「犬も食わない」尾崎世界観/千早茜
尾崎世界観の本ばっかり読んでんじゃないわよ、これでもう3冊目じゃないの、と思いながら、また本屋さんで尾崎の本を手に取ってしまった。そして、数年前に別れた元彼のインスタをわざわざDMの履歴から探してきて眺めているときのような罪悪感にも似た気持ちで今これを書いている。私だって、なんだってそんなに偏向的なんだと自分自身で思っている。いつもお昼ご飯を食べるときは、同じ定食屋で同じメニューしか頼めない。狂ったように朝井リョウの小説を片っ端から読み漁った時期もあったし、それが湊かなえで