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読書のハードルが下がる一冊     書評ブログVol.36

あなたは最近何か本を読みましたか?

そう聞かれてドキッとしたあなた。
もしくは、本はたくさん読むけれど人から何かおススメの本を紹介してと言われても思い浮かばず、あんなにたくさん読んでいるのにとショックを受けたあなた。

今回ご紹介するのは普段から本を全く読まない人や、たくさん読んではいるけれど内容を思い出せないといった、読書に対して壁を感じている人にその壁を取り払ってくれるような一冊をご紹介します。

『頭がいい人の読書術』尾藤克之 (すばる舎)  です。

読書に対する壁とは

駅のホームで電車待ちをしていたある日、ふと周りを見渡すとほぼ9割近くの人が手元のスマホを見ているので頭を垂れた状態は異様な光景でした。その中で、かろうじて本を読んでいるのは数人程度。

   18歳~34歳は、3時間23分
   50歳以上は、 3時間14分  

何の数字だと思いますか?こちらの本に書いてあって意外性にびっくりしたのですが、これは1日のスマートフォン一人当たりの利用時間だそうです。

若者は想像がつきますが、意外と中年以降の方もスマホを利用していることが分かります。たったの9分差、ですものね。

本を読む時間がたっぷりあると人生は豊かになる

活字中毒な私からすると、1年に1冊読むか読まないかといったような読書を全くしないなんてことは考えられないのですが、本を読まない人にとって本が嫌いな理由はこういうことかなと私なりに考えてみました。

*ひとりで黙々と読むという消極的なイメージ
*何を読んだらいいかわからない
*1冊読むのに時間がかかるから面倒くさい

といったところでしょうか。これらの暗なイメージを壊してくれるようなアドバイスが本には書かれています。

読書のイメージを壊そう!

【ひとりで黙々と読むという消極的なイメージ】
本では ≪読書会≫ に参加することをおススメしています。
読書会に継続的に参加して意見を発表したり、参加者の意見を聞くことで得られるのは次の3つだそうです。

  「コミュニケーション能力」「会話力」「情報発信力」

わたしも読書会に参加したことはありますが、読んだことのない本に出合えるのは勿論のこと、自分が読んだことのある本に対してほかの人の意見が聞けるというのはメチャメチャ勉強になるんです。

【何を読んだらいいかわからない】
これに関して著者の尾藤さんは、最初はごくごく薄い本から挑戦してみるのも手だといっておられます。そして普段から本を読んでいる人に対しては次の3つを上げてくださっています。

・自分が本を読んで何を得たいのか?を明確化して本を選ぶ
・原書を読む
・ほかの人が読まないような本を選ぶ…みんなと同じ発想にならないため

こんな読み方もあるんだって目からうろこ⁉

【1冊読むのに時間がかかるから面倒くさい】
私がこの本を読んで一番びっくりして、そして参考になったのが次の3つの本の読み方です。

①1/3リーディング
ページの1/3しか読まない。それである程度何が書かれているか理解可能。
これは「タイポグリセミア現象」(造語)と呼ばれるもので、人は単語の最初と最後の文字が正しいものになっていれば途中の文字が入れ替わっていても理解OKだというもの。
本書の72ページの例を読んでみてほしいのですが、もう、ビックリ!
じっくり読むと単語がメチャメチャなんですが、何が書いてあるか理解できるんです。これじゃあ、一語一句読まなくても大丈夫だなと、納得。

②音読しない
読んでいるときに心の中で声を出してる感じで読むとそれだけ読むスピードが落ちるとのこと。確かに音読してます、わたし。
慣れるまで時間かかりそうですけど、やってみよう…。

③パレードの法則
2割読めば残りの8割の情報が分かるというもの。
なので、①の方法と併用すれば本に書かれている重要な2割を見つけることができる。

これら3つの読書術をマスターすれば1冊なんてサクッと読めてしまいそうです!

まとめ

私はこれまで、「せっかく買ったんだから一字一句もれなく読まなくちゃ」とか、「飛ばし読みして、その部分に大切なことが書かれてたらどうしよう」などと思ってしまってました。

本は何を読むかより、何を読まないかが9割

次から次へと読みたい本が出てくる私には、2割のとっても重要なものに出会うためにこの本に書かれている読書術を取り入れなきゃと思わせてくれました。

それから、本が大、大、大好きな私が、「そうそう、だから本が好きなんです!!」と、うれしくなった一文をご紹介して最後にしたいと思います。

本には、ページの質感や紙の匂い、重みなど、様々な五感を通じる楽しみがある。

そうなんですよね~。本を手にした時のどっしりとした重み、それからインクの匂い。この本に私の知らないどんなことが書かれているんだろうと思うとワクワクしてきます。そして、買っただけでなんだか賢くなった気もしたりして…笑

お読みいただき、ありがとうございました。

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