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#277 採用面接で絶対NGの質問とは?

企業側には採用面接でしてはいけない質問がある。
大きく分けて、本人の責任ではない事項を聞くことと、本人の自由であるべき事項を聞くことの2つだ。

本人の責任ではない事項の具体的内容には次のようなものがある。

1.本籍・出生地に関すること
2.家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
3.住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
4.生活環境・家庭環境などに関すること
5.宗教に関すること
6.支持政党に関すること
7.人生観、生活信条に関すること
8.尊敬する人物に関すること
9.思想に関すること
10.労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
11.購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

https://offerbox.jp/company/jinji-zine/interview-taboo/

紹介されている11項目のうち、1~4は「本人の責任ではない事項を聞くこと」に該当し、5~11は「本人の自由であるべき事項を聞くこと」に該当する。

とくに、本籍地や出生地、出生に関することなどは、部落差別や在日朝鮮人への差別など、深刻な差別につながる可能性があり、こうした質問は絶対NGとなっている。(逆に、こうした質問を平然と行う企業はコンプライアンスの意識が希薄といっていいだろう)

就職に関する面接は、本来職務に関することのみ問うべきとされている。
そのため、こうした質問によって採用の可否を決めることは、平等権や自由権といった基本的人権を侵害する可能性がある。

高校入試の面接でよくありそうな、「好きな本はなんですか」「尊敬する人は誰ですか」といった質問も、場合によってはNGとなる。

この記事によると、滋賀県教育委員会は次のような呼びかけをしている。

滋賀県教育委員会は高校生の就職試験を行う企業に対し「不適正な質問」を行わないよう呼びかけているが、その不適正な質問には「愛読書」「尊敬する人物」などが含まれている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/484b43b0a64cc8779a2892fe59cad0ab9fe9846a

こうした質問がNGなのは、好きな本や尊敬する人物が、その人の思想を表わしているとされるからである。

一方で、愛読書や尊敬する人物を一律NGとするのはいかがなものかという意見もある。出版社の面接で愛読書を問うことは重要だし、ゲーム会社が尊敬するクリエーターを聞くのはごく普通のことだ。

とはいえ、面接を受ける側が、自分の思想・信条を聞かれた場合、それをもとに落とされたと思ったらアウトである。

良くも悪くも、採用する側も、面接には相当気を遣わなければならない時代になっているようだ。

【目次】

【参考】


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