オカダカズチカはWWEとAEWどちらを選ぶのか

出会いと別れの季節の春を迎える前に、内々に異動の辞令が出る時期でもあります。
これからこの人はここに行って、代わりにこういう人が来ます。こうやって引き継ぎしていきますー
そんな話が私の職場でも行われています。

それが新日本プロレスにも起きました。噂はされていましたが、団体のエースであるオカダカズチカの退団、そして海外移籍が報じられました。
この件については実は海外の業界ニュースでは既に報じられており、一部では話題になっておりましたので、私も「マジかよ!?」ではなく「本当だったんだ」と言うのが感想です。オカダカズチカは36歳。声優・アーティストの三森すずこさんと結婚して一昨年誕生した男の子がおります。
新日本プロレスを退団して向かう先として予想されてるのは海外の団体、WWEとAEWの2つです。
世界最大のプロレス団体であり、昨年世界最大の総合格闘技団体UFCと経営的結びついてさらに安定したWWE、そして世界的大富豪一族のトニーカーンが豊富な資金力で世界のレスラーを集めてるAEW。

オカダカズチカは移籍をするならWWEとAEW、どちらがいいか?そして彼やオスプレイ、タマトンガといったレスラーが去る新日本プロレスはどうなっていくのか?
実に酒のつまみにはピッタリの話題です。今回はそのことを整理し、お気持ち表明したいと思います。

1、両団体の違い

まずどちらの団体に移籍してもメジャーリーグに移籍するプロ野球選手のように、オカダカズチカは大きく収入が上がることになるでしょう。
新日本プロレスのトップ選手の年俸がウン千万と言われてるのに対して、WWEのトップ選手は日本円にして10億という数字です。(プロ野球と新日本プロレスの差と同じように、流石にMLBにはかないませんが)
どちらの団体もテレビ番組を持ち、莫大な放映権を得ていることからできることです。

一方で、WWEがアメリカ全土を飛び回ることになるなど、ある程度居住や移動を制限されることに対して、AEWはテレビの放映拠点が決まっており、契約によってはアメリカに住む必要すらないこともあります。家族のいるオカダにとっては考慮に入るでしょう。

また団体のカラーもかなり違います。WWEはレスラーをスーパースターと呼び、試合をショーとよぶ、プロレスをエンターテイメントとして振りきってる団体。AEWは日本のプロレスにリスペクトを持つトニーカーンが経営するだけあって、プロレスを試合としてスポーツとして扱う傾向があります。WWEは特に英語でプロモーションをする必要があり、オカダの適正がどちらかというのは分かりませんが、AEWは今のままの彼を求めて受け入れるでしょうね。

両団体に在籍するレスラーについては、そこは15歳からレスラーの道を20年してきたオカダ。どちらの団体にも頼れそうな人がいます。
WWEには何より新日の先輩で兄貴分だった中邑真輔、また日本人ならアスカ、カイリ、イオ、戸澤がいます。フィンベイラー(プリンスデヴィット)、AJスタイルズ、グッドブラザーズなど、オカダと新日本プロレスで戦いを繰り広げた外国人レスラーもおります。
AEWはなによりオカダが20代でアメリカに海外修行に行った際に友好を深め、新日にも呼んだヤングバックス。そしてケニー・オメガ、ジェイ・ホワイト、ウィル・オスプレイらかつての好敵手達が彼を待っているでしょう。

そして日本のファンにとってはどちらの団体の方が見やすいか?でいうと、今のところどちらでも見れます。
WWEはABEMAで、AEWは新日本プロレスのサブスク動画配信サービス、ニュージャパンワールドで見れるからです。(AEWは日本語実況がつくまで時間がかかったり、WWEの日本語実況はプロレスファンからあまり評判が良くないらしいという点はありますが)

2、私がオカダはWWEの方が良いという理由

さて以上のように並べてきましたが、「AEWの方が条件的に良さそう」という向きもあると思います。実際今AEWはMJF、ジャングルボーイといった団体で人気の若手が欠場中。オカダはトニーカーン社長に三顧の礼で迎え入れられるでしょう。
しかし私はWWEに行ってほしい、というのが本音です。理由は2つ、1つは目新しさです。
上で書いたとおり、オカダカズチカと激闘を繰り広げたケニー・オメガ、ジェイホワイト、ウィルオスプレイがAEWにはいるわけですが、もう日本で見ましたよね?
オカダカズチカが日本でやり尽くしたという中には当然彼らとの試合も入っており、アメリカのファンには「あのカードがアメリカでも見れる!」という感動があっても、私には(WORLDで昔の見れば良いじゃん)となってしまいますね。
もちろんオカダカズチカとまだ対戦経験のないレスラーもいるにしても、WWEのスーパースターにも同じことが言えるわけです。

2つが団体の大きさで、ひとえに2番手と言っても日本最大手の新日本プロレスとプロレスリングノアないしはドラゴンゲートに差があるように、WWEとAEWにも大きく差があります。
ハリウッドに進出したロック様ことドウェイン・ジョンソンやジョン・シナがリングに戻ってくることもあるのがWWE。
「全くウケずに、声優の奥さんのオタクキャラとかわけわからんことをさせられて、失意のまま2年で退団、帰国」なんて失敗する可能性も、ゼロではありませんが、もしWWEで成功して大人気になったら・・
以前中邑真輔やASUKAはイチローよりよほど全米で有名な日本人だ、なんて話がありましたが、レインメーカーオカダカズチカがアメリカで一番有名な日本人となる可能性だってあるわけです。
いくら条件は近いものが出せたとしても、AEWではそれは無理でしょう。

とはいえ、AEWに移籍し、ケニー・オメガやジェイ・ホワイトウィルオスプレイ達とAEWを大きくするために活動するにしても、もちろん応援します。
しかし、新聞記事に載っていた日本のプロレスを海外に認めさせるために移籍するというのなら、やはり最大手のWWEに挑戦してほしいんですよね。

3、新日本プロレスのこれから

オカダカズチカの退団は各スポーツ新聞で大きく取り上げられ、「団体の危機だ!」なんて声もありますが、新日本プロレスの歴史で選手の出入りはいくらでもあったわけで、ファン達はあまり焦っている様子はありません。
とはいえ、10年以上続いたレインメーカー時代の終了で、次に時代を作る誰かが出てくるかもというワクワクを持って待ちたいですね。
40過ぎの内藤鷹木らロスインゴが引っ張るのか?オカダと同世代の30代半ばの選手達、ザック・セイバーJr.やEVIL、SANADAらが真の主役になるのか?棚橋社長の願い通り、海野辻上村ら若手達が盛り上げるのか?はたまた誰も主役になれず他団体からの助っ人に助けてもらいっぱなしになる可能性だってあります。

ただ、まずは今オカダカズチカの新日本プロレスでのラストダンスを見守りましょう!

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