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【開かれた聖ヨハネ会を取り戻すために】第6回 法律や約束って守らなくていいんですか? ―— 対話をはばむもの

 私の勤めている社会福祉法人聖ヨハネ会の特別養護老人ホーム・桜町聖ヨハネホームでは2023年から24年初頭にかけて職員の大量離職が起こり、いまだ危機的状況にあります。
 2月20日に私たちユニオンは、社会福祉法人聖ヨハネ会との間で2回目の団体交渉を実施しました。
 今回のnoteはその報告です。
 今回の団交を一言で表すと、「約束は破るためにある」
 最後までご覧いただけるとありがたいです。

これまでの経過については、以下のnoteもお読みいただけると幸いです。
1回 社会福祉法人聖ヨハネ会は、介護施設の利用者の命を守ってください
https://note.com/sguion/n/n9c3aa48da1e6
2回 桜町聖ヨハネホームで介護崩壊が目前に迫っています
https://note.com/sguion/n/n9242d51ab160
3回   「見せしめと隠蔽」から、「対話」に基づく開かれた聖ヨハネ会へ
https://note.com/sguion/n/n8ab8a05c10f1
4回 命と人権、民主主義を求めて市役所へ
https://note.com/sguion/n/n077b45ddc1f3
5回 どちらが本物でどちらが偽文書?ー懲戒規程と懲戒要綱―
https://note.com/sguion/n/n70675a758ad4

■前回のあらすじ
 前回のnoteで竹川業務執行理事には少なくとも15項目(!)の問題行動があったことに触れました。そのうち「就業規則にない運営会議で懲戒を決めたという文書が誤りだった」ことなど3点について、竹川さんは1月の団体交渉で以下のように約束しました。

 S組合員「間違いだとしたら、私に謝罪してほしい。謝罪したことを職員に周知しないといけませんよね。私の名誉回復をあなたたちはしていただいてないので。あなたたちが散々いま今日出てきただけでも、間違いは何個かありましたね。それについて文書にして、ちゃんと職員に周知していただく必要があると思うんですけれども、その点いかがでしょうか?」

竹川氏「それは周知いたします」

 1月の団交では双方合意の上で録音をしています。これはその音声を書き起こして、一部抜粋したものです。
 竹川さんは謝罪の文書を出すこと、それを掲示すること、職員会議で発表することを約束しました。

■意図的に約束を破った竹川理事
 
ところがその後法人からは「大変失礼しました」と、謝罪とは思えないような短い適当な回答を送りつけてきた上、更に
「通知に関する誤りにつきましては、訂正した点はS職員ご本人とのやり取りでしたので、職員全体がそれに関わっているわけではありませんので、ご本人にお渡ししました。掲示等を行うことや職員会議で話すことは個人とのやり取りを公開することになりますので、当方からは控えさせていただきます」と回答してきました。

 今回団体交渉で、そのことについて質問したところ、竹川さんは、
「前回の団体交渉のときに、そういうお話だったのかもわかりませんけども、我々も戻って冷静に考えたときに、今回のこの内容というのはあくまでもSさんご自身に対する通知でありますので、それを個人的に、あくまでも個人的なこういう情報も我々の方からですね、
(中略)、他の職員に伝えるということは差し控えさせていただ」くと答えました。

 私たちは抗議し約束を守るよう主張しましたが、竹川さんは「いや、ですから、それを帰って冷静に考えたらこういう結果になったということです」「ちょっと考えさせてください」などいい加減な態度に終始。

 竹川さんはこう見えても、聖ヨハネ会唯一の法令遵守責任者(当時)で、法人がちゃんと法令とかコンプライアンスを守っているかどうか監督する立場です。
 
 私たちは更に質問しました。

 組合員「組合と団体交渉で合意したことを使用者の側が反故にしたならば、理由なく反故にしたならば、それは違法だってことご存知ですか?」
竹川さんは言い訳をしてずいぶんはぐらかしましたが、最後にはこう言いました。
「存じ上げません。」

 法律云々の前に、ウソをついてはいけない、約束を破ってはいけないというのは、ちいちゃな子でも分かることです。周囲の大人から大切なことを学ばないまま大人になった竹川さんを、私はかわいそうだと思います。
でももっとかわいそうなのは、こんな人が上にいる私たちホームの利用者や職員ですけど…

■対話としての団体交渉
 
今回の団体交渉を行うに当たって、十数名の職員に「どういうことがあれば仕事を辞めないで続けることができるか」という質問をし、その回答を元に要求項目を作成し、今回の団交ではそれを法人に対して提示しました。
 非正規春闘と連携した形で賃上げ、職員がどの程度まで回復したら利用者を増やしていくか利用者数と職員数の段階的な目安を職員に提示すること、過酷だと思われる残業をやめること、フロアにかかわることを職員の意見を聞かず一方的に命令するようなことはやめ事前に意見を聞くことなどです。
 離職の連鎖を止めるために必要なことばかりです。
この要求については、昨年の年末に高齢部門の業務執行理事になった鈴木さんとのやり取りになりました。
 このときそれそれの要求事項についてできるできないの明言はありませんでしたが、鈴木さんの言葉には職員の意見を聞き、職員がどうすれば働きやすくなるかという態度が表れていたと感じています。
 賃上げなどは労使の意見に隔たりがあるのは当然のことだと思いますが、相手に対して敬意をもち、どうしたら利用者・職員にとってよい施設になるか、一定の合意に向けて対話として団体交渉を行っていく、本来あるべき団体交渉のあり方が垣間見られた時間でもありました。

■竹川氏の理事更迭を求める
 
ただ聖ヨハネ会を牛耳っているのは、残念ながら竹川さんです。
 私たちは素朴な疑問を竹川さんにぶつけました。
 ”あなたはふだん何の仕事をしているんですか?”
 竹川さんは法人の事務局長をしています。だからそれなりのことをしているのかと思って聞いたのですが、いっしょにいた西田理事長も竹川さんは一生懸命やっていますというばかりで、具体的なことが何も出てこない。先程まであれほど誠実に答えていた鈴木さんも竹川さんは私の精神的支柱と言うばかりで歯切れが悪い。
 当の竹川さん自身は何も答えられない。
 このひとはいったい……

 竹川さんが法人の業務執行理事になって法人の経営はずっと右肩下がりです。特に彼が高齢部門の業務執行理事になってからホームは創立以来存続できるかどうかという最大の危機を迎えました。
 しかも法令遵守責任者でありながら、何人もの管理職や私のような一職員にまでコンプライアンスに基づかないハラスメント行為を行っている。
 私たちは今回の団体交渉で、法人理事会に対して、竹川氏を理事から退任させることを求めました。
(後日竹川氏が作成したと推測される回答で、理事会に諮ることはしないという回答が寄せられました)

 私は人権侵害されている人たちの人権が回復されるよう微力でも力になりたいと社会福祉士になりました。だから最後に竹川氏にこう伝えました。
「(中略)私は足で踏みつけられたような、頭を踏みつけられたようなことされているので、それに対しては、これは私じゃなくても絶対に許してはいけないって思ってます。それに対して一歩も引くつもりはありません。あなたが全面的に謝罪するまでは何一つ引くつもりはありません。あなたがどこまで行く、どこまでいっても私はこれはやりますから」
 それまでヘラヘラしてちゃんと話を聞いていなかった竹川氏が私を睨みつけてきました。
 私はそれを強い敵意と感じましたが、私も竹川氏の目を見返すことで、私の意志を伝えました。

 ついでに書きますが、前回団体交渉で法人側参加者がスケジュール帳をもってこず次回の団体交渉日をスムーズに決められなかったため、ユニオンから今回はスケジュール帳をもってきてくださいと要請しました。
 それにもかかわらず竹川氏がもってこず次回団体交渉日を決められませんでした。
 竹川さんはこういう姑息なやり方で団体交渉を開かないようにしている、と私たちは考えています。

■ホームが危機に陥った真の原因
 
退職職員や現在の職員への聞き取りを元に、これまでのホームの大量離職は、「職員の声が聞かれないこと、職員の声が運営に具体的に反映されないこと」に大きな要因があると考えています。
 そうした根拠を元に団交では、法人に各係・フロアに対する重要事項の事前周知や意見聴取、月1回程度の各係内ミーティングを事業計画に位置づけるよう求めました。

 それに対して後日法人から送られてきた回答書には
・現在も事前周知を行っています
・運営会議で各係の意見を集約しています。それをこれからも継続して実施していくこととします。
 と、今やってるからあなたたちの提案はやりません、というものでした。
これだけの大量離職が起こったのに何も改善しませんという返事に、あの団体交渉での鈴木理事との話し合い、対話は何だったのか、と愕然としました。
 この回答書が竹川氏主導で作成されているのは明らかです。理由は分かりませんが、竹川氏が大量離職の原因を改善せず放置しようとしていることがはっきりしました。
 みんなが集まって話し合いをすると、一揆でも起こされると思っているのでしょうか…

 その一方ホームでは3月の今年度最後の職員会議に人が集まらず流会になるという、無残な事態が起こりました。
 1月の職員会議で、介護係内でフロアミーティングを行うことが提案されましたが、それもうやむやになっていつの間にか立ち消えとなりました。
職員自らが自分たちの状況を改善するため声を上げる、そのことなくしてどうやってこの危機を乗り越えられるのでしょうか。

 上と下それぞれに対話が行われていないこと、つまり対話性の欠如、それがホームに危機もたらしたということがだんだんはっきりしてきたように思います。
 特にその責任が重いのは、対話が行われない体制をつくっている人間です。
 対話をはばむものは誰か、今やその元凶がはっきりしました。

 私はライフワークの一つとして対話を学んできました。
対話の世界には「LOVE IS DAIALOGU」という言葉があります。
対話の核心には唯一無二の他者を尊重することや隣人愛があり、キリスト教文化の精華として生まれたきたものではないか、私はそう考えています。

 私はヨハネ会やカトリックを信仰する人たちに質問してみたいです。
上の言ったことに従うだけで、自分たちで物事を考えることはキリストの教えに反することですか?
 カトリックに対話はないのですか?

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