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三井寿ばりにあきらめの悪い男を目指したい

「経営者になりたい!」という思いを胸に日々頑張っていますが、普通に生きていると色々な企業の社長に会って日々学べる機会なんてものは少ないもので。

なので、私にとって本を読むことはその代替手段なのです。自分の経験と、色んな業界の人の経験を照らし合わせながら、学びを吸収しつつ、やる気を注入しております。

今回読んだ本は、BCGからドリームインキュベータ代表取締役になった古谷昇さんの「もっと早く、もっと楽しく、仕事の成果をあげる法 知恵がどんどん湧く「戦略的思考力」を身につけよ」という本。

数百人の企業トップと会いながら仕事をしてきた中での観点から来る視座は出色で、色々と学びになる本です。中でも、そのとおりだなあ、と思わされたのは下記の部分。

経営者は、目のつけどころ、ものの見方が、他の経営陣とは明らかに違っている。よくいわれるような、社長は全社的にものを見るというのともまた別で、経営者独特の視点があるのだ。

読者のみなさんも、この視点を身につけることによって、人より早く経営者になれるかもしれないし、難しい課題設定もうまくできるようになるかもしれない。

経営者の役割は何かというと、一般には「決断」であるとされている。これは最終的には正しい。しかし、経営者の役割は他にもいろいろある。たとえば、起きてしまった矛盾を解決するというのも、決断に負けないくらい重要な役割だ。これとこれはそもそも両立しないがともに大切だとか、トレードオフが必要だと二者択一を迫られたりしたときなどに、これをどううまくさばくかで経営者の手腕が問われることになる。

そんなとき、どうやら経営者というのは、①腹をくくる(決断する)②抜け道を探すこのどちらか、もしくは両方を考えるものらしい。

①のほうはわかりやすい。これは要するに、下の者に「どちらかに決めてくれ」といわれて、エイヤッと決めることである。最終的に経営者のところまで上がってくることは、わからないこと、下では処理できなかったことばかりだ。ロジックで決まることなら何も経営者に決断をゆだねる必要はなく、承認をもらえばそれですむ。わからないから決めてくれといわれて、経営者もわからないけれど、とにかく右か左か決めないといけない。決めなきゃ会社が動かないので、結果として決断を誤ったときの最悪のシナリオも覚悟したうえで、腹をくくって「右だ」「左だ」と決断を下す。こちらは、わりとよく経営書に出てくる話だ。

しかし②のほうは、経営者に独特の思考パターンなのだが、なぜかあまり指摘されることがない。私が見たところ、経営者は腹をくくるのと同時並行して、常に抜け道を探しているようなところがある。

(中略)

経営者たちのこの目のつけどころ、したたかさ、ズルさを早いうちから身につけられたら、経営者にもなれるし経営コンサルタントもできる。たぶん何のビジネスをやっても成功できるはずである。

この抜け道を探す考え方ができるかできないかで、仕事で大きい成果が出せるかが決まる、というのは日々仕事をしていてよく思います。

特に、今やっているマーケティングのお仕事のように、いろいろな部門と相対して仕事をする場合には、必須のスキルと言えるでしょう。

なぜならば、それぞれの部門の人々のインセンティブが異なるなかで、やりたいことを実現しないといけないからです。

例えば、マーケティングの部門の人が「この新商品を3ヶ月早めて出したい」、と思って、生産の人にお願いをしたとします。マーケティングの人は売上と利益を追っているから、めっちゃいい製品だったら早めたくなりますよね。

しかし、生産の人は売上責任とは別の、例えばミスなく事故なく生産をすることを第一の目標に追っていたりするので、「3ヶ月早めることは難しいですね」という回答に行き着きやすくなります。

なので、ここで大事なのが、この抜け道を探す考え方。なんで3ヶ月早めるのが難しいのか、どこのボトルネックをどうやって解消したら早まるのか、何かに妥協したら早められるのか…ということを掘り下げていって、専門外のところに首を突っ込んで諦め悪く抜け道を見つけられるかどうかが、大きく成果を分ける分水嶺だったりします。(うまくやらないと嫌われますが)

私も、スラムダンクの三井寿のように、諦めの悪い男を目指して、いい経営者になりたいと思います。

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