「逃げ恥」を観ていません。「ONE PIECE」も「ナルト」も読んでません。「カメラを止めるな」、「ボヘミアンラプソディー」、「ファンタジックビースト」は観ていません。

そういうと、観た人は決まってこう言います。

「お前、人生の半分損してる」

誰しもがこのセリフを言った、または言われたことがあるはず。
そして勝手に作り上げられたしょうもないヒエラルキーの高みから見下され、やり場のない憤りを抱えることになります。

私はこの憤りを瞬時に発散する良いフレーズを考えました。

「お前の人生しょうもないな」

いかがですか、最高のカウンターパンチですよね。

つまり「人生の半分損している」と言うということは、判断したそいつの人生半分はその映画や漫画などで構成されているということです。
「君の名は。」が人生の半分を占めているやつは、二回見ただけで「もう死んでもいい」ということでしょう。どうぞ隕石で死んでください。もしくは口噛み酒でお腹を壊して、ピロリ菌のリンチにあって死んでください。

もうほぼ結論を言ってしまったのですが、皆さんが正しく屁理屈できるよう解説を続けますね。

すぐに「人生の半分損してる」と言う人の共通点として、圧倒的に「想像力が欠如している」という点があります。

彼らは、自分が触れた世界が全てであり、それは他者よりも広くて深いものだと錯覚しています。
大抵の場合、彼らにとってはTwitter、インスタ、ヤフーニュースのタイムラインが「社会の全て」です。しかし、インターネットはお勧めのものをアルゴリズムで解析して提示するので、実際は偏ったものしか目につきません。

つまり完全な井の中の蛙なのです。淡水の井戸水しか知らないのに「水って美味しいんだぜ！」と自信満々に言いふらします。そんなカエルくんには「美味しい水」と書いた海水をジョッキで一気飲みしてもらいましょう。

カエルくんは気づいていないのでしょうが、今や大衆が1つの画面を見るしかなかったTV主体の時代は終わり、誰もが自分の好きな歌手や芸人さんを見つけられるネット社会です。
同じネットフリックスを観ている人でも、全然違う映画をオススメされていますよね。

だからAKBも全然可愛くない女の子いっぱいいるんです。それは個人の趣向に合わせられるようにしているから。
百恵ちゃんや聖子ちゃん、キョンキョンなど、1人のトップアイドルを崇め奉る唯一神教的な時代は幕を閉じたと言っていいでしょう。

もっと言えば人の楽しみは映画や漫画といったエンタメに限りません。
登山が好きな人もいれば、ドライブが好き、寝るのが好き、雨の日の靴下を嗅ぐのが好きなんて人も少なからずいるでしょう。もしかするとその人にとっては雨の日の靴下が「人生の半分」かもしれないのです。

まとめると、「人生の半分損してる」と軽々しく言うと、自分の人生の価値を相対的に下げかねないということです。

皆さんの人生はそんな安いものではありません。
間違っても自分の好きなものを理解しない人に対して「半分損してる」などと大げさに言わないようにしましょう。

というわけで、本日のことわざはこちら。

大袈裟は小者の証

【意味】
何でも大袈裟に言う人は、自分が小さいが故に誇大な形容をしてしまうということ。

【例文】
「君の名は。」観てないと人生の半分損してるの？
じゃあ君の人生は「君の名は。2」が出たらおしまいだね。大袈裟は小者の証さ。