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第0回 「ヤメ大」入学式

社長をヤメる大学へようこそ!!


本学は「社長のおわり」を学ぶ学校です。

キャリアの終盤に立ち今後どうしたらいいか悩みさまよう社長、そして将来、同様の経験することになる社長および起業家のための学びの場であります。

「これまで無我夢中で経営をしてきたけど、最後は会社をどうしたらいいのか?」
「体力的、精神的に、そろそろ社長をやめることを考えないといけないけど……?」
こんな問いに自分なりの答えを出して行動するための、実践的な学びが本学にはあります。

ただ、カリキュラムはこれから考えます。
あくまで柔軟に、悪く言えば適当に。状況に合わせて展開していきます。
そしてなにより、学長であり、唯一の教員であり事務員でもある奥村聡の都合が優先されてしまいます。あしからず。
正直なところ、モチベーション次第です。
学生の皆さんには、学長のモチベーション維持向上にご協力ねがいます。


降り方を知らないパイロット


繰り返しになりますが、本校のカリキュラムは未定です。
ただしわかっていることが一つあります。それは、本学が皆さんに提供する学びの機会は、すべて「補講」だということです。
補講って知ってますね?
理解が遅れている生徒が受けさせられるアレです。落ちこぼれつつある生徒のためのフォローです。

そう、社長の皆さんは、落ちこぼれなのです!

怒らせてしまいましたか?
あれ、意外と怒っている方は少ないようです。ここは怒っていいところですが・・・

そういえば、昔、SMの女王様が「私の客(奴隷)は中小企業の社長が一番多い。あいつらどうしようもないマゾだ」ってどこかで言っていたことを思い出しました。
普段怒られたり、ましてやムチで打たれたりしないため、怒るどころか、かえって喜んじゃったりするのでしょうか? いやいや、でもここは怒っていただきたい。怒りのパワーを勉学にぶつけていただきたいのです。

あなた方は社長です。飛行機に例えると、操縦桿を握るパイロットです。
あなたが命運を握る飛行機(=会社)は今まさに飛んでいます。ということは、飛び方は知っているということです。

でも、永遠に飛び続けることはできません。いつかは飛行機を着地させなければいけませんね。その方法をもちろん知らなければいけません。

ところが、ご存じないのです。
「会社って最後はどうすればいいのか?」
「社長ってどうやってやめることができるのか?」
社長の皆さんは知りません。

本来ならば、飛ぶ前に知っておかなければいけませんよね。
もしあなたがキャビンアテンダントだったとして、または乗客だったとして、着地の方法を知らないパイロットが操縦している飛行機に乗りますか。私ならば、そんな怖いことは絶対嫌です。ただでさえ高所恐怖症なんですから。

なのに社長は知りません。だから落ちこぼれだと言うのです。少しは真剣になってください。
(そこのあなた、責められて喜ばないでください!)


社長のヤメ方を学ぶ意味


これまでは、会社のはじめ方や、売上げの増やし方ばかりが注目されてきました。
これはよろしくありません。いつか終わりの時はくるし、ラストまでうまくやってこその成功です。

私の考えでは、成長の止まった成熟期の日本経済においては、売上げを拡大することよりも、致命傷を負ってしまうことをいかに避けるかがのほうがはるかに重要です。会社で言えば事業からの撤退であったり、社長個人で言えば身の引き方あたりのポイントです。

そこで本学を、中小企業の社長のために着地の方法を教えるという創立理念によって開校しました。
あまたの先人社長たちの着地の成功と失敗から抽出された知恵を届けます。



本学は、あくまで実践のための学校です。
社長を、うまく、納得してやめるためには、そのあたりに転がっている本で書かれているような、税金や法律の話を学んだくらいでは、まったく話になりません。このあたり、専門家と称される人も、当事者たる社長も勘違いしている人がたくさんいます。

意味ある学びを届けるため、まず、ものの見方や考え方を伝えるための話も多くなることでしょう。いわば『生活指導』です。
現代人は”やり方”に目が行ってしまいがちです。でも、やり方(=道具)以前の話がしっかりできていなければ、意味はないのです。


答えをすぐに求めるのも現代人の悪癖です。
「さっさと結論を教えてくれ」という人は、その姿勢がマズい結果を招くことになると先にお伝えしておきます。
社長をやめるということは人生の一大事です。あなたの哲学や生き様までもが問われるテーマです。
こういう話なのに、中身を端折ろうとしてしまったら、やはり意味も価値もなくなってしまいます。
じっくりと学んでいきましょう。


社長のヤメ方を学ぶと、実は、経営が上手くなります。逆説的ですが、そういうものです。おわりの世界を理解すれば、今にふさわしいふるまい方まで見えてきます。
意識や集中力も変わります。
死というものを意識していると、生まで充実するのと同様です。社長としての終わりを感じることが、現役の時間を充実させます

社長をヤメる大学で学べば、あなたの人生がより良いものになることを約束します。
社長のあなたは、人生をかけて仕事をしていらっしゃることでしょう。社長業とはそういうものです。
そして、会社を着地させること、自分が社長をやめることまでが、社長業には含まれています。ということは、会社の着地、社長の退任の成否が、あなたの人生の良し悪しに直結することを意味します。
おわりの失敗を回避し、人生をより良いものにしてください。
本学の究極の目的は『あなたの人生を良きものにすること』です。


入学手続きについて


最後に、忘れてはならない金の話です。
社長をヤメる大学の入学金は「8万円+消費税」です。
社長をヤメ、ヤメ、ヤメ・・・で、なんとなく語呂合わせで8万円です。
インボイスにも対応しています。

そして、ここまで読んだあなたは、すでに本学に入学しています。

おっと、「聞いてない」「詐欺だ」という声が聞こえてきました。
お静かに。落ち着いてください。
この入学金、どうするかは、あなた次第です。
これからの学びの内容に期待して今すぐ払うもよし。
もっと講義の内容を見極めてから払うもよし。
「今は金がない」と、出世したら払うでもよし。

さらには、払わなくたっていいのです!

読むだけ読んで、学ぶだけ学んだのに、入学金を払わなくたっていいです。
課金しなければ読ませないなんていう、ケチ臭いことを言うつもりはありません。だって、私は読んでもらいたいから書いているのです。どんどん読んでください。


果たしてこんな感じで入学金を払う勇者は現れるのか? 
どうなるか見ものですね。

繰り返しますが、入学金は払わなくてもいいのです。ただその場合でも、ヤメ大のことを誰かに紹介していただけませんか。
昔、学校で、不幸の手紙がまわってきませんでしたか。「この手紙を5人に回さなければ、あなたは呪われます」というあれです。
ヤメ大のことを、誰かに紹介してくれなければ、私があなたを呪います!!

どんな展開になるか、ドキドキしますね。
私が届けるものの価値や、さらには私自身の存在感が試されている気がします。

実は、試されているのは、学生である皆さんも同じだったりするのでしょう。
気前がいいのか悪いのか?
学びに対する姿勢はどうなのか?
お金というものに対する哲学までここから見えてくるのでしょう。

なんせ皆さんは、ただの消費者ではありません。日頃、商品やサービスを提供する側の社長さんでもあります。作り手側の気持ちや苦労はわかりすぎているはずです。
あなたのために原稿を書くためのエネルギーや時間を、少し慮っていただきたいのです。

その思いやりの連鎖が本当の経済だと思います。
ところが、現代は……
図に乗った消費者は、偉そげになんでも要求してきます。
人が苦労して作ったものを効率よく利用するだけの輩が、ビジネスの世界の成功者としてもてはやされます。

私は、辟易としています。この入学金の制度は、こんな消費社会に対するささやかな抵抗のつもりでもあります。

さて入学金が払われるのか、それはいくらになるのか。楽しみです。皆さんも楽しみですよね。
結果はどこかでお伝えできるでしょう。
入学金の納付方法は、事務局よりお伝えします。


これで入学式は終了です。
次回の講義でまたお会いしましょう!


《事務局からの連絡》

①   入学金の納付手続きについて


 入学金の納付は、リンク先のシステムで決済してください。

→ 入学金決済システムへ


   

②次回の講義


 次回の講義は「2024年1月19日(金)」にアップする予定です。
 ぜひ、著者のフォロー等しておいてください。



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