プロ屁ッショナル

「嘘ばっかりどす。」プロの芸妓さんから聞いた『嘘』の話

「嘘」をついた時、人は誰しも罪悪感を抱くものです。

彼女に黙って、べつの女性とご飯に行ったり。
風邪だ、と装って会社を休んだり。
「今日バイトが」と嫌な誘いを断ったり。

誰しもが小さな嘘をついては、まんまと騙された相手に多少の「申し訳なさ」が芽生えませんか?
かく言うわたしも、その一人です。

そんなことで凹むんなら、正直に生きたほうがいい。
嫌われる勇気だ、とかなんとか言う人もいるかもしれません。


「キレイゴトはよせ。」

適当に嘘ついてやり過ごしたいことありますよね?
ちょっと盛って面白い話にしたい時もありますよね?

そんな方にぜひ聞いてほしい話なんです。
それはとあるイベントでプロの芸妓さんから聞いた「嘘」に関する斬新な捉え方

つまり一種の「屁理屈」です。


芸妓さん。京都以外では「芸者さん」と呼びます。
顔を真っ白に塗ってエライ人たちの宴会に出席しては、お酒をついだり、おしゃべりしたり、時にゲームをやったり、三味線弾いたり、着物の帯を引っ張って「アァレェ〜」なんてことも…あるかどうか知りませんが、あの人たちのことです。


登壇しているその方は中学校を卒業してから舞妓さんになり、修行を経て芸妓さんになられたんだとか。おそらく、そこから20年以上は芸妓さんをされているかと。(30代前半にしか見えませんが「美魔女」なので実年齢はいざ知れず)

今では超大手芸能事務所など、さまざまな経営者の方の宴会に呼ばれているみたいです。
特に大事な商談の席に呼ばれるそうで、その理由は社長とその芸妓さんの間に絶大な信頼関係があるからに他なりません。

「絶対にミスれない会食。そこを託せるのは"彼女"しかいない。」
と思われているんですね。


そんなベテラン芸妓さんが「嘘も付くんですか?」と聞かれた時のこと。
彼女は返す刀でこう答えました。


「嘘ばっかりどす。」


え?嘘ばっかり?
「ジャパニーズおもてなし」の最高峰が?
大物経営者が絶大な信頼を置くTOP芸妓さんが??

「お酒弱い人でもどんどん進めて潰してしまうんどす。」
「すごいお姉さんは、ポンポン嘘ついてはりました。」
「知ってることでもアホなふりして聞いてあげるの。」

なんだか残念な気持ち。
これじゃ金儲けドリブンなキャバ嬢と同じです。


しかし、先ほどの言葉には続きがありました。


「芸妓を脱いだら一切嘘はつきません」


そう、彼女は「嘘をつく時」「嘘をつかない時」を明確に分けているのです。

芸妓を脱いだ状態(宴席外)ではお得意の社長さんたちと腹を割って話し、彼らが望んでいること、求めていることを正直に話し合う。そこですり合わせた目的が果たせるように、彼女たちはお客さんに必要な嘘をつく。

彼女たちの仕事は「お客さんの目的が達成されること」であり、そのために必要な嘘ならいくらでもつく、ということです。
そしてその「嘘」は悪ではありません。目的を果たす手段の一つなのですから。実際にそれで経済の中枢が回っていることも事実です。

つまり「嘘」そのものに善悪は無く、問題は「目的が果たせるかどうか」です。もし「悪い嘘」があるとすれば、それは「目的を果たせない嘘」です。
逆に言えば、目的に関係ないところで無駄な嘘をつく必要もないし、必要以上に正直でいる必要もない。

つまりバイトサボろうが、約束破ろうが、浮気しようが関係ないんです。
もちろん糾弾されるでしょうが「嘘をつくべきだ」と覚悟した上だった場合や、「こいつに正直でいる必要はない」と判断した場合は問題ありません。それがベストです。

たった一人でもいい。
「正直になる人」さえ決めれば、あとは嘘も使え。


というわけで、今後「嘘つきやがって!」と言われたらこう言い返しましょう。

「正直になる必要性を感じなかった」
と。


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