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ビジネスの日本代表になって、戦おう。

シンガポールに5年ほど住んでいたのですが、かなり快適な生活でした。いろんな理由はありましたが、ひとつは、東南アジア諸国における「日本人に対する好意やリスペクト」というものが根底にあったように思います。

変な差別がないどころか、最初からある程度好感度高く接してきてくれるので、仕事も交友も、非常にやりやすかったことを覚えています。

最初の海外生活の練習の場としては非常によかったとは思いますが、欧米で生活や仕事をするとなると、逆に好感度がマイナスから始めることも増えてくるので、全く違った難易度に違いありません。

今回は、そんなハードモードを乗り越えていったJimmy. O. Yangの「How To American: An Immigrant's Guide To Disappointing Your Parents」という本を読みました。

誰やねん、こいつ、と思う方がほとんどかもですが、「シリコンバレー」というアメリカのドラマで、中国から来たほとんど英語の分からない起業家ジアン・ヤンの役をやっている方です。

本人も、英語が全く喋れない中、香港から13歳でアメリカに渡ってきて、悪戦苦闘してきた方です。アメリカのテレビ番組とヒップホップから英語を学んで、投資会社への就職を蹴って、アメリカでのコメディアンとしての道を歩むことを決断し、苦労に苦労を重ねて「シリコンバレー」で大ブレイク、というかなりユニークな人生を歩んでいます。この本ではその苦労をユーモアたっぷりに書いています。

こちらが彼のスタンダップコメディ。めちゃめちゃ英語うまい…うまくない?

そんな彼ですが、この本の中でも、スタンダップコメディの中でも、「アジア人代表として」ということが繰り返し述べられていました。

例えば、ドラマのオーディションを受けるシーンでも、こう書いてあります。

このオーディションに受かることは、もちろん自分のキャリアに取って大きな転換期になるが、アジア人のコミュニティにとっても大きな一歩になる。プレッシャーがハンパなかった。

コメディの中では、アメリカ人の彼女とセックスをすることに関して、こんな風にも言っています。

荷が重いよ。中国人10億人を背負ってセックスしてる気分だ。代表として、しっかりしたパフォーマンスを見せなければいけない。

コメディなんで面白おかしく言ってますが、非常に真理を捉えていると思います。彼の行動ひとつひとつが、アメリカでのアジア人や中国人のイメージを築き上げ、今後のアジア人や中国人全体の、アメリカでの仕事や生活の難易度に影響を与えるということでしょう。

冒頭で述べたシンガポールで私が享受していた好感度や敬意も同様でして、前の世代の日本人たちが日本代表として、Jimmyのように道を切り開いて苦労しながら築き上げてきたものに他なりません。

そして、それは我々の世代においても同様で、我々一人ひとりが、未開の地に飛び込んでいくことで、次の世代に繋がる道を切り開いていくことができる、ということです。

サッカーやラグビーで日本代表になるのは圧倒的に難しいですが、ビジネス界で日本代表になって、日の丸を背負って戦うのは、いたる所にチャンスが転がっています。そう考えると、ワクワクしませんか?

とりあえず、私は、日本人で達成したことのない「外資系の企業で本社の社長に上り詰めたい」という野望を抱えて頑張っていこうと思います。

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