見出し画像

読書感想文 #66フランス座

みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

3月もまもなく終わりますね。今日は桜の名所に行きましたが、まだ全然咲いていませんでした。

今日はこちらの感想になります。今日たまたま図書館で借りました。

フランス座
ビートたけし著

概要

これまで語られることのなかった、芸人たけしが生まれた街と唯一無二の師匠の物語。

『フランス座』といえば浅草の伝説的ストリップ劇場、そしてビートたけしさんが修業時代を過ごしたことでも有名です。が、芸人を志すきっかけとなった師匠の名は浅草の外に広く知られることはありませんでした。師匠との出会いと別れを、自伝小説に昇華させたのが本作です。
大学をドロップアウト、特に夢もなく浅草フランス座でエレベーター番のアルバイトを始めた主人公・北野武を、劇場で働くからにはコメディアン志望だろうと決め付けて「タケ」と呼んで可愛がり、仕事と住居を与えたのは浅草で誰もが〝師匠〟と呼ぶ芸人・深見千三郎。時は七〇年代、お笑いの中心がテレビやラジオに移りつつある中で、舞台でのコントを極める師匠に導かれながらも、「売れてみたい」という気持ちを抑えられないタケはやがて漫才という別の道を選び――。尊敬しながらも超えてゆかねばならない師弟の姿を笑いと切なさで描く傑作青春小説。

感想

平成の初めの年と最後の年に好きなタレント1位だったビートたけし。昭和でも50年代半ばからは漫才ブーム、以降芸人〜司会者等、テレビで毎日のように見かけた大人気タレントの大学〜フランス座での修行時代の話が描かれていて、苦労や出会い、周りの人間たちとのドラマが若い”タケ”の日々の生活とともに描かれていて、その後大スターに変貌を遂げる土台を作った時期の話はとても面白いものだと思いました。
”フランス座”のアルバイトは決して芸人を目指していたわけではなく、たまたまであったというのがわかり、師匠から浅草のポン引きのコントを習い、実践するところや、サウナで働いていた時にヤクザの男の背中を流し、気に入られて小遣いをもらったり、当時の日本の世界がこういうものだったのか、と知ることができます。

彼が後に北野武名義でヤクザ映画を作ったりするのにも役に立った経験でしょうし、かなり後に母が亡くなったときに「おいらはマザコンだからさ」とインタビューで答えていましたが、必死に働いたかあちゃんのおかげで大学に入ったのに辞めてしまって合わす顔がないと葛藤しているところがあり、深い感謝を持っていた理由がわかりました。

芸人全盛期には”たけし軍団”というのを作り、たくさんの弟子を抱えて、仕事から生活から世話をしていたのは、フランス座での修行から、後に芸人になった時の苦労があったからでしょう。

また、他の芸人の衣装を着てステージに立ったり、知り合いの飼っていた鳥をいない間に鍋にして食べてしまう破天荒さは、その後のバラエティーでも多くの笑いを作っていきました。

ステージで悪口を言ったりするのは、自分が子どものころ大人気でプロ野球のゲスト解説に呼ばれたものの「篠塚は人工芝でしか守備ができない」とか辛辣な言葉が多くて、テレビ局にクレームが殺到したのか、以降呼ばれなくなったというのにもつながっているのかなと思いました。

無名時代の”タケ”はスター ビートたけし、北野武の原点だったのかと思います。



それではまた。


この記事が参加している募集

読書感想文

よろしければサポートをお願いいたします!!! 費用は活動費に充てさせていただきます。