになることもあります。個人的な話になりますが、私にとっての2017年は、これまで全くやったことのなかったような数多くのチャレンジをした年でした。そんな中で挫けそうになったとき、自らを奮い立たせる原動力となったのが今回挙げた2冊です!

2冊ともに一言で言ってしまえば「新しいことに挑戦し続ける(不確実性を作り出し続ける)重要性」を述べた本ですが、1冊目はストーリー仕立てで平易な言葉で、2冊目は若干数学的な概念を使いながら難しめな言葉で書かれています。

中身についてはここでは深く触れませんが、興味がある方は是非読んでみてくださると嬉しいです。特に、新しいことに挑戦していて挫けそうな人や、何かやってみたいけれども一歩踏み出せずにいる方にオススメです!

廣瀬翼(つー)さん(@wingYORK930

・過去に書いた記事
ライター職ではない私がsentenceゼミを選んで見えたもの――前半4回をたどる
soarにもらった、安心感とつながり。だから私も、一緒に育みたい #soar応援

・プロフィール
食物アレルギー対応旅行サポートのQOLトラベルにて、支援員・企業アドバイザー・情報発信 / コンテンツディレクターとしても活動中

「なぜ人は生まれ、死んでいくのでしょうか」著者である大学教諭の元に現れた一人の学生。親友の死に、深い悲しみと葛藤を抱いて生きる意味を見失った彼の疑問は、現代に生きる私たちの声でもあるように感じました。2人の交流を通して紡がれる喪失と再生の物語は、私たちの悩みや不安も照らしてくれます。

「言葉にできる」は武器になる

テクニックで綺麗な服を着せたって、中身が詰まっていなければ意味がない。でも、その考えを深めたり、それを人に見せるものに仕上げたりする方法がわからない。そんな私のモヤモヤを解消してくれた一冊です。

ぜひ、手に取って読むだけでなく、紹介されている思考法を一度試してみてください。やってみると、思っている以上に難しく自分が理解していないことに気がつき、何度か繰り返すと思考法が癖づいてくることが体感できると思います。

そして、その思考法を持って、街を彩る広告やコピー、様々な企画を「どういった思考・切り口で企画されたんだろう?」と見て歩いてみてください。きっと、世界がさらに広くいろんな想いや工夫で溢れているように感じられて楽しくなってきますよ。

運営メンバーの「 #今年の一冊 」も紹介!

モリジュンヤ(@JUNYAmori

・プロフィール
inquire CEO / UNLEASH 編集長 / soar 副代表 / IDENTITY 共同代表 / AMP 共同編集長

言葉の贈り物

ウェルビーイングの設計論

随想家の若松英輔さんのことを知ることができたのは、今年の大きな収穫でした。言葉で、ここまで豊かに表現ができるのかと、自らの活動の可能性の大きさを感じることができました。

「ウェルビーイング」という考え方と触れ合ったことも、今年の大きな収穫です。身体的、精神的、社会的にどうすればより良い状態になることができるのか。これは自分がこれまで活動してきたテーマに共通することでもあります。

若松さんとウェルビーイング、2つと出会ったということでこの2冊です。

最所あさみ(@qzqrnln

・過去に書いた記事:
▶︎note:https://note.mu/qzqrnl
▶︎メディアのルールは変わった。今のプライドを捨てる勇気はあるか?
▶︎アットコスメ「交流させないコミュニティ」が持つ真の威力
▶︎“See now, Buy now”のその先へ。Amazonのパリコレ参入が変えるファッションショーの未来

氷川清話

学生との対話

・選定理由や感想
今年にはいってから「心の師」として出会った勝海舟・小林秀雄の2人の著書。どちらも談話・対話形式なので読みやすく、金言がまとまっているので、決断に迷うたびに読み返している作品です。

岡田弘太郎(@ktrokd

・過去に書いた記事
▶︎note:https://note.mu/ktr_okd
▶︎身近な「ルール」を自覚し、柔軟に解釈することから変革は始まる——法律家・水野祐
▶︎イーサリアムを生んだ23歳の天才が語る、ブロックチェーンのこれからと「分散の力」
▶︎渋谷で生まれたネットレーベルが全国・海外に進出、SXSW出演に至るまで--「TREKKIE TRAX」流のブランディング論

・プロフィール
1994年生まれの編集者・DJ。ミレニアル世代向けビジネスメディア『AMP』や『Unleash』で編集を担当。音楽ビジネス誌『gig』編集長。

『Airbnb Story』

・選定理由や感想
『Airbnb Story』を筆頭に、『20 Under 20』や『NYの「食べる」を支える人々』など、新たな挑戦のために一歩踏み出す人々を取り上げたノンフィクションストーリーをよく読んだ1年でした。

その中でも気に入った一冊が『Airbnb Story』です。3人の創業メンバーだけではなく、様々なステークホルダーに取材し、Airbnbの物語を多角的に捉えていること。美しい成長ストーリーだけではなく、Airbnbが遭遇した様々な困難も記録されていること。この2つが物語に深みを与えているように感じました。「Airbnbは文化を大切にしながら、いかに3兆円企業まで成長したのか」その歩みに学べることは多くあるはずです。

『ウォークス 歩くことの精神史』

年末年始の課題図書として読み進めている一冊。「歩く」という行為が、いかにして人間の思考や文化、社会のあり方に繋がっているのかを語った、約500ページに渡る重厚なストーリーです。

古今東西の様々な事例が飛び出してくれる本書を読んでいると、「歩く」という身近な行為からここまで話を広げられるのかと、驚きます。個人的にも、歩くことや移動することの意味について考えることが多く、1年間の統括として様々な示唆を与えてくれる一冊になりそうです。

小山和之(@kkzyk

・過去に書いた記事
体験を発信することには、受け手の人生を変えられる可能性がある——MATCHA 青木優

・プロフィール
編集者・ディレクター。1989年生まれ。大学卒業後、建築の意匠設計事務所、デザイン会社を経て現職。

3行しか書けない人のための文章教室

・選定理由や感想
今年一年、AMPでのTALK記事やsoarなど、情景を思い浮かべさせるような表現をする文章に挑戦する機会が多かったです。その表現力を磨く上で良かったのが『3行しか書けない人のための文章教室』でした。

タイトルとか想定読者は「文章全然書けないよー」って人なんですが、文章書ける人ほどこれは必読。具体例や手法論も多いので実践しやすく、サクッと読み進められます。

いわゆる「エモ」な文章を書くのが苦手な方。または、もっと引き込ませる文章を書きたい方は是非ご一読を!

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以上、sentenceの会員と運営メンバーによる2017年「 #今年の一冊 」でした! 気になる本があったら、ぜひ年末年始の休みの間に手にとってみてくださいね。

sentence」は、ライティングを学びたい人に機会と知識、つながりを提供するコミュニティです。オンラインコミュニティでのニュースのシェアや、記事へのフィードバックの実施、オフラインの場での勉強会や読書会を定期開催しています。興味がある方はこちらから詳細をチェックしてみてください。

sentenceを運営する編集デザインチーム「inquire」メンバーの「 #今年の一冊 」もあわせてどうぞ。


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