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マイメロのぬいぐるみ(500円)

起床は10時。昼過ぎまで本当に怠惰の具現化というような時間を過ごした。
でも、あまりにも何もしていなさ過ぎて病んできて、「このままでは死ぬ」
と思ったら、鏡と化粧品を用意していた。化粧はうまくいった。
日焼け止めが面倒なくらいで、アイシャドウを塗り始めたら止まらなくなった。
眼のうえにも下にもラメを入れたくなって、アイラインもこれでもかというくらい
思いきりで引いて、その線にあわせて更に輝きを添えた。たのしくなった。
「あー!女の子とってもたのしい!」の気持ちでとにかく色々塗った。
唇も鮮やかにしようかと思ったけれど、マスク社会だ。正味、関係ない。
そこまで楽しくなって飽きてしまった。
結局服装にまでは力が入らず、高校時代のハーフパンツとグレーのスウェットで、バッグは通学用の黒の大きなリュック。

と、ここまで私の気持ちを駆り立てたのは「セザンヌのクリアフェイスパウダーが欲しい」の一心のみ。これによって、メイクだけに全力を入れた部活帰りの女子高校生スタイルを作り出してしまった。このちぐはぐが可愛くて、まだ許される自分が可愛くて、幸せな気持ちになる。幸せ、私はいままで何度かいて来たか分からないけれど、幸せな気持ちと打っている時の私は、正真正銘心の中がぼんやりとあたたまるような幸せに身を包まれている。君たちの想像するとりあえずの文字稼ぎとか雰囲気の言葉じゃなく、純粋な幸せだ。

最初は近場でおわらせようと思っていたけれど、近くのドラストにちふれしか並んでおらず、断念。

と、ここで話題の転。書いている私の今を書きます。
今、眠剤とお酒(ほろよいの梨)でちょっとふわふわしている。
机の上に消しゴムくらいの蜘蛛が出現した。素面の私であれば一通りビビり散らした挙句、誰にも助けてもらえないので、何かで殺す。(とんでもなく嫌な気持ちになりながら)だが、やっぱり脳みそのどこかが麻痺しているのだろう。
見つけた瞬間もあまり驚くことはなく、ただ淡々と紙パックでフルスイングで叩き潰した。それも無心で。片づける感覚、目が覚めたら叫べるんだろうなと思いながら、淡々とこなして、何事もなかったかのように対処した。すごい。

はい、で、話をもう一回戻す。
近くじゃどうにもならないことが分かった私は、少し遠いドラストを目指すがそこにもセザンヌが並べられていない。あーもうどこにあるんだーとゆるゆる考えて、そこから駅に向かって大き目のスーパーを目指した。前にそこでセザンヌだけは見たことがあった。
歩く。雨だけど、痩せたいし、と思いながら歩いた。
ついて、見つけました。「セザンヌのクリアフェイスパウダー」
速攻でカゴに入れる。スキンケアの後に塗れる粉が欲しくて、韓国とか色々見てみたけど、結局セザンヌにあるんだって知って嬉しかった。
暑いと食欲がなくなる私は、ウォーキングを兼ねた買い物にとても向いた体質。
お菓子コーナーをぐるぐる何週もするうちに、最後に買ったのはお酒とヨーグルト、あんまり思い出せないけれど、そのくらいだったはず。
買い物をするうえで最後の難関はレジ会計時の会話、それをうまく乗り切るために
セルフレジに毎回行く。お酒を買うと「年齢確認が必要な商品です」と画面表示があるり、毎回他のところでは何も言われないのに、今回ばっかり年齢確認をされた。
50歳前後のおばさまに「確認画面出てたけど、ご年齢は?」と(あなた、未成年よね?)という風に確認をしていただき、全く何にも怪しいことなどないんだけど、
心臓をドキドキさせながら、「はっ、はたちぃ、です。」と何とか答えた。
分かりやすくおばさまは、眼を見開いて(あらまぁ!)を全身から漏れ出しながら、「ありがとうございました」と朗らかに挨拶をしてくれた。
優しさも年確も全部嬉しくて、ニコニコしながらセリアにスキップで入っていく私。
コジコジの卑屈ポーチが可愛くて買った。
あと、信じられるか分からないアホ毛止めを買った。使用感は普通だったけど、香りが何となく100円ショップの香りだった。リピはちょっと悩む。
レジのお姉さんがとっても小さくて、ぎこちないお辞儀で、可愛かった。
あまり人が来ない辺境の百円ショップの妖精さん、可愛いなと思った。

私にとってのスーパーであるここは、子供にとってはゲームセンターのようで、その感覚を私も共有したかった。ちょっと入りにくい田舎のキッズコーナーで、微妙な景品が並ぶクレーンゲームコーナー。それと太鼓の達人。
大して欲しくもなかったけど、アームの力が強いと書かれていた機体でマイメロを500円で救った。今は隣にいる。ああ、かわいい。
それと太鼓の達人、ショートヘアの中学生くらいの女の子が叩いていた。
格好とか雰囲気とかからして、昔の私みたいだった。
田舎が嫌いだから、できるだけ田舎が感じられない場所に行って、田舎っぽくない自分の最大限の服装をして、太鼓の達人でボカロを叩く。最高。
ああいう女の子のことを「エモ」ってしてほしいよ。
今日、どこかの過疎ゲームセンターで、太鼓の達人をしていた女の子。
届いてほしいな、誰かも知らないだろうけど、きっとインターネットやってるもんね大丈夫だよ。

帰りの記憶はない。あーアニメの泣き声がうるさい。
哀しい人を見ると嫌になる、いまはね、死ぬかもしれないなって不安だから。

お酒を飲んで薬も飲んで、マイメロを抱きしめて、でも今日は眠れないかもしれない。


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