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一目惚れは滅多にない

一目で気に入ったら手に入れろ。
その場で手に入れろ。
一瞬で心を奪われることなんて人生そうはない。
頭から離れないならすぐに戻れ。
あとで絶対に後悔するから。
と子供達には言い続けている。

故人ブルース・リーも言っている。
「考えるな。感じろ」と。
feeling大事。

先日、買い物先で「(夫と息子に)よさそうな服ないかなー」と思いながら見ていた時に目に留まった一点。
あたたかそうな、柔らかい素材の落ち着いた紫色のセーターだった。
サイズを確認すると、そこにあるのはもうMのみで、大きめのMだけれど夫には小さいだろう。
19才の息子が着る雰囲気のものでもない。
「ふーむ……残念……すごく素敵なのに。この色。この形、好きなんだけどな(私が)。しかもセールよ。誰か着られないかな」
サイズ無し、とその場を離れたが、諦めきれずまた戻り再び手にとった。
やっぱりMサイズか……。
それにしてもいいなーこれ。好きだなー。鏡を見ながら自分にあててみた。
おーいいかも。ざっくり着ればサイズも大丈夫かも。買っちゃおう。私が着よう。テンション爆上がり。セールだし絶対に買うべしと心の声が言っている。
結局、夫と息子用には気に入ったものがなくて、自分にそのセーターを買って帰った。夫と息子、あなた達の服を買うつもりが、なぜか私のだけ買いました。また探すからね。

帰途でもウキウキ。嬉しいな。
この感覚は、本当に好きなものとか気に入ったものを手に入れた時のものだ。そういうのって滅多にない。そして買わなかったらとても後悔するのだ。あとで「やっぱり買おう」と思い、別の日にその店に行ってみても、既に売れてしまっていてなかったり。そして「ショック……」となる。
〝一目ぼれ〟することなんて多くない。探している時は出会えない。
心奪われる瞬間は思いがけない時に降って来る。物でも人でもね。
今回も、買って良かったと心底思っている。

昨年、興味があり、やってみたいことがあった。
お知らせがきた時に、やりたい! と思った。
でも、その頃の私はとても忙しくて、時間もだけど精神的に余裕がなくて、しかも料金も高めで、散々考えた末に見送った。
そして今、後悔している。どうしてやらなかったんだ、昨年の私。
一年たてば、資金のことも精神的に余裕がなかったことも、なんとかなったのではないのかとさえ思う。昨年の事情など忘れちゃうのだ。
そして「やりたかった」という気持ちだけが強く残っている。
やはり、やりたいことは「その時に」やった方がいい。

家でゴロゴロしていた息子に、買ったセーターを着て見せた。
「見てこれ、セールだったんだよ。めっちゃよくない? 
 メンズで大き目なんだけどいいでしょ」
「いいんじゃね」
「いいでしょー。気に入ってるんだよねー」
「よかったね」
やはり渋くて息子の好みではなかった。反応が薄い。でもそれでいい。
「えっ、それいいね。オレも着られるかな、ちょっと着させて」
とか言われたら複雑な気持ちだ。息子とシェアしたくないもんね。

ルンルン気分でセーターを脱ぎながら息子との会話は続く。
「いや、お母さん」と微妙な笑い顔。
「あっ、なんだ。その年で萌え袖はないでしょと思ったよ」
と息子が言った。

しないし。萌え袖しないし。袖延びるし。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日も幸せな一日でありますように!

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