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映画:ストレンジ・デイズ/1999年12月31日 (1995) ネタバレ有

バーチャル体験は最高さ!どんな体験だって五感を感じられる!美女とのセックスだって、マッチョになってバイオレンスだって、死の瞬間だって…。

そんな1999年から2000年を迎えるという、世紀を跨ぐのとはまた違う大きな節目。思えばノストラダムスやら2000年問題やらいろいろあったけど結局なにもなかったし、人間もさほど進化はしていない。でも2000年、なにかが変わるという感覚はあった。
しかし主人公のレニーは違う。VRで人間の過去の記憶を疑似体験出来る装置を使って現実逃避の真っ最中。そこに起きる友人の死。そしてあってはならない殺人現場の記憶を見つけてしまう。
監督キャスリン・ビグローと脚本ジェームズ・キャメロンというアカデミー賞な"元"夫婦で作られた本作のテーマは一人の男が過去の女の幻影を捨て、今ある本当の愛に気づく「過去に縛られず、未来へ向かおう」というモノだけれども、人種差別問題やらサスペンスやらを絡めすぎているせいでどうも輪郭がぼやけている気がする。それに何故あんなにも街が荒れているのかもよくわからない。いや新年ってそりゃハメを外すけど火炎瓶まで投げて暴動騒ぎするんですかいアメリカ人は!
だけどそんなめでたいお祭り騒ぎと暴動とその裏で起こるサスペンスがカクテルされ本作は独特で不思議な雰囲気を放っているのは確かです。

それに主役の二人、レイフ・ファインズとアンジェラ・バセットがとにかく綺麗でカッコイイ魅力的な主人公だ。特に主人公であるレニーはどうしようもない奴なのだがレイフ・ファインズが演じるのだから憎めない。それにアンジェラ・バセットの気骨ある強い女性も素晴らしいキャラクターだ。そして更に花を添えるのはDeepForestによるエンディングテーマ「While The Earth Sleeps」も、なにか大きな事がこれから起こりそうな、そんな高揚感に包んでくれる。
本作はちょっと地味なSFサスペンスだけど世紀末から見た、未来への希望と不安が入り混じった混沌を見せてくれる佳作でした。
どうせならそれこそ年を越えるその時に見たかったなぁ〜。
ちなみにDVDはプレミア化してしまっているので日本でもブルーレイ版を販売して販売していただきたいです。


映画鑑賞と積みゲーの資金となります…たぶん