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「小説を書いていたら小説家だね」とほだされ、世界の片隅で小説、ショートストーリーなどを…

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「小説を書いていたら小説家だね」とほだされ、世界の片隅で小説、ショートストーリーなどを書いています。 神様からの試練で、髪がなくなりました。 この世の生きづらさと向き合う毎日です。 /猫とのくらし/ギター🎸/お酒🍶/見た目問題/見えない・見えにくい/子育て/

マガジン

  • 【ショートストーリー】も書いてみた

    喜び、悲しみ、悩めるとき、そこにはショートストーリーがあったりなかったり🍀

  • 【連載小説】私小説を書いてみた

    自分自身との対話。 人生の切り売り。 私小説とは違う何か。 2番目の作品。

  • 【連載小説】なんの変哲もない短編小説を書いてみた

    どこか近未来。 テーマは「孤独」です。

  • 【読書感想文】も書いてみた

    2020秋。読書感想文はじめました。

  • 【連載小説】純文学を書いてみた

    初めて書いた小説です。僕と白杖ガールの心の交流を描きながら、「生きづらさ」について考えました。 しかしながら、純文学ではないような……

最近の記事

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素人がステイホームで人生初めての純文学を書いてみた結果、自分と向き合い生きることを描いた「僕」からむしろ教わった話 ~あとがきにあらすじを添えて~

 全16回に分け、ひとつの物語を書き終えることができました。人生最初の私のつたない小説を読んでいただいた方々、発表の場、プラットホームを与えてくれたnoteさんに感謝です。読みにくさもたくさんあったと思いますが、本当にありがとうございました。  10年くらい前から構想だけはしていました。母親を失ったことに何の感情も持てなかった主人公「僕」が、白杖ガールの「彩」と出会い、彼女との対話や交流を通して、視覚障害のある父親とそれを支えたであろう母親のことを想起し、受容し、成長してい

    • もったいにゃい

      東京にあるサンキューマートさんは、各商品の破格の安さで来客が絶えないそうだ。その秘密は、賞味期限近く、また賞味期限切れの商品を取り扱っているから。 日本人の食品ロスは深刻で、ここ数年減少傾向にあるらしいが、1年間に推定で570万トンともいわれている。 例えると日本の全国民が、毎日お茶碗一杯分を捨てている計算になるそうだ。 なんて、もったいにゃい!! 賞味期限切れでも美味しく食べられるものは多い。そのあたりの関心もあり、こんな動画を作ってみた。 【食品ロスをなくそう】

      • にゃんてこった

        どうやら、毛のなくなった話よりもネコちゃんの話がみんな好きらしい。 そりゃあ、そうである。 保護猫と暮らしながら感じたことをなんとなく書いていこうと思う。 ペットを飼うということ命を預かるわけだから、朝の健康チェックは欠かせない。お顔、毛、ヒゲ、シッポ、おケツ、全てから我が猫の体調を察していく。 そして、ご飯と水分の確認。トイレの掃除。 ねこは散歩がないけれど、朝のルーティンは大変だ。 お金もかかる。 ご飯代、猫砂代… あれ?こんなもんかな? 初期費用はいろいろかか

        • 保護ネコとの出会い

          あれは、太陽がたっぷり南中した昼下り。 僕らは、或るお寺の前にいた。 ローカル線の駅に近いこともあって、割と人通りがある開けた交差点から一筋だけ入った場所にあるそのお寺は、住宅街にはおよそにつかない山門がある。 そのすぐ隣に、保護猫団体が、飼い主を探していますと看板を立てていた。 我が家族はそんな看板に吸い寄せられるように、敷居をまたいだ。 なかでは何匹も保護猫が、かごみたいな仕切りにに入って、いろんな表情をしていた気がする。 長男が、一匹のキジトラ柄のねこをずっと

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        • 【ショートストーリー】も書いてみた
          39本
        • 【連載小説】私小説を書いてみた
          19本
        • 【連載小説】なんの変哲もない短編小説を書いてみた
          8本
        • 【読書感想文】も書いてみた
          2本
        • 【連載小説】純文学を書いてみた
          17本

        記事

          【呟き】もしも、全身の毛が無くなったら[後半]

          豆苗は永久機関なのか。 脱毛は永久脱毛なのか。 そのくらい、根は深い。 さて今晩は昨夜の続きを呟いていこう。 毛が無くなって困ったこと ①よく風邪をひく 毛は大切なる身体の一部。まつ毛、鼻毛、外部から異物をシャットアウトしてくれる。 はずのものがなく、また髪がないから季節の変わり目は要注意だ。 ②髪型が変えられない ウィッグという手ならある。 ③おしゃれな髭に憧れる ヒゲがないのは楽だが、スキンヘッドに髭という定番スタイルが難しい。つけ髭なら可能。 ④慣れるまで恥ずかしい

          【呟き】もしも、全身の毛が無くなったら[後半]

          【呟き】もしも、全身の毛がなくなったら[前編]

          最近は「脱毛」の広告をよく見かけるようになった。大人に限らず子どもだって脱毛したいなんて言い出す時代なんだと、Yahooニュースで驚きを得る。 男女問わず、概して毛というものはいらない存在のようだ。ただ、頭の毛ほうはいつまでも若々しい艷やかな髪の毛が望まれる。別格だ。 「すね毛がほしいです」 「胸毛はやしたいです」 と言ったら、たいていは相手を返答に困らせる。 「鼻毛が長かったらいいなぁ」 「まつ毛が長かったらいいなぁ」 この違いがすごい。 髭くらいなら割と良いのかも

          【呟き】もしも、全身の毛がなくなったら[前編]

          【呟く】振り返ればネコがいる

           台風だったけ。  気圧の変化も何のその。  うちのねこは高いところからヒトを眺めているわけである。  もしも、ねこに生まれ変わるなら、イエネコ?ノラネコ?ドラネコ?  そりゃあ、イエネコだろう。  だって、まず安全だし、何より食べ物に困らない。ちゅ~るだってあるかもしれない。  でも、外ばかり眺めるうちのイエネコを見ると、広い広い世界に憧れながら、大きな枠のなかでなんとなく不自由に生きる世界を感じる。  自分の知らない世界があって、なんとなく果てない空と、遠く見える山の緑色

          【呟く】振り返ればネコがいる

          【ショートストーリー】43「賽の目」

          六角の鉛筆の上の方を削って1から6まで数字を書いた。小学生ではソレは双六に使われたり、単純に出目の大小を争ったりした。そのうち7から12までの目ができたり、極端なヤツは100万っていう途方もない数を鉛筆の側面に書き込んでいたっけ。 中学生になって、ソレはテストの時に運を試す道具だった。選択肢を睨みながら自分の法則のなかにソレを投げ入れた。運がいいとか悪いとかではなくて、そんな小さな所作で運命に抗っているような浮遊感と冷めたあの子の眼が綺麗だったことを思い出す。 高校になっ

          【ショートストーリー】43「賽の目」

          【ショートストーリー】42 あの日君の髪がなくなった時、話したことを君は覚えているか

          「嘘みたいな本当の話なんだけどね。髪の毛全部無くなっちゃった」 息子に電話でそう言われ、虚を突かれた。 「なんでそうなった?なんの病気だ?病院には行ったのか?」 予想をはるかに違えたその内容に、私は耳と自分の頭を疑った。 「行ったよ」 息子の声は小さく、少し震えているような声だった。 「それで、なんて?」 「原因は、分からないって。ただ、ストレスが関係あるかもしれない、と」 整理ができない中でも、半年前のことが頭をよぎった。彼が採用試験になかなか受からないことを

          【ショートストーリー】42 あの日君の髪がなくなった時、話したことを君は覚えているか

          さぁ、noteはじめましょうか

          外に出れば、真夏の日差しは肌を刺すように照りつけていた。テレビをつければ、連日連夜、東京オリンピックの中継や特集。割って入る感染者数。酔ってしまいそうだった。 秋の風が心地よいと気がついた頃には、マスクなんて外せない日本人を、ワールドシリーズを待ち焦がれるアメリカ人が驚きをもって見つめた。 この間、何があったんだろう? ぼくが宇宙から帰ってきたらそうつぶやくだろう。 情報に埋もれた期待と不安とフラストレーションが、まるでカクテルみたいに混ざり合い、陰鬱とも爽やかとも形容

          さぁ、noteはじめましょうか

          【ショートストーリー】37 ロングロングアゴー

          だいたい人間の記憶なんてものは曖昧だと思うよ。過去を美化したり、懐古的になって感傷に浸ってみたり、ろくなことはない。え?じゃあ、過去を振り返らないのかだって?そうなだな、ぼくからしてみればいつだって今が最高だと言っていたいよ。でも、どちらかといえば過去が最低だったと言ったほうが楽なのかな。 一番古い記憶ってキミはなんだい?ぼくはふたつあってね。ひとつは暗闇の中に光る自動車のヘッドライトを窓の外から見る記憶なんだ。まだ年長の頃かな?親が仕事の関係でぼくと1歳の弟を残して夜いつ

          【ショートストーリー】37 ロングロングアゴー

          朝起きたら息子がコンロで火をつけていた話

          寝起きと酒酔いは人の判断や認知を鈍らせる。 そんな条件下で、殊有り得ないような光景に本能的な行動をとるし、感情すら揺れていくから困ったもんだ。 でも正直な気持ちはそこにあるのかもしれないけれど…… リビングの西側、三畳の畳スペースで私は眠っていた。 はじめは夢の片隅で聞こえた熱せられた油が跳ねる音だった。そう、まだ珍しい夢だと思っていた。 昨日は確か……また1人リビングで第三のビールを飲んだ。冷凍パスタをお世辞にも綺麗とはいえない食べ方で酒のつまみにしていた。ニセビール

          朝起きたら息子がコンロで火をつけていた話

          【ショートストーリー】40 君へ

          雨が降れば世界が1.5倍繊細に見えた。 聴こえたと言ったほうが正しいかもしれない。鉄の塊が通り過ぎる音の輪郭はいつもより尖っている。雨の音がそれぞれの音に妙な奥行きをもたせた。 足元はどうだろうか。濡れたスニーカーから確実にしみ込んだ雨水をつま先で感じ、けっして気持ちのいいものでないのに、足裏で感じる地面の傾斜と、溝ぶたのなんとも言えない人工的なラインを明瞭な差で感じ取れるのだから不思議だ。 いつもの帰り道は景色を変えていただろう。春の嵐の中に緑の葉は渦を巻いて巻き上が

          【ショートストーリー】40 君へ

          【ショートストーリー】41 なべぶたに口

          フェンスを乗り越え、たんぽぽの綿毛に息を吹きかけるだけで良かった。 でも、楽になれそうな気がしたんだ。 「おい、ちょっと待てよ、おい!」 右腕が焼けたように熱くなった。 痛みじゃない。それは熱のようだった。 大学生かな?そう思った。 「何してんだ、危ねえだろ?」 ぼくは何も考えていなかった。思ったより綿毛が翔ばなくて、その時は何だか体よく全部終われそうな気がして線路にいただけだ。 フェンスの外へ無理やり引っ張り出されたぼくは、さながら糸が解れたマリオネットのようだった

          【ショートストーリー】41 なべぶたに口

          【ショートストーリー】39 等間隔

          「空はこんなに青いのに、いつになったら私たちは外へ遊びに行けるんだろうね」 リコリスキャンディを口に含んだ君がつぶやく。 「例の伝染病が落ち着いたらかな」 ぼくは何となしに答えてみた。 「ねぇ、自由に外出できるならどこに行ってみたい?」 「そりゃあ、観覧車のあるドライブウェイなんか最高」 「うん、うん。私はね、鴨川を歩いて、洒落たカフェでゆっくり紅茶がいいかな」 「そういえば、君がくれた紅茶。フォートナム・メイソンだっけ懐かしいね、伝統の味っていうのかな?」 「よく覚え

          【ショートストーリー】39 等間隔

          【連載小説】なんの変哲もない短編小説を書いてみた3-2

          前回のお話はhttps://note.com/sev0504t/n/n601a36b3f86d  真理の家は住宅街の中にあって路地から奥まった旗竿地に建っていた。暗闇の中で外灯の小さな薄紫色が親和的な光にぼくは見えた。 「お母さんいつも遅いの?」  自転車の鍵をかける真理の背中に語りかけた。 「うん、最近はね、ずっと。新しい彼氏でもできたのかな」  力弱く真理は笑った。冗談を言ったつもりなのだろうがそれはちょっとした確信をはらんでいるように思えた。  以前、真理からキ

          【連載小説】なんの変哲もない短編小説を書いてみた3-2