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2つの全体主義

この度のウクライナ侵攻を見て、ソ連の歴史に興味を持ったので色々調べてみた(ほぼwikiの知識なので正確性は保証出来ないけど)。

時は第二次世界大戦に遡る。
当時の国際派閥は英仏等の伝統的帝国主義軍と、日独等の後進的帝国主義軍、ソ連の共産帝国主義軍の3つに分かれていた(以下、長ったらしいので「伝統派」「後進派」「共産派」とする)。
伝統派は経済的自由主義×民主主義で、資本主義の内部でなら左翼的活動も認める形を取る。後進派も伝統派を目指していたが、国として成立するのが遅かったので、手っ取り早く国民を纏めて他国からの侵略を防ぐために全体主義体制を取り入れていく。経済的自由主義×全体主義。
共産派はもちろん共産主義×全体主義で、これは元々マルクス思想を実現した国家体制なので、伝統派の中から生まれた極左がユートピアを求めて作った国と言える。だから欧米かーの左翼知識人達は彼らに同情的なのだ。

第二次大戦はこれらの3派閥のイデオロギー闘争だったといえる。
伝統派と共産派が手を組んだ「連合国」と後進派の「枢軸国」で争い、連合国が勝ち、後進派の全体主義は絶対悪として封じ込められた。
だけど共産派も全体主義であることに変わりはないので、それを封じたいアメリカとの冷戦につながっていく。

英語で「全体主義」という言葉は2つ訳語がある。「fascism」と「totalitarianism」で、これはナチスのファシズムと、ソ連の全体主義を分ける為に作られたのかもしれない。
共産主義国というのは、ヨーロッパの左翼知識人達が「ヒエラルキーの無い、完全に平等な社会を創る」という無理のある理想主義の為に作った実験国家のようなものだ。
しかし、人間に差異と感性がある限り必然的にヒエラルキーは出来ていく訳で、それを平等にするには栄えた上層階級の首を斬り落として、格差を人工的に「平す」しか無い訳だ。上層だけでなくもちろん平民も餓死するまで搾り取られる。だから共産主義政権下では粛正や強制収容、拷問により多数の犠牲者が出て、その数は6000万人に上るとも言われている。それナチス以上じゃないの。

「ナチス」「ヒトラー」と言えば政治悪の代名詞となっているが、それは敗戦国だったからより強く責められただけで、もしソ連が負けていたら、今の政治悪は「スターリン」となっていたかもしれない。
戦勝国となったアメリカやイギリスの中にも左翼知識人達がいて、彼らが社民党的な「資本主義内での」再分配や福祉拡充を目指す分には危険は無いだろうけど、「反資本主義」とか最近また言い出してきて、恐ろしいことこの上ないね。
彼らがナチスを右翼やキリスト教のせいにして責めたがるのも、同じ全体主義だった共産主義や左翼に目が向かないようにするための工作ではないかと思う。
戦勝国の中にも、左翼の中にも全体主義が潜んでいることは忘れてはいけない。

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