留学したらそのうち英語が話せるようになる、わけがない

留学に行くまでの話は前回書いた

憧れの留学生活、楽しみで仕方なかった
しかし、ここからは留学中に抱えた悩みについて記していく

同じく留学した日本人との関わり

英語が話せるようになりたい
そう思って留学した
日本語は一切使わないでおこう
そう思っていた
しかし、私は大学の交換留学制度を使って留学した
交換留学先の大学には、他大学からの日本人の留学生がいた
その中には様々なモチベーションの人たちがいる
モチベーションの高い人は日本人同士でも英語で話す
そのような人たちからは「覚悟」を感じた

一方で、モチベーションの低い人は日本人と日本語で話しているところしか見たことがない
おそらく私がそういった人たちと出会う前に
いろんな事情があったのだろう
自信をなくすことがあったのだろう
しかし、当時の私は英語を話すそぶりがないことに違和感を
（もっと言えばイラつきを）覚えた

そんな状況だった

留学先の大学は規模が小さかったので、日本人コミュニティのようなものが出来やすかった
このような日本人との関わりをどうしたらいいのだろう
そんな悩みを抱えた

覚悟を持って臨んだはずの留学生活
どこか揺らぎがあったのかもしれない

日本人の前で英語を話す恥ずかしさ

少しすると、私も「モチベーションの低い人たち」と同じような状況に陥りそうになった
つまり、「日本人と日本語で話す」ということだ

これは個人の問題だが、どうしても日本人の前で英語を話すことに苦手意識があった
自分よりも遥かに英語が得意な人間と英語で話すことが恥ずかしかったのだ

すでにTOEFLで100点を超えている人
英文学科出身の人
高校生で1年留学に行っていた人
幼少期に海外に住んでいた人など

凡人の私にはどう足掻いても叶わない
キラキラした人たちがそこにいたのだ

このままじゃまずい。私がとった行動は・・・

英語が話せない自分を受け入れる
英語が話せる日本人に「教えてもらう」
授業は日本人がいない科目をとる
近隣の小学校へボランティアへ行く
地域のサッカーチームに入る
そして「バカになる」

気がつけばあっという間に1ヶ月が経った
「このままじゃまずい」
そう思った
最初は「日本人との関係を断とう」
と考えた
しかし、私の中でそれはできなかった
なぜならみんな「人として素晴らしかった」からだ
尊敬できた
刺激になった

だから「関係を断つ」なんてことはできなかった

英語が話せないなんて当たり前で、
所詮勉強したといってもそれはTOEFLの話
大学受験の話
そんなのここでは関係ない
話せないなら、話せるようになるまで話しまくるしかない

ネイティブに英語を教えてもらっても
何いってるかわからないんだから
それだったら割り切ってペラペラの日本人に教えてもらう

いつまでもおんぶに抱っこじゃ意味がない
授業は一人でやりきろう
（辛すぎて授業前にレッドブルを毎回飲んでた）

「動き出そう
将来俺は先生になりたい
今の状況はチャンス
現地の子どもと触れ合おう」
最高に楽しかった
ただ当然学校にとっては戦力どころかお荷物だっただろう
何せ算数のサポートに入ったのだが、掛け算、割り算、分数を英語で言えなかったのだから

スポーツは世界共通語
「俺はサッカーをしてきた
ここでもサッカーでコミュニケーションをとりたい」
地域のサッカーチームに入り、遠征もいった
車で5時間、帰りの車内はどんちゃん騒ぎ
最高に楽しかった
ここでf**kの使い方を学んだと言っても過言ではない

バカになろう
真面目な日本人なんて腐るほどいる
大学ですれ違うたびに声をかけられる
そんな日本人になろう
そう思った
今で言う長友選手みたいなキャラ
（私が言うのはおこがましいが）
バカになって、大声で叫んで、笑って、上機嫌でいれば
なんとかなる
誘われたら、顔出す
レポート？プレゼン？
寝なかったら終わるだろ
どうせ日本に帰ったら死ぬほど寝れる

自分が充実してると、周りのことに寛容になった

日本語で話しかけてくる日本人に日本語で返すことに
抵抗もイラつきもなかった

留学前の「覚悟」と留学中の「覚悟」は
「強度」は同じだったが、「質」と「中身」が違った

留学に行ったら勝手に英語が上達する？
そんなわけない

そこでどう生きるか
周りにどう頼るか
周りに感謝できるか
そして自分の手を差し伸べることができるか

「英語を上達させたい」
これは一人ではできない
相手がいるからコミュニケーションは成立する

「相手が何言ってるかわからない」
ここで自分が動かないと
「帰国するまでその状況は変わらない」
勝手に上達する人はただの天才だ

若いうちに留学はした方がいい
私は英語の上達よりも、

死ぬまでにもう一度行きたい場所に出会えた
死ぬまでに何回も会いたい人たちに出会えた
死ぬ時ですら思い出す記憶を作れた

そう思う

留学に行きたいと思っている人や
留学先で悩んでる人にこの話が少しでも背中を押すことができたら
本望である