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ブラッシュアップライフ、         ゆとり世代と野外生活    

「ブラッシュアップライフ」はとてもおもしろいドラマだった。
1989年生まれの主人公とその友達の話。
それは「ゆとり世代」と呼ばれた人たちのものだ。
「ゆとり」とは、文部科学省が「ゆとり教育」を導入した結果、
「学力低下」を引き起こしたとして、
「ゆとり」=学力低下と隠喩することである。
その「ゆとり教育」で育ったのが、今回の
「ブラッシュアップ」世代でもある。

現代では小学校の校庭も開放されないし、外遊びする場所もない。
いまの子どもたちは外で遊ぶ「遊び」も知らず、
鬼ごっこや、身体を使う遊びができない。
私は小学生にバスケットボールを教えようとして、
この子たちは手まり遊びをやったことがないことに気づいた。
昭和の子は手まりや縄跳び、ゴム跳びなんかをやっていた。
それらで自然にからだの使い方や、身のこなしを体得していた。
以前、バレーボールの講習会へ行ったとき、
中学生のバレー部員たちも参加していた。
そこで中学生が「馬とび」をやったことがないと聞いてまず驚き、
さらに、その中学生たちは
四つんばいになった人の背中に乗ることができなかった。
ママさんバレーのおばさんたちはみんなできるのに。
おそらく経験がない、ただそれだけのことなのだと思う。
でも、人のからだの上に乗ってみて、
初めて「ぐにゃぐにゃしている人のからだ」を体験できるのだ。
ゆとり世代以降の人たちは、
生まれたときから電化製品がそろったなかで育ってきている。

現代の日本にはすべてがそろっている。
もし、地震などの自然災害に見舞われ、
停電やガス・水道が止まってしまうと
たぶん、若い人たちだけでなく、
多くの人が、どうすればいいのかわからなくなるかもしれない。
だから、スイッチひとつでできること以外の、
自分で考え、知恵を出し、からだを使う世界があることを、
忘れずにいることが大切だと思う。

私は3.11のあと、
息子が使っていたボーイスカウトの『スカウトハンドブック』を持って
避難することを決めている。
スカウトハンドブックには、野外活動で必要なことがすべて書いてある。
火のおこし方、野外料理の方法、キャンプのやり方、救急法などなど。
私はまったくの不勉強だけれども、
この本さえあればきっと役に立つと考えている。


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