#211 日本は君主政?共和政?

〇〇王国という国は王様が国を治めている国で、〇〇共和国は選挙で選ばれた国民の代表者が国を治めている国である。教科書の用語で言えば、前者が王政もしくは君主政、後者が共和政である。
ここで気になるのが、「日本はどっち?」という点だ。

結論から言えば、日本は「君主政」をとる国である。
君主政と共和政の違いは、「君主がいるかいないか」なので、天皇という君主がいる日本の政治体制は「君主政」である。
天皇が君主というのはひょっとすると違和感があるかもしれないが、天皇は英語にすると「emperor」(=皇帝)であり、世界的に見ればれっきとした日本の君主である。

しかし、憲法の授業で習うように、天皇は日本国の象徴であり、政治に関わる直接関わることはできない。このように、憲法によって君主の権力を制限する政治体制を「立憲君主政」という。
日本の政治というと選挙や国会の印象が圧倒的に強いため、実感からすると日本は「共和政」のように思いがちなのだが、日本の政治体制の正解は「立憲君主政」である。

現在、世界には君主のいる国は27か国あり、サウジアラビアのように国王の権力が絶対的な国もあれば、日本やイギリスのように君主の権力が憲法によって大幅に制限されている国もある。

世界の王室の中でも、日本は最も長く続いている王室とされており、その成立は紀元前660年の神武天皇の即位にさかのぼる。しかし、古墳時代以前の天皇は神話の中の存在で実在したかどうか確証がないため、「少なくとも継体天皇の時代である6世紀以降は同じ血統で続いている」という見方が一般的となっている。それでも1500年以上続く日本の王室は、世界一長く続く王室としてギネス記録にもなっている。ちなみに2位はデンマークの王室で10世紀ごろに成立している。

なお、「君主政」と「君主制」、「共和政」と「共和制」は同義のため、本記事では「〇〇政」と統一して表記している。(以下のHPを参照)

【目次】

【参考】


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