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私と手術とコムケイと。

騒がしすぎた怒涛の7月の締めに、手術をした。
卵巣でいらんもんが成長してたらしい。
30代の体、ちゃんと何かしらの異変が起きるもんだなあとしみじみ思う。
結果が確定するのはこれからだけど、99%良性なのでさすがにここで人生ガチャは失敗しないだろう。

全身麻酔の手術と1週間程度の入院は、10年くらい前に扁桃腺を切り取ったとき以来だ。
その時経験した全身麻酔の感覚があまりに心地良すぎて、ウワ〜またあの感覚味わえるの楽しみだな〜!って思いながらワクワク8割不安2割くらいで入院した。

できるだけ他人に関わらず生きたいので個室を取ったんだけど、大正解。
あまりに快適すぎてもう4人部屋の入院には戻れない。無理。
マジで絶対個室。個室しか勝たん。

初日は病室でグータラするだけなんだけど、看護師長とか担当看護師とか薬剤師とかオペの看護師とかなんか色んな人がそれぞれのタイミングで部屋に挨拶しに来るもんだから、全然落ち着かない。ウケる。皆さん本当にお疲れ様です………

このときにオペ看として同年代くらいの男の人が来てさ。医療ドラマとかでもよくあるtheオペ看の格好しててマスクと帽子で目しか見えないのに笑顔が眩しすぎて話し方もいい意味でフランクな優しさで溢れててなにこの安心感…すごい…あとなんだこの既視感…って不思議な気持ちになって。

しばらくその人のこと考えてて思い出したのよ。

コムケイや…!
めちゃくちゃコムケイや。
日本中を騒がせた伝説の一般人、コムケイさんや。

そっか、明日の私はずっとコムケイがそばにいてくれるんだな…
ありがとうな、コムケイ………

と、安らかな気持ちで眠った。

次の日、時間になって手術室まで歩いて行ったらコムケイと愉快な仲間たちが笑顔で出迎えてくれた。
病院あるあるなんだと思うけど、何かするたびに本人確認のために名前と生年月日を口頭で答えさせられるじゃん。そしたら手術直前の確認後にコムケイが「つい最近誕生日だったんだね!おめでとうございます😊」って言ってくれてさ。コムケイ…お前だけだよそんなことに気付いてくれるのは………嫁に来てくれ…………………

手術台に寝てからはコムケイが仲間たちにテキパキ指示してて次から次へと色んな人の手が私の体に伸びてきていろんな線が繋がれていくのがなんか面白くてニチャニチャしてしまった。ごめん。

そこからは麻酔の先生が来て点滴流されたらふわっと夢の中行き。手術が終わって最初に起こしてくれたのは多分コムケイだったけど、全然覚えてない。

そんなこんなで2割くらいあった不安はコムケイによって一瞬で解消された。わたしは多分一生ここの病院のオペ看にコムケイがいたことを忘れずに生きていくだろう。

看護師さんは基本みんな優しくてその度にありがてぇありがてぇ…という気持ちでいっぱいになるけど、それでもたまにこういう異質なコミュ強に出会うとしばらくその衝撃を引き摺ってしまう。

客と直接関わる仕事。その上で命に関わる仕事。たった数分の会話で他人の気持ちを救ってしまう人柄と培ってきたスキル。すごいね、本当に。

もし今後コムケイが人生に悩んだときは、どこぞの神でもいいから「お前に救われてきた人たちがいる!!!!!!」って教えてあげて欲しい。頼むよ、戦いになったら神サイドもちゃんと応援するからさ…。

あと世の中の今悩んでる真面目な人たちも、程度の差はあれどおそらく結構な人たちを救ってると思うから、今日も美味しいご飯をたくさん食べて元気に生きて欲しい。

まあなんの仕事でもそうなんだろうけど、直接的に人を助けられる仕事の素敵さを身をもって知りましたって話でした。

人間、みんな働いててえらい!


以下入院メモ(基本日用品は除く)
 ◎必須
  ・扇風機
  ・スマホアーム
  ・ふりかけ
  ・拭き取り化粧水orシート
 ◎あるとなお良い
  ・Switch
  ・ドライシャンプー
  ・髪用のタオル
  ・デカめの鏡
  ・軽めのパック
 ◎持ってけば良かったかも
  ・拭き取り用アルコール
  ・汗拭きシート
  ・毛抜き
  ・フロス

テレビオプションは全くいらなかった。スマホで十分。冷蔵庫は必須。なかったら死んでた。

腹腔鏡手術後の肩の痛みえぐい。ずっと肩つってる。マジで我慢しないで湿布もらって。なんなら傷口より痛いもん。

実は地味に恐れてた尿の管は、思ったより違和感がなかった。いつ出てるのかもわからないし、寝返り打つ時以外は入ってる感覚もなかった。抜く時も痛くなかった。ふん、雑魚め…

偽物の醤油は、ちゃんと醤油だった。

術後の地獄おかゆ期間を乗り越えた先でやっと食べられた珈琲屋さんのピザトーストは、いつもの3倍くらいしょっぱかった。

明日からまた、シャバで生きるぞ〜

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